スキマスイッチ、2012年第一弾シングルは、映画『臨場 劇場版』イメージソング
スキマスイッチ | 2012.06.27
2012年の第1弾シングルとしてリリースされるのは、映画『臨場 劇場版』のイメージソングでもある「ラストシーン」。大切な人に伝えたい、自分の生き様というものを歌った本作は、昨年10月にリリースされたアルバム『musium』の制作時には、既に完成していたものだという。「シングルとしてリリースされなければ、たとえこのままお蔵入りになっても構わない」ーー。そんな特別な思いのもとであたためられていた珠玉のバラードが、いよいよ私たちのもとへと舞い降りてきた。
- EMTG:新曲「ラストシーン」は、去年レコーディングされていたそうですね。
- 常田:はい。もともとはアルバム『musium』の一番最後に入れたいなと思っていたんですよ。すでに「さいごのひ」というシリアスな曲があったので、それと対比するような明るいバラードをという設計図のもとで作り出した曲だったんです。だけど、いざ曲を並べてみたところ、何か違和感があった。存在感が大き過ぎて、アルバムの中に入れるのはちょっと違うんじゃないかなって思ったんですよ。それで一度「ラストシーン」を外してみたら、アルバムとしてはしっくりきた。「じゃあこの曲は、いいタイミングがあればシングルとして出したいね」ということになって、スキマスイッチとしては史上初だったんですが、一旦”お蔵入り”ということになったんです。
- 大橋:2人組でやってる以上、たとえば僕がこの曲を出したいと思った時にシンタくん(常田)が「出したくない」と言ったら、それは出すタイミングじゃないと思うんですね。だから5年とか10年とか合わなくて、そのままリリースがなくなってしまうかもしれない。でも、僕はそれでもいいと思ったんです。それくらい自分の中では納得いくものが出来たので。
- EMTG:でも神様は放っときませんでしたね。ちゃんと、映画のイメージソングとしてのオファーが来ました!
- 常田:あははは!来ましたね(笑)。
- 大橋:(監督さん含めて映画のスタッフさん)から、「テーマがピッタリなのでイメージソングとして」ってお話を頂いたんです。ミックスまで全部出来上がってしまっている曲なので、歌詞も変えられないし、メロディーも変えられないし、録音もし直さないけどそれでもいいと。それだけ愛されたんだったら、僕ら自身も「ラストシーン」も報われるなと思って。だからすごく嬉しかったですね。
- EMTG:先ほど常田さんがおっしゃいましたが、明るいバラードという表現はちょっと不思議ですね。
- 大橋:ほっこりする感じというか。
- 常田:前向きとかね。
- 大橋:涙は出たけど、何か幸せな気分になったみたいな感じ?主人公が亡くなったりしてすごく悲しいエンディングだったけど、やっぱりあったかいものが残る映画だったなって時、あるでしょう?そういう感覚なんですよね、明るいバラードって。
- EMTG:ここでは「僕」が自分の生き様を思いつつ、そのすべてが「君」の人生の道しるべになればと歌われてますが、別にこの主人公は死が近いわけじゃないんですよね?
