Superfly、1年9ヵ月ぶりのニューアルバム『Mind Travel』リリース!!

Superfly | 2011.06.14

 2 ndアルバム『Box Emotions』から1年9ヵ月。まるまる1年かけて制作されたSuperflyの3rdアルバム『Mind Travel』がいよいよリリースされる。明快なロックナンバーで前半をとばしながらも、志帆の女性的な面が表れたオーガニックな曲や、自らの“心のルーツ”を歌った曲、そして讃美歌のような曲に至るまで、時間の分だけ“深化”が感じとれるアルバムだ。制作期間中には自分自身とSuperflyとの間で揺れた時期もあったというが、ではどのようにしてこうした堂々たる作品へと着地することができたのか、話を聞いた。


EMTG:今回は今まででもっとも長い時間をかけて制作されたアルバムですが、レコーディングの方法自体が変化したところもあります?
志帆:いや、2ndアルバムでだいぶレコーディングのやり方をつかめたところがあったので、そのときにいろいろ感じたことを、そのまま延長して作っていった感じでしたけど。ただ2 ndのときは録るときに“せーの”で一緒に歌っていたんですが、今回は最初からは歌わずに、コントロール・ルームでじっくり音を聴くようにしてました。前作は感情的なアルバムにしたいと思って作ったので、ミュージシャンのみんなの感情を引き出すという意味でも私が率先して歌っていたかったんですよ。例えば“これは怒りの感情の曲なんだ”と示したいときは、別に言葉でそう言うわけじゃなくて、そういう歌い方の表現を見せることによって引っ張っていきたかったんです。でも今回は自分が一番いい形でのっかっていけるサウンドを見つけてから歌いたかったんですね。そこは大きな違いかな。
EMTG:プロデューサー的な感覚を持って臨んでいたってことなんですかね?
志帆:う~ん、どうなんですかね。でもなんか、ちょっと俯瞰で見てたような気はします、今回は。とにかくじっくり音を聴くようにしていたし、音を聴いた上で歌うようにしてたし。例えば「Ah」という曲は言葉じゃ誰にも言えない気持ちを溜息にして解き放ちたいと思って作った“溜息ソング”で、コーラスの方にも“ア~ア~アア~~”って歌ってもらったんですけど、始めはちょっと元気めに“ア~ア~”って歌ってくれてて。でもこれは溜息の歌だから、そんなに強すぎず、かといって弱々しくなりすぎず、みなさんなりの想いを“ア~”の一音に込めて歌ってくださいって説明して。そうしたらそれまでと全然違う“ア~”になったんですよ。で、これこれ!って思ったり。
EMTG:出来上がりのヴィジョンが見えてるってことですよね。完成形がある程度見えていて、そこを目指して作っていくという。
志帆:今までに比べると、確かにそういうところがあったかも。もちろんまわりの人のサポートがあってこそですけど。(プロデューサーの)蔦谷さんとも、長くやってきたなかでスムーズにやり取りができるようになったので。それは大きいです。
EMTG:蔦谷さんとはもうツーカーな感じ?
志帆:いや、そういう感じではないですけどね。ひとつひとつ話して、お互いに納得しながらやっていく感じなので。でも精神的なところでもすごく支えてくれますし、蔦谷さんなくしては考えられないってところはあります。とても熱い方なんですよ。
EMTG:2ndのときは3人の絶妙なトライアングルで制作が進められていったわけですが、今回は?
志帆:今回はもう多保くんは作曲に専念してくれてますね。完全に作曲家。サウンドについては任せてくれてます。しかも、以前はガチガチにアレンジまで詰めて作ってくれてたんですけど、最近はあえて隙間を残した形でデモをあげてくれる。だからちょっとこっちで変えたりしたいと思ったときにも変えやすい。もうホントに、美しいメロディを作ることに徹している感じがあって、少し前はパソコン上で作曲していたのが、今ではまた原点に戻って5線譜で書いてるらしいです。だから強くて美しいメロディが生まれてくるという。
EMTG:志帆ちゃんも多保くんも、より強いメロディということに、以前にも増して意識が向いているようですね。
志帆:そうですね。アレンジを取っ払ったときにもどれだけ強いメロディであるかってことを意識するようになってますね。
EMTG:ところで以前、Superflyとして表現したい音楽と、越智志帆として表現したい音楽の間で揺れているというような話をしていたことがあったじゃないですか?その狭間問題は、このアルバム制作においてはどうだったんですか?
志帆:狭間問題ねぇ(苦笑) 戦ってますよ、はい。やっぱり1年かけて作っていたので、その間に波はあったんですよ。でも「タマシイレボリューション」を作ったあとくらいかな。少しだけ自信が持てるようになって。
EMTG:「タマシイレボリューション」は、志帆ちゃんがSuperflyであることを強く意識しながら自分で作った曲でしたからね。
志帆:はい。あの曲が大きかったですね。
EMTG:で、今回のアルバムを聴いていると、もうSuperflyである自分をすごく楽しめているように感じられたんですが。どうです?
志帆:そうですね。ちゃんと着地はしたなって思います。正直、フワフワしてた時期もあったんですよ。「どうしよ、私」って思ったりして。でもここ数ヶ月で集中してガッと作っているときには、ちゃんとSuperflyとしての自分を意識している……無意識に意識してる自分がいたので、いい感じで着地することができました。
EMTG:このアルバムを聴いた人は、そんなフワフワした時期があったなんて気づかないと思う。そういう揺れがあったとは1ミリも感じさせない明快なアルバムになってますから。
志帆:よかった(笑) たぶん、多保くんとよりリスペクトし合えるようになったのが、すごく大きいんだと思います。この人はやっぱりすごいんだなって素直に思えるようになったので。2 ndのときは多少ライバル視してしまうところがあったんですよ。私がちゃんとSuperflyのフロントマンとしてやりきれていないんじゃないかって思いがあって、それが悔しくてしょうがなかったんです。それが今では、ちゃんと素直にリスペクトできる精神状態に落ち着くことができた。3枚目にしてようやく少しだけ、あ、自分ってこうなんだなっていうのが見えた気がしてるんです。
EMTG:では最後に、ここまでの3枚のアルバムを一言で表現してもらえますか?
志帆:え~っ、難しい。なんだろ。1 stは……「体当たり」(笑) 2ndも「体当たり」。アハハ、一緒ですね。じゃあ、2 ndは……「葛藤」。で、3 rdは「平穏」……でもないか?あ、3 rdは「リスペクト」ですね。
EMTG:リスペクト?何に対しての?
志帆:多保くんともリスペクトし合いながら作れたし、あと、今回は自分の心のルーツを描いた曲があったりもして、音楽へのリスペクトも表わせたと思うし。それから父親のことを思って書いた曲(「Morris」)もあるので、私を支えてくれている人へのリスペクトも入っている。うん。そういうアルバムです。

