Hilcrhymeの“新境地”を開いた、ニューシングル「no one」

Hilcrhyme | 2011.07.01

2011年、年明けからスタートした全国ツアー「Hilcrhyme MESSAGE TOUR 2011」が全22公演、1本も中止される事無く終えたHilcrhyme(ヒルクライム)。

 この夏には、地元・新潟、朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンターでの、初のアリーナワンマンライヴも控えている。
 2009年の鮮烈なデビューから、この夏で3年目に突入する彼らが、本年2枚目のシングルをリリースする。タイトルは「no one」。
 メンバーのTOCとDJ KATSUが“新境地”と口を揃えた今作について、2人が語る。


EMTG:シングル「no one」を作るにあたりテーマは?
DJ KATSU:曲を作る時には、いつもトラック先行なんですよね。今回もそう。いつもいろんなテーマ、切り口があるんですけど、今回のテーマは、“優しさ”とか“ぬくもり”。楽曲の制作に入る前、ミーティングがあったんですけど、その時、いろんな意見があった中で、最終的に残ったのが、“優しさ”だったり、“暖かさ”、“ぬくもり”だった。だからそこは、わりと意識して作りましたね。今回の曲は、トラックに関しては、これまでになかった作り方をしていて。今までほとんどと言っていいほど、ループするトラックが多かったんですけど、今回は、コード進行だったり、Aメロ、Bメロサビ、イントロとか間奏と、ちょっとずつ違うけど、全体的につながるっていう。ビート先行じゃなくて、完全にメロディーが先行でした。メロディーがあって、構成があって、そこにビートをはめていった感じでしたね。
TOC:“優しさ”とか“ぬくもり”ってテーマは、これまでほとんど無かったんですよね。新しい形だと思います。
EMTG:他にも新しい面があるのでは?
TOC:サビを歌いあげているところですかね。そこが今までの楽曲と、いちばん違うところですね。
EMTG:サビを歌にする……と思ったいちばんの理由は?
TOC:まずは、この曲のサビが出てきた時に、ゆっくり歌って聴かせたいって思いがあった。あとは、ラップしかやってこなかったので、歌に若干の不安はあったんですけど、いけるだろう……っという(笑)、そこはもう、自分の感覚で作りましたね。歌とラップの境界線って、結構、聴く人に寄っても変わるし、そこが難しい所なんですけど、自分の中では、これまでのパターンは、ラップにメロディをつけたその延長上だったんですね。でも、「no one」のサビは、本当に完全に歌、という形です。
EMTG:歌詞を作って行く中で、肝になった部分は?
TOC:サビの4行(「人は独り」だからこそ 側にいる人を大切に思うのでしょう それを「人は一人じゃない」と 言葉を変えてまた歌うのでしょう)でしたね。ここが、この曲のすべてっていうか。ここを、わかりやすくするために、他のバースを作っていったから。本当、ここに書いてあるそのまんま、そのとおりの事を伝えたかったんですよね。
EMTG:歌詞の中に“1人”、“一体”、“ひとつ”……といった単語がちりばめられているのが印象的でした。ここは意識して?
TOC:そうですね。“one=1”っていうのは、テーマにあったかな。うん。タイトルの「no one」は、この曲の中では“誰一人として”って意味で使ってるんですね。誰一人として一人じゃないって事だったり、誰一人として寂しくないだったり。そのあたりの解釈は、聴く人によって、様々でいいと思っているんですよ。やっぱり、震災を経験した中で出来上がった曲だったので“one= 1“というのは意識したと思います。当時、震災のニュースとか見てて、なんかこう……言葉はちょっときついかもしれないんだけど……見たくもないニュース、見たくもない様々な事柄っていうのが、あったんですよね。テレビだけじゃなく、例えばネットでも。例えば……今も続いているのかもしれないけど、誰が悪いんだみたいな、まるで犯人探しみたいな。そこに憤りを感じて、それを曲にしている人もいたし、他にもいろんな形でアーティストが想いや考えを曲にしていたけど、俺は、見たままを書こうと思ったんですよね。見たものだったり、聴こえてくる声だったり、とかっていう意味で。いろんな意見への反発も、元気づける、そのために側にいる……そういうもの、想い、すべて含めて、こう……大きく包み込めるような曲を歌いたかった。こういう事で、みんな怒ったり、淋しんだり、泣いたり、笑ったりしてるんじゃないの?っていう……そういう定義がありました。
EMTG:なるほど。忘れられない出来事に対する喜怒哀楽。怒りと悲しみは誰にでもあるし想像できるけど、その中の喜や楽まで見ていたところがすごいです。すごく物事を俯瞰で観てる歌詞だなぁと思いました。
TOC:そうですね、そこは(笑)。俺が俺がって書いても伝わらないと思ったし、自分はそういうタイプじゃない。だから、結構……うん、自分自身が置かれた環境、受けたものも含めて、書く時の視点は意識して。今回は、本当にいい歌詞が書けたと思います。
EMTG:カップリングの「友よ」は、結婚式をあげる友人について書かれた歌ですね。少し切り口が変わった質問になるんですが、この曲にちなんで、お2人の結婚観をぜひ。
TOC &DJ KATSU:えっ!(一同爆笑)
DJ KATSU:考えた事、ないですねー、それは(笑)。
EMTG:す、すみません(笑)。
DJ KATSU:なんか……現実味がなさすぎて、ほんっと、考えた事ないんですよね(笑)。今、初めて……くらいな感じで(笑)。よく友達にも、そんなんじゃ結婚できないよとか言われるんですけどね?。でも、例えば、結婚だけに限らず、20歳の頃の自分の価値観ってあるじゃないですか。そこと今の価値観を比べた時に、ガラリと変わってる事ってよくある。だから、結婚観も、今は現実味がないけど、ある日、いきなり変わるかもしれないなぁってのはありますけどね。友達の結婚式とかあると、幸せになっていて、いいなぁってのは、普通に思いますし。
TOC:(笑)それが、もし、自分だったらって、想像すればいいじゃん?
DJ KATSU:うん、そうか……。(想像中)……やっぱり、まったく現実味がない(一同大爆笑)。
TOC:よく、結婚は人生の墓場だなんて言われますけど、全然そうは思わないですね。もちろん、俺、したことないし、全然予定もないんですけど(笑)。でもなんか……自分にとっては、理想っていうか……この世の指折りの幸せごと、っていうか。他にもね、仕事の面で考えたら、幸せを感じる事っていうのは、いろいろあるんだけど、ちょっとそことは比べられないから。そう考えると……自分の中では、1~2位を争う幸せごとなのかもしれないです(笑)。

