音速ライン、通算6枚目のニューアルバム『Alternative』をリリース!

音速ライン | 2012.02.22

 福島出身の藤井敬之(Vo/G)と大久保剛(B)は、ニューアルバム『Alternative』をリリースする。(福島出身は藤井のみ)
 onso9Lineは“いい音楽”に対して非常に率直なユニットだ。それは彼らの人間性の率直さでもある。藤井は今も福島の郡山に住んでいて、東日本大震災では深刻な被災を目の当たりにした。二人が遭遇した未曾有の災害は、彼らの心を激しく揺さぶり、この11曲を生むことになった。
『Alternative』は実にonso9Lineらしい、ヒューマンで優しい啓示に満ちたアルバムだ。どの曲も美しいメロディを持ち、芯の太いロック・サウンドに彩られている。もしonso9Lineの名前を知っていても、まだ彼らの音を聴いていない人がいるなら、この『Alternative』を勧めたい。この新作には、音楽性もメッセージも含めて、onso9Lineの今と未来が詰め込まれているからだ。

EMTG:去年の東日本大震災は、大変だったね。
藤井:6月まで続くツアーの最中だったんですよ。俺の住んでる郡山も被害がすごく大きかった、だから歌ってる場合じゃないだろってツアーの中止も考えたけど、俺の奥さんから「行ったほうがいいよ。自分の声でこっちの状況を全国に伝えたほうがいい」って言われて。本当にそうだなって思えたんで、ツアーを続けることにしました。
EMTG:続けてよかったですか?
大久保:はい。で、いろんなところに行った中で、特に神戸でやったときに、お客さんと気持ちを共有している感じがすごくあった。
藤井:阪神淡路大震災があった街だから、震災がどういうものなのか、身にしみて分かっている人たちっていうか。こっちがパワーをあげるつもりでライブに行ったのに、反対にパワーをもらった。街も前よりキレイになってるし、何よりお客さんが“いい顔”してた。その顔を見たら、「あ、俺たちも取り戻せるな」って思えた。だからよけいに、テレビの中での出来事になってしまいそうな被災地の様子を、自分たちで伝えないとダメだと思いましたね。
EMTG:大変な思いを抱えたツアーだったんだね。それを終わらせて、アルバムの曲は書けたの?
藤井:曲が書けなくなったり、歌えなくなった人もたくさんいたみたいだけど、俺は書いてました。ただ、言いたいことがそのまま出てくるだけだったから、全体としての方向がなかなか見えてこなかった。
EMTG:今回のアルバム制作はどんな風にスタートしたんですか?
藤井:去年の8月に、アルバムの最後に入っている「心のままに」っていう曲ができたとき、「あ、アルバムが作れるな」と思った。それまでたくさん曲を作ってたけど、ようやく自分がいちばん言いたいことにたどり着いたって感じた。それがスタートだったですね。
EMTG:いちばん言いたかったことって?
藤井:こういう状況のとき、人間ってポジティブな面とネガティブな面の両方がある。取り戻すためにポジティブに切り込んでいかなきゃって思う気持ちもあれば。
大久保:やっぱり無理かなって諦めちゃう自分もいて。
藤井:ポジとネガのどっちかだけにすると、心にすごく負荷がかかってしまう。ポジもネガもどっちも自分だし、両方ひっくるめてひとりの人間であるわけで。それを“心のままに描いていこう”って、この曲で言えたんです。
大久保:「心のままに」のデモを聴いて、まずこれを完成させようっていうことになった。普段はプリプロを一回やって、すぐにレコーディングするんだけど、この曲は何回もプリプロをやらせてもらった。ストリングスのアレンジも、鍵盤の人に手伝ってもらったり。1ヵ月を費やしました。
藤井:ボーカルも“単品”で歌ったんですよ。いつもはコーラスを入れるんだけど、自分の声一本だけでレコーディングしたのは初めてのことだった。一本の生々しい声の方が、聴いてる人に伝わるし、伝えられると思ったから。
EMTG:声自体も、いつもと違って聴こえた。
藤井:そう。俺はよく「歌ってる声としゃべってる声が違う」って言われるんだけど、今回の歌はしゃべってる地声に近い。その意味では、自分のまんま歌ってる・・・あっ、今、思い出した。
EMTG:えっ、何を?
藤井:去年の6月に出したシングル「Nir」に付いてたDVDは、震災6日前の郡山でのライブを収録したものだったんですよ。それを見てたら、お客さんがすごくキラキラしてて、みんな幸せそうな顔してた。震災後、「みんな、こんな顔できてるのかな。あの頃に戻りたい」と思った。前の状態に戻るというより、取り戻したいと思った。このDVDを見たのが、「心のままに」を作る大きなキッカケだったですね。今、思い出しました(笑)。
EMTG:いろんな意味で貴重なライブ映像なんだ。
藤井:その他にも、福島の安積黎明高校合唱団と一緒に「空になる」をレコーディングしたんですけど、みんなの出してる声の中にいて、力をもらいました。校舎はボロボロになっているのに、生徒さんたちはちゃんと未来を見てるんだなと思った。
EMTG:そういう状況の中でアルバム作りが始まった。
藤井:全曲、シングル・カットできるようなアルバムにしようって思いながら作りました。いつもならアルバムに導入する曲だったり、中休みの曲を入れたりするんだけど、今回はリスナーを休ませないで行こうって(笑)。希望を鳴らしたかったから、前を向いてる曲が多い。圧倒的に未来に向いてると思う。
EMTG:中で、1曲目「Birthday」の最初の音には驚いた。ギターがすごく重々しく響いてる。
藤井:あれは「俺たちはここにいるぞ!」っていう存在証明の音です。俺たちは震災を境に生まれ変わった。すごく大変なことだったけど、あの日こそ俺たちのバースデーなんだ。元に戻れないことを受け入れつつ、夢を持っていこうぜっていう歌の最初に鳴らしたかった音です。
大久保:リアルな空気感を大事にしたかったから、たとえばドラマーがカウントする掛け声だったりを、消さずに残したりしてます。
EMTG:その一方で、「1980」は、もろに80年代のシンセの音を使って楽しんでる。
藤井:あれはi-Phoneの80年代のシンセのアプリの音をそのまま使ってる。そういう音楽の楽しみも、俺たちの日常の一部だし。
EMTG:大久保くんはその楽しみに参加したの?
大久保:「それ、ほんとに入れるの?」って、笑って見てました(笑)。
藤井:俺たちは一貫してささいな日々を大事に歌ってきたつもりなんだけど、震災があってその気持ちが100倍強くなった。日常の大事さに気付いた人は、強い。俺たちの歌が、その気付きの助けになればいいと思ってます。
EMTG:『Alternative』っていうアルバム・タイトルは?
藤井:この言葉は“取って変わるもの”っていう意味です。震災前の世界に取って変わるものを、今から俺たちが築いていく。バンド表記も“onso9Line”に変えた。
EMTG:そして、今年もツアーに出る。
藤井:はい。とにかく、早くライブをしたくてたまらない。生きててよかったっていうライブにしたい。魂のぶつかり合いになる。
大久保:僕は感情を表に出すのが苦手なんだけど、今回は頭で考えずに感情のまま行きたいな。お客さんにも、感情のまま楽しんでほしいです。
藤井:よく「onso9Lineを聴くと、泣きそうになる」って言われるけど、ライブで泣いちゃっていいです。俺も泣くかもしれないし。全員で、心のままにライブを楽しもうって思ってます。

