ゴスペラーズが大切にしている「コンサート」とは?
ゴスペラーズ | 2010.12.13
秋冬シングル「冬響」をもって、ハモリDNAを全国に運ぶツアーがスタート!
自分たちの愛する音楽への想いを込めたイベント“SOUL POWER SUMMIT 2010”を大成功させたゴスペラーズのニューシングル「冬響」は、前作「愛のシューティング・スター」から一転して、ムーディーなバラード。冬の始まりを告げるのにぴったりの5人がフルに活躍するハーモニーの構成は、酒井雄二が担当。色彩感豊かなサウンドが、彼らの現在の好調ぶりを伝えてくれる。一方、カップリング「Mr.サンデー」は日曜夜の情報番組「Mr.サンデー」のテーマ曲で、こちらはスピーディな展開がスリリングなアッパーチューン。これらを引っさげて、ゴスペラーズはツアー“ハモリ倶楽部 響(HIBIKI)”を、間もなくスタートさせる。
- EMTG: 今回のツアーでも、今まで行ったことのない街でライブをやるんですか?
- 村上てつや: はい、今回は福島のいわき市。ちょっと意外なんですけど、ここは初めてです。それと、兵庫の加古川市、岩手の奥州市ですね。
- 安岡優: 奥州藤原の奥州市です。
- 村上: ここは花巻の近くで、北上市ではやったことがあるから、正確には行ったことのない地域ではないんですけど、一応その市でやるのは初めてっていう。その意味では、大阪市に近い岸和田市もそうです。大阪もやって、岸和田もってなかなか熱いんですけど(笑)。
- 黒沢薫: 熱い、熱い。
- 村上: そこで大阪と客層がガラッと変わると思えないんですけどね(笑)。
- EMTG: (笑)そうすると、今回のツアーは初訪問のところが多い?
- 村上: 実は、多いですね。
- EMTG: そして“ハモリ倶楽部”というツアー・タイトルは2度目になりますね。
- 村上: はい。前回は08年の夏に、ちょっと普段と違うことをやってみようじゃないかというノリで、コンサートの中で劇をやるってことを柱にしてやった。そのときは、ハモリにあぐらをかいていた所を正される、ていうストーリーで(笑)。
- EMTG: あはは、くだらないけど、面白そう(笑)。
- 酒井雄二: くだらなくないです、真面目にやったんですから(笑)。
- EMTG: ごめん、ごめん。
- 村上: (笑)そういう、ちょっと普段やらないことをやるのもよかろうということで。今回も“ハモリDNA”みたいなものを日本中に広げていく秘密結社の営業みたいなストーリーで。
- EMTG: あは、今回もくだらないけど、面白そう(笑)。
- 酒井: やめてください、くだらなくないですって(笑)。
- 村上: そういうコンセプトのコンサート中劇みたいなものを入れていくのも、久しぶりですね。その中で、自分たちのハモリっていうのをもう一回捉え直して、見せ方も含めて楽しんでもらおうと思ってます。
- EMTG: ハモリ中心のアイデアのキッカケになったのは?
- 村上: 僕らの中の意識として、「ウイスキーが、お好きでしょ」が大きかったですね。タイミングとニーズに合ったときに、ハーモニーの持つパワーってのはやっぱりすごくあるなと実感して。
- EMTG: 確かに「ウイスキーが、お好きでしょ」の反響は大きかったよね。
- 村上: まあお酒だから、ツアー・タイトルが「響」だってことではないんですけど(笑)。
- EMTG: あ、なるほどね。なるほどねってここで感心してもしょうがないんだけど(笑)。
- 北山陽一: 一応そういうことになりますね、ベタベタですけど(笑)。
- EMTG: そして「響」っていう文字つながりで、今回のシングルは「冬響」なの?
- 村上: そのあたりの真相は、未だ闇の中なんですよ。
- EMTG: どういうこと???
- 村上: シングルとツアーのタイトルがリンクしてる度合いが、自分たちでもいまひとつよく分からない(笑)。「冬響」を作るに当たって、冬だからハモリを聴かせたいっていうコンセプトが最初からあったわけです。ツアー・タイトルより前から、秋冬のシングルは少なくともサビに関してはアカペラ・バラードと言えるような曲を考えていた。このサビの歌詞は酒井がサビのフレーズを書いてるんですけど、そこまでできた段階で、作詞家の山田ひろしさんに共作をお願いして。その時点で「響」ってツアー・タイトルはもう発表されてました。
- EMTG: ってことは、山田さんが狙っちゃたのかな?
- 村上: 酒井くん、そこは闇の中なんだよね?
- 酒井: そうですね(笑)。俺からシングルのタイトルに「響」を入れてくれと山田さんに言ったことは一度もなかった。
- 村上: ツアーの細かいインフォメーションが山田さんにいっているとも思わないし・・。
- EMTG: ま、偶然そうなったっていうほうが、話の流れとしてはきれいなのかな。
- 村上: だったら、そうしましょうか。
- 黒沢: じゃあ、そうしましょう。
- 安岡: 俺たちが「そうしましょう」って言ってどうするの(笑)。
- EMTG: あははは。ところで、どうして秋冬はハモリの季節なのかな?
- 酒井: 冬になるとゴスペラーズ需要が高まるというムードは、デビュー以来16年間ずっと感じてます。ラジオのパーソナリティの方が曲の紹介のとき、必ず「冬にはハーモニーが聴きたいですね。だからゴスペラーズの音楽は、この季節にぴったり」って言う。理由はわからないんですけど。アマチュアのころも、冬の方がストリート・ライブのウケがよかったりとか。
- EMTG: そういえば、そんな感じもするけど・・「夏もハーモニーだ」って、自分たちもあえて言わないの?(笑)。
- 酒井: 前に、「カレンダー」ていう曲のときに、すごい言った気がしますが(笑)。
- 黒沢: そうそう、「夏こそハーモニーだ」みたいなこと言ってたような気がする(笑)。
- 北山: ハモるっていう時点で、それは人間関係なんで、やっぱ人肌恋しい時期とか時間帯に、ハーモニーって求められるんだと思うんですよ。
- EMTG: 分析するね(笑)。そうかぁ。
- 北山: どっちかっていうとハモリって、心の穴を埋める音楽だと思うんですよね。だから、外に出てワクワクしているときに聴くものじゃないのかなって、みんな思ってるんだろうな、きっと。
- EMTG: 涼しげなハーモニーってあんまりないのか。
- 黒沢: あるはずなんですけども(笑)。
- 北山: 誰がハモッてるのかも大きいと思いますけど、ゴスペラーズは今のところそういう感じで受け取られているんじゃないですかね。
- EMTG: 勉強になるなあ(笑)。というところで、12月には“EMTG MUSIC Fes.2010”に出ていただきますが、ツアー中のフェス出演なので、ツアーとどんな ギアチェンジをして臨みますか?
- 村上: 歌を唄うという意味ではツアーもイベントも同じなので、特にギアチェンジは必要ありません。素晴らしいシンガーが多数出演するので、良い刺激を受けて我々も熱いパフォーマンスをしたいと思っています。
- EMTG: ありがとうございました。楽しみにしています。
【取材・文:平山雄一】
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