FOMARE、大きな一歩を踏み出した『If I stay Tour 2018』追加公演
FOMARE | 2018.05.07
2017年4月に新ドラマー・樹下卓弥が加入。新体制となりますます勢いを増している3ピースバンドFOMAREが、2017年12月に1stミニアルバム『If I stay』をリリース。今年1月にスタートしたレコ発ツアー『If I stay Tour 2018』の追加公演を、4月23日TSUTAYA O-WESTにて行った。さまざまなバンドとの対バンを楽しんできた彼らだが、記念すべきツアーファイナルには、FOMAREのメンバーがファンだというバンド・SWANKY DANKとNorthern19が登場。3者3様のステージングで超満員のフロアを盛り上げた。
トップバッターを務めたのは、SWANKY DANK。1曲目『misery』から、疾走感のあるパンキッシュなサウンドと、KOJI(Vo&Ba)とYUICHI(Vo&Gt)の雄々しいツインヴォーカルが炸裂し、“FOMARE”と大きく掲げられたバックドロップを背負いながらも、すぐさま空間を掌握していく。その後は、KO-TA(Gt)が奏でる妖しげなリフに導かれ、弾けるように駆け出した最新曲『Amazing Dreams』。強靱な肉体から繰り出される骨太ロックがサークルモッシュを誘発した、ラストナンバー『Listen to the Radio』など、全7曲を披露。FOMAREとは初共演だという彼らだが、“FOMARE”Tシャツを着たKOJIの姿や、「楽屋にいるアイツら(FOMARE)に届かせる。いいですか!?」という煽りからもわかるように、音楽に人生を懸けた同志への愛に溢れたライブとなった。
続いてステージに現れたNorthern19は、19歳の時に結成し、今年15周年を迎えたベテラン3ピースバンド。自然と溢れる手拍子を全身に浴びながら、『AKASHIC RECORD』『MESSAGE』『MORATORIUM』といったアッパーチューンを立て続けに投下すると、観客はすぐさまヒートアップ! 凄まじい熱気が2 階席にまで伝わる中、ステージに向かって、次々にダイバーが打ち寄せられた。その一方、『SLEEP』や『TONIGHT,TONIGHT』のようなミディアムナンバーでは、丁寧に言葉と音を紡ぎ、観客の心を鷲掴みにする3人。Northern19もFOMAREとは“初絡み”だったそうだが、FOMAREの憧れのバンドというだけあって、その立ち姿、生き様はまるで未来のFOMAREを見ているよう。ラストナンバー『STAY YOUTH FOREVER』では、ステージ端でずっとライブを見守っていたアマダシンスケ(Vo&Ba)とカマタリョウガ(Gt&Cho)がフロアにダイブする一幕もあり、最高の熱量で、トリを務めるFOMAREに繋いだ。
「『If I stay Tour 2018』ファイナル!全員、こぶし挙げろ!もっといけんだろ?!」
満を持して登場したFOMAREのライブは、そんなアマダシンスケのシャウトを合図に幕を開けた。そして、吐き捨てるようなタイトルコールから、アルバム『If I stay』でも1曲目を飾っている『君と夜明け』へ。樹下卓弥(Dr)とカマタリョウガが生み出す清涼感溢れるサウンド、アマダの哀愁を秘めたハイトーンヴォイスが絡み合い、さまざまな想いを抱きながら、夜明けの街を駆け抜けるような情景を浮かび上がらせる。アマダ曰く、『君と夜明け』は元カノのことを歌った曲だそうだが、この瞬間、彼の中には、苦悩しながら楽曲制作をしていた日々や、リリースという1つの夜明けを迎えてようやく音楽を届けられる喜び、開放感も内包されていたのだろう。「夜が明けるー!」と最後のフレーズを歌い終わり、「会いたかったぞー!」と口にしたアマダの笑顔がそれを証明していた。 その想いに応えるようにリズミカルに突き上げられた無数の腕が、メンバーの興奮をさらに加速! 『雨の日も風の日も』『風』といった等身大のメッセージソングを、汗と共に青春の輝きを撒き散らしながら演奏する3人の姿は、とても美しく感じられた。