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ビデオコメント

リリース情報

Alternative

Alternative

2012年02月22日

よしもとアール・アンド・シー

1. Birthday
2. ピカソ師匠とダリ先輩
3. blinday
4. BABY BABY!!!!!
5. 1980
6. 世界の終わり
7. ランドリー
8. i know i know
9. Winter snow
10. ワールドエッジ
11. 心のままに

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お知らせ

■マイ検索ワード

●大久保
ティッシュ姫

『マクロス』が 大好きで、カバーしてる人を調べてたら、ティッシュ姫がいた。超うまいベースの人でした。

●藤井
血圧正常値

最近、ちょっと気になってます(笑)

■ライブ情報

「心のままにチョックインツアー」2012
2012/03/16(金)代官山UNIT
2012/03/25(日)ベッシーホール
2012/03/29(木)darwin
2012/03/30(金)CLUB RIVERST
2012/04/01(日)金沢AZ
2012/04/05(木)名古屋CLUB QUATTRO
2012/04/07(土)CRAZY MAMA 2nd Room
2012/04/08(日)Hiroshima CAVE-BE
2012/04/13(金)DRUM SON
2012/04/14(土)X-pt.
2012/05/04(金)郡山HIP SHOT JAPAN
2012/05/06(日)心斎橋BIG CAT
2012/05/11(金) SHIBUYA-AX
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

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