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“唯一無二”へ向け、歩みを止めぬONE N’ ONLYの2度目のオンラインライブを観た

ONE N’ ONLY | 2020.10.02

 唯一無二の存在になるために、必要な条件とはなんだろう。才能、表現力、キャラクターなど、様々な理由が考えられると思うが、揺るがないひとつの理由は“常に進化し続けること”ではないだろうか。9月23日、FanStreamにて配信された「1N’ 2N’ ONE N’ ONLY!! ~Special Live~」は、ONE N’ ONLYが僅かな期間でも進み続けていることを強く印象づけた日だった。

 メンバーが会場に入ってくるところから、ライブはスタート。モノクロの映像は彼らが持つクールなイメージを増幅させ、「ここから何かが始まっていく」という期待感を煽る。「I’M SWAG」でパフォーマンスを封切ると、一気にワンエンワールドへ引きこんでいった。シンクロ率のあがったダンスには、オンラインライブでも最高のものを作るという気迫が宿り、それぞれの瞳にも本気の色がにじむ。2ヵ月前に行われた「"Shut Up! BREAKER" Special Live」の振り返りを入念にしたのだろう。ひとつひとつのダンスや歌い方は、オンラインライブをするということから、オンラインライブで魅せるということに彼らの意識が以降したことを物語っていた。

 HAYATOが咳払いしたのをきっかけに画面が色づくと、間髪あけずに「Dark Knight」へ。彩り豊かな髪色は激しいダンスのなかでもそれぞれを追いやすくし、いかに彼らのフォーメーションが凝っているのかを強調する。メンバー内でわりと身長さがあるにも関わらず、腰の高さや手の角度などきっちり揃えてくるところは“さすが”の一言。初披露となる「Breathe」では、EIKUが一瞬の視線でファンを射抜き、NAOYAは色気を増したダンスで魅了。いよいよ本領発揮してきたかと、思わず前のめりにさせられた。

 MCは前回同様、Fan Stream内のコメントを読みながら進めていく。ファンから「HAYATO君、メロンソーダみたい!」と届くと、「誰がメロンソーダじゃ!」とHAYATO節を炸裂! 和気あいあいとリアルタイムでファンとの交流を楽しんでいた。

 しかし「Don’t worry」が始まると、雰囲気は一変。穏やかで柔らかい表情をするものだから、ジェットコースター並みのギャップにクラクラさせられる。「LA DI DA」においては、カメラワークも駆使して世界観を作りこんできた。歌ってるメンバーを追うようにカメラは動いていくのだが、画面に映る映像が常に綺麗なのだ。きっちり見切れるまで踊りきり、余分な移動シーンも映すことはなく、ボーカルと共に抜かれるダンスでは一瞬の表情も手を抜かない。1曲のなかに彼らのこだわりの強さを感じずにはいられなかった。

 幕間には、新グループであるBUDDiiSがONE N’ ONLYの楽曲である「Everything’s Changing」をカバー。元PRIZMAXの面々である小川史記、ケビン、森英寿が所属しているということもあり、初ライブとは思えぬ安定感がある。「SWAGの皆さんに、少しでも幸せが届いていたら嬉しいです」と告げ締めくくった。

 ライブも後半へ突入し、メンバーは衣装チェンジをして登場。前半が闇の騎士だとするならば、後半は理想の彼氏といったところだろうか。デニムにジャケットという装いは、普段とは違う魅力を放っていた。スイートでメロウな「POP! POP!」を、甘い表情を浮かべて歌うさまは悩殺ものだ。優しく穏やかに<キスしたいよ>と歌うREIに、やられたファンがどれだけいたことだろう。なんて恍惚に浸っていると、10月14日に配信リリースされる新曲「JUST LIKE ME」では、イケイケなディスコチューンで攻めてくるのだから、本当に6人はあざとい。一段と目を引いたのは、2番入りで高く蹴りあげるKENSHINだ。NAOYAとEIKUの間を縫って出てくるさまは、堂々たるキングの貫禄があった。そのまま休む間もなく、「Shut Up! BREAKER」でラストスパートをかけていく。

 KENSHINが「コール、しくよろです!」と告げ「HOLIDAY」が始まると、会場には一瞬にして爽やかな夏の風が吹いた。“HOLIDAY!”とジャンプする姿はあまりに身軽で、バテを一切感じさせない。衣装チェンジ分の休憩があったとはいえ、ほぼぶっ通して彼らは歌って踊っているのだ。そのプロ意識の高さに、思わず感服させられる。いつもの“HOLIDAY”コールも、この日はBUDDiiSの出演を受けて茶目っ気たっぷりにアレンジするなど、自由に遊ぶ姿は、本気のパフォーマンスをしつつも“音楽を楽しむ”という根本を、彼らが忘れていないことを物語っていた。「みんなに僕たちのハートを届けるね」というNAOYAの言葉に導かれラストナンバーの「My Love」へ。REIが伸びやかな歌声を響かせたかと思えば、TETTAは感情をこめて歌いこむ。EIKUの声が裏返ってしまう一幕もあったが、それだって生ライブのご愛敬。口パクでなく生歌で歌っているからこそ、伝わる歌があり届くものがあることを表していた。みんなで大きな?(ハート)を作り、本編を締めくくった。

 アンコールでは、トップスをTシャツにチェンジして出現。穏やかな表情で、バラードナンバーの「Bla Bla Bla」を切なく歌い上げる。ラスサビで美しいハーモニーを響かせるボーカル3人の姿は、彼らが“ちゃんと歌えるグループ”であることを感じさせた。「Category」で有り余ったパワーをすべて出し切り、約1時間半のステージを完走したのだ。

 コロナ禍のように制限された環境が続くと、何もできないような気がしてしまう。しかし、きっと実際はそんなことないのだ。目指す場所をしっかりと見据え、自分の現在地点を確認することを怠らなければ、どんな状況でも人は進んでいくことができる。変わっていくことができる。たった2ヵ月でパフォーマンスのクオリティをあげ、オンラインライブの魅せ方を作りこんできたONE N’ ONLYを観ていると、そう思わずにはいられなかった。進化を繰り返し、多くの人から彼らが“唯一無二”と言われるその日が楽しみでならない。

【取材・文:坂井彩花】

リリース情報

Digital Single「JUST LIKE ME」

Digital Single「JUST LIKE ME」

2020年10月14日

SDR

M1. JUST LIKE ME

セットリスト

1N’ 2N’ ONE N’ ONLY!! ?Special Live?
2020.09.23

  1. 1. I’M SWAG
  2. 2. Dark Knight
  3. 3. Breathe
  4. 4. Don’t worry
  5. 5. LA DI DA
  6. 6. Everything’s Changing(カバー)/ BUDDiiS
  7. 7. POP! POP!
  8. 8. JUST LIKE ME
  9. 9. Shut Up! BREAKER
  10. 10. HOLIDAY
  11. 11. My Love
  12. 【ENCORE】
  13. EN1. Bla Bla Bla
  14. EN2. Category

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