【取材・文:内本順一】

リリース情報

Mind Travel【初回限定盤】

このアルバムを購入

Mind Travel【初回限定盤】

発売日: 2011年06月15日

価格: ¥ 3,619(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン

収録曲

1.Rollin’ Days
2.Beep!!
3.Fly To The Moon
4.タマシイレボリューション(Extended ver.)
5.Eyes On Me
6.Deep-sea Fish Orchestra
7.Secret Garden
8.Sunshine Sunshine
9.Morris
10.Wildflower
11.Free Planet
12.悪夢とロックンロール
13.Only you
14.Ah

[初回特典DVD収録内容]
*収録順など未定
Dancing On The Fire
Wildflower
タマシイレボリューション
Free Planet
Roll Over The Rainbow
Eyes On Me
Beep!!
Morris
Rollin’ Days
Ah
全10曲ミュージックビデオ

リリース情報

Mind Travel【通常盤】

このアルバムを購入

Mind Travel【通常盤】

発売日: 2011年06月15日

価格: ¥ 3,000(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン

収録曲

1.Rollin’ Days
2.Beep!!
3.Fly To The Moon
4.タマシイレボリューション(Extended ver.)
5.Eyes On Me
6.Deep-sea Fish Orchestra
7.Secret Garden
8.Sunshine Sunshine
9.Morris
10.Wildflower
11.Free Planet
12.悪夢とロックンロール
13.Only you
14.Ah