Northern19のステージで、笠原健太郎(Vo&Gt&Cho)が「こういう日本語(の歌詞)を作れるってすごいなって思ってて。Northern19でも日本語をやってみたいなって思いました。嘘です(笑)」とおちゃめに語っていたが、どれだけ激しく煽り、暴れても、FOMAREの音楽の中心には、リスナーの心に寄り添う言葉が存在している。たとえば、タイトルからしてインパクト大の『恋をする自分が好きなだけだと思う』は、女性目線で赤裸々な恋愛観を歌ったナンバー。そんな“自分でもダメだと思う自分”、綺麗事だけではないリアルな感情を、彼らは歌に昇華して、FOMAREの存在するこの場所が自分の居場所だと示してくれる。良い意味で、肩肘を張らずに生きることを教えてくれる。そういう温かさが、この日のライブにも存在していた。
本編中盤のMCでは、『If I stay Tour 2018』を振り返り、カマタが、アマダが3日目の千葉LOOK公演で足を骨折していたことを暴露。中性的な見た目のアマダの意外とヤンチャな一面が明らかになった……矢先、じつは今回のO-WEST公演でも、Northern19のライブ中にダイブをして肋骨を折っていたというから驚きだ。
しかし、「『If I stay』の曲を作ってる時、ずっと、(発売日の)12月6日になるのが怖くて。12月6日にCDを出して、1月11日のツアーから始まって、今こうやってここまで来てるんですけど、どんなアルバムになるんだろう?とか、どんなツアーになるんだろう?とか、俺達どんなバンドになるんだろう?とか、不安な気持ちでいっぱいだったんです。でも、ツアーが始まって、いろんな場所でライブをやる度に、メンバーといっぱい会う度に、いろんなバンドと出会う度に、いろんなお客さんと歌を歌う度に……心からやっててよかったなって思いました!ありがとうございます!」と語る、繊細な一面も彼の魅力。だからこそ、歌える歌、伝えられる想いがあり、≪カーテンの隙 灯る光 君の寝顔が綺麗で 二度寝をして起きた頃はいつも 仕度をした君が家を出て行く≫というサビが印象的な『Lani』を歌い始めれば、FOMAREに共感した仲間達の頼もしい大合唱が、彼らを包み込んでいった。
そして、後半には、柔らかい光に照らされたステージで、『春風』や『かわらないもの』といったミディアムナンバーを情感豊かに熱唱。生々しい言葉達が観客1人1人の記憶を刺激する。でも、最後はやっぱり楽しく終わるのがFOMAREらしさ。本編ラストは『HOME』を披露し、「明るい未来が見えた気がしました!」という言葉の通り、ダイブあり、こぶしありの多幸感溢れるフィナーレとなった。
なお、アンコールには、カマタの22歳の誕生日を顔面ケーキで祝うサプライズ演出もありつつ、懐かしい楽曲『新しい歌』と、新曲『夢から覚めても』の2曲を披露。それでも鳴りやまないコールに急遽再登場すると、最後はオープニングと同じく『君と夜明け』で締め括り、次なるステージに向けてFOMAREは歩き始めた。
【取材・文:斉藤碧】
【撮影:kohei suzuki】
リリース情報
セットリスト
『If I stay Tour 2018』
2018.04.23@TSUTAYA O-WEST
-
SWANKY DANK
- 01. misery
- 02. number
- 03. Colors
- 04. Amazing Dreams
- 05. Sink Like a Stone
- 06. the answer
- 07. Listen to the Radio Northern19
- 01. AKASHIC RECORD
- 02. MESSAGE
- 03. MORATORIUM
- 04. NEVER ENDING STORY
- 05. SLEEP
- 06. TONIGHT, TONIGHT
- 07. BELIEVER
- 08. CRAVE YOU
- 09. STAY YOUTH FOREVER FOMARE
- 01. 君と夜明け
- 02. 雨の日も風の日も
- 03. 風
- 04. 恋をする自分が好きなだけだと思う
- 05. Lani
- 06. stay with me
- 07. 春風
- 08. かわらないもの
- 09. HOME 【ENCORE1】
- En 01. 新しい歌
- En 02.夢から覚めても 【ENCORE2】
- EN 03. 君と夜明け
お知らせ
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