【 取材・文:伊藤亜希 】

tag一覧 シングル 男性ボーカル Hilcrhyme

ビデオコメント

リリース情報

no one【初回限定盤】

no one【初回限定盤】

2011年06月29日

ユニバーサルJ

[DISC1:CD]
1. no one
2. 友よ

[DISC2:DVD]
Documentary of "Hilcrhyme" MESSAGE TOUR 2011" Phase 1

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INFORMATION

■マイ検索ワード

●DJ KATSU
L.A.rent a car


シングル「no one」のジャケットとミュージックビデオの撮影で、カリフォルニアに行ったんです。俺、車大好きなんで、自分でレンタカー借りようと思って、いろいろ調べましたね。日本語でうつと、日本車しか出てこないんですよね。だから英語でうったんですけど、そうすると、ムスタングとかポルシェとか出てくる。普段乗れないような車に乗りたいなと思ったから、ばっちり調べて行きましたね。

●TOKU
(自分の本名)


うちら本名公開してないんですけど、ふと、やっぱりどっかで漏れてたりするのかなぁと思って、やってみたけど、大丈夫でした。


■ライブ情報

♪音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2011
◆2011年7月30日(土)
音霊 OTODAMA SEA STUDIO
出演:Hilcrhyme/DEEP
Special Guest:MOHOMBI from Sweden
Opening Act:SHUN

♪初のアリーナワンマンライブ
Hilcrhyme Live in TOKI MESSE -朱ノ鷺-

◆2011年8月13日(土)
朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター

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