関連記事

INFORMATION

■ライブ情報

Superfly Tour 2011 “Mind Traveler”
◆2011年6月25日(土)
戸田市文化会館
[問]H.I.P
03-3475-9999

◆2011年6月28日(火)
静岡市民文化会館 大ホール
[問]サンデーフォーク静岡
054-284-9999

◆2011年6月30日(木)
広島市文化交流会館
[問]夢番地 広島
082-249-3571

◆2011年7月2日(土)
島根県民会館
[問]夢番地 岡山
086-231-3531

◆2011年7月4日(月)
倉敷市民会館
[問]夢番地 岡山
086-231-3531

◆2011年7月7日(木)
三重県文化会館 大ホール
[問]サンデーフォーク
052-320-9100

◆2011年7月9日(土)
名古屋センチュリーホール
[問]サンデーフォーク
052-320-9100

◆2011年7月11日(月)
神戸国際会館こくさいホール
[問]キョードーチケットセンター
06-7732-8888

◆2011年7月13日(水)
大阪国際会議場メインホール
[問]キョードーチケットセンター
06-7732-8888

◆2011年7月14日(木)
大阪国際会議場メインホール
[問]キョードーチケットセンター
06-7732-8888

◆2011年7月19日(火)
京都会館第一ホール
[問]キョードーチケットセンター
06-7732-8888

◆2011年7月21日(木)
富山オーバード・ホール
※会場を変更致しました。ご注意ください。
[問]キョードー北陸チケットセンター
025-245-5100

◆2011年7月22日(金)
石川県・本多の森ホール
[問]キョードー北陸チケットセンター
025-245-5100

◆2011年8月4日(木)
東京国際フォーラム ホールA
[問]H.I.P
03-3475-9999

◆2011年8月5日(金)
東京国際フォーラム ホールA
[問]H.I.P
03-3475-9999

◆2011年8月10日(水)
新潟県民会館 大ホール
[問]キョードー北陸チケットセンター
025-245-5100

◆2011年8月12日(金)
福岡サンパレス
[問]キョードー西日本
092-714-0159

◆2011年8月14日(日)
鹿児島市民文化ホール第一
[問]キョードー西日本
092-714-0159

◆2011年8月16日(火)
熊本市民会館 大ホール
[問]キョードー西日本
092-714-0159

◆2011年8月17日(水)
宮崎市民文化ホール
[問]キョードー西日本
092-714-0159

◆2011年8月27日(土)
宇都宮市文化会館 大ホール
[問]キョードー東北
022-217-7788

◆2011年8月29日(月)
神奈川県民ホール
[問]H.I.P
03-3475-9999

◆2011年9月1日(木)
北海道・ニトリ文化ホール
[問]マウントアライブ
011-211-5600

◆2011年9月2日(金)
北海道・ニトリ文化ホール
[問]マウントアライブ
011-211-5600

◆2011年9月4日(日)
釧路市民文化会館 大ホール
[問]マウントアライブ
011-211-5600

◆2011年9月7日(水)
青森市文化会館 大ホール
[問]G.I.P
022-222-9999

◆2011年9月9日(金)
盛岡市民文化ホール
[問]G.I.P
022-222-9999

◆2011年9月11日(日)
山形県県民会館
[問]G.I.P
022-222-9999

◆2011年9月13日(火)
仙台サンプラザホール
[問]G.I.P
022-222-9999

◆2011年9月15日(木)
長野・ホクト文化ホール 大ホール
[問]キョードー北陸チケットセンター
025-245-5100

◆2011年9月18日(日)
徳島市立文化センター
[問]DUKE 高松
087-822-2520

◆2011年9月19日(月)
香川・アルファあなぶきホール
[問]DUKE 高松
087-822-2520

◆2011年9月21日(水)
高知県立県民文化ホール
[問]DUKE 高知
088-822-4488

◆2011年9月23日(金)
愛媛・ひめぎんホール・メインホール
[問]DUKE 松山
089-947-3535

◆2011年10月2日(日)
沖縄コンベンションセンター劇場
[問]キョードー西日本
092-714-0159

※詳しくはホームページをご覧ください。

トップに戻る