- 大橋:そう捉えられてもいいですけど(笑)。
- 常田:たしかに生き様っていうのは、なんとなく死を考えた時に出てくる言葉でもありますよね。でも捉え方は、きっと聴いた方の環境にもよると思いますけどね。
- 大橋:うん。僕らの生き様っていうのもありますし、たとえば自分のお父さんの生き様と重ね合わせてみたりとかね。そしてそれがどういう環境であっても、心が温まるような感じになってくれたら全部正解なのかなって思う。これを聴いて絶望的になる人がいたら、少し悲しい気はしますけど(笑)。
- 常田:まぁ、否定する気もないですけどね(笑)。
- EMTG:だけど歌詞はすごく等身大というか、とても素直な感じで書かれているような印象を受けました。
- 大橋:昔の世界観を捨ててしまったわけではないけど、歌詞に関しては特に、年を重ねたってことが大きいんだと思いますよ。34歳になりましたけど、僕自身明らかに、曲作ってても歌ってても、昔はすごく背伸びしてるなって感覚になるような内容の曲も、今だと自然に、等身大で歌えるようになったかもなって思う瞬間がありますしね。そういう話もよくしてるんですよ。今の僕たちがもっと壮大なテーマで、たとえば世界平和なんかを歌詞にしたらそれはそれで背伸びしてることになるじゃないですか。だからこれは、きっと今の年相応なんですよね。
- 常田:変化があったら曲にも出るのが人間だと思ってますからね。これまでもそこに正直に作ってきたつもりだけど、今思うと、たしかに背伸びしてたなって思う部分はあります。だけどそれも正直だと思うんですよ。20代の中盤なんて”俺は出来てる”って思ってる人がすごく多いと思うし(笑)。で、30過ぎた時なんかに、”あれは若かったな…(笑)”みたいなことを思う(笑)。そういう正直さも含めて等身大っていうのはあるんだろうしね。
- 大橋:そうだね。
- EMTG:ではアレンジに関してはどうですか?このエンディングでの盛り上がり方、ちょっとビックリするくらいだったんですけど。
- 大橋:もともとアルバムの最後に置こうって話でしたから、エンドロールのイメージだったんですよね。
- 常田:「大団円にしてくれ」ってことで、「了解!」と。これ、参加して戴いた人数的にもものすごいんですよ。音はもちろん、一度流れが切れてまた始まる感じとかもすごくドラマチックになったなあと思ってます。
- EMTG:カップリングには「またね。(betsu-oke ver.)」という曲が収録されてますが、これは「ラストシーン」に替わってアルバムの最後を締めくくっている「またね。」の別バージョンですね。
- 常田:この流れ、僕ら気付いてなかったんですよ。そう言えばそうだね!みたいな感じで。若干この2人、気まずいと思うんですよね。「またね。」と「ラストシーン」。元カレ、今カレみたいな感じですからね(笑)。
- EMTG:居心地、大丈夫ですかね(笑)。
- 常田:(笑)。ちなみにもともとは、このギターと弦のバージョンがアルバムに入るはずだったんです。だけどそれも違和感が出てきたので、あのギターとオルガンの形になったんですよね。
- EMTG:そうだったんですね。そしてもう1曲はインストの「フォノグラフ」。この遊び心にはぶっ飛びました(笑)。
- 大橋:インストの曲って、サンプリングの機械使って2人で遊んでるような感覚で作ってるんですよ。「ドラムだったらこんなリズムかっこいいね」とか、「ギターのフレーズこういうの入れちゃおうよ」とか。今回みたいにとりあえず録音してみてどんどん重ねていくとかやってますよ、2人で。
- 常田:こういうとこ、全然ボーダレスですね。いいフレーズがあれば、卓弥(大橋)が鍵盤弾いてくれたりもするし。
- EMTG:失礼に聞こえないといいんですけど…、すごく仲良しですよね(笑)。
- 常田:音楽仲良し(笑)。
- 大橋:あははは!
- EMTG:だいたいみなさん、データのやり取りで作ったりされるじゃないですか。
- 大橋:うちもそういう時もありましたよ。何曲も同時進行しないといけないときなんかは、物理的に会ってる時間もなくて。これまでの9年間振り返るとそういう時期もあったよね。
- 常田:うん。だから一緒にいて一緒に作ると、こういうのが出来るってことだね。
- EMTG:しかも、10代の男の子が機材手に入れてワクワクしながらやってるような景色まで想像してしまいました(笑)。
- 常田:全くそのとおりですね(笑)。サンプリングとかここ1年で始めましたから、これはまさに今言われた感じで作ってきたフォノグラムですよ。こういうのもすごく楽しいなあと思ってるんで、しばらくこのやり方はシリーズ化するかもしれませんね(笑)。
- EMTG:今後の作品も楽しみにしています。ありがとうございました!
【取材・文:山田邦子】
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