Heavenstamp、自らのバンド名を掲げた待望の1stフルアルバム「HEAVENSTAMP」をリリース!
Heavenstamp | 2012.07.05
昨年リリースされたメジャーデビュー作「Stand by you - E.P. + REMIXES」で、ブロックパーティーのラッセル・リサックと共同プロデュースを行い、シーンの注目を集めたHeavenstamp。ディスコ・パンク、シューゲイザー、シンフォニックなどを独自の解釈でアウトプットし、フロアを踊らせまくる新世代ロックバンドが、いよいよ待望の1stフルアルバム『HEAVENSTAMP』をリリース! 今回はボーカル&ギターのSally#Cinnamonに、先鋭的なサウンドを彩る彼女の詞世界を中心に話を訊いた。
- EMTG:待望の1stアルバム『HEAVENSTAMP』ですが、バンド名をタイトルにされていますね。
- Sally#Cinnamon:これぞHeavenstampという内容のアルバムだと思ったので、タイトルも『HEAVENSTAMP』だよねって。考えるのを放棄したとかではなく(笑)、他にも考えてみた末にこれしかないって。レコーディング自体はEPと同時進行で10月頃からしていましたね。Tomoya.S(Gt.)の中で住み分けがあったみたいで、これはアルバム用、これはEP用って分けてやっていました。
- EMTG:同時進行ながらもアルバムのイメージは固まっている状態で制作に入ったんですね。
- Sally#Cinnamon:そうですね。最後の「Ω」だけ後から書き足しました。元々別の候補があったんですけど、アルバムを締め括るのにそれよりももっと壮大で重厚な曲が欲しいと思って。
- EMTG:歌詞はどういうものにしようと思ったんですか?
- Sally#Cinnamon:歌詞はいつも曲のアレンジまで終わった状態でつけるんですけど、1曲1曲にそれぞれキャラクターをつけるんですね。それで、マスタリングが終わって気付いたんですけど、「Ω」と9曲目の「Ghost」は同じ人だったんだなって、無意識に繋がってたことに自分でビックリして。「Ghost」は冬に寒々しい部屋でうずくまって鬱々としてる人のイメージだったんですけど、「Ω」を聴いたときに「銀河と桜吹雪」っていうイメージが入ってきて、春の曲にしたいって思ったんですよ。もしかしたら、冬の部屋で閉じこもっている人を春に引っ張り上げてあげたかったのかなって。「Ω」では夢や願望のことを「小宇宙」っていう言葉にしてるんですけど、そういうものを諦めながらも、もう一回膨らませて、彼女に夢を見させてあげたかったというか。
- EMTG:なるほど。それぞれにキャラクターが居るというお話もありましたけど、曲ごとに歌い方を変えていて本当に別人みたいですね。例えばものすごく言葉を詰めている「Stop!」はどういう人物ですか?
- Sally#Cinnamon:小生意気なんだけど、ちょっと翻弄されちゃってる女の子ですね。歌詞としてはいくらでも言葉が入る曲だと思ったので、ビートルズとかクラッシュだったり、自分の好きなものを好き放題入れた後に整頓して、物語にした感じですね。
- EMTG:好きなものが詰まってる分、声も活き活きしてますね。
- Sally#Cinnamon:楽しんでやれました(笑)。実は「Stop!」と「Dreaming about you」は同時に歌詞を書いてたんですよ。「Dreaming about you」は現実逃避しすぎて夢にまで逃げちゃう人の話で、全くの別人格を同時に書いていたから“私、今何やってるんだっけ……?”って(笑)
- EMTG:ちなみにアルバムの中で気に入ってる歌詞はどれですか?
- Sally#Cinnamon:「Ghost」と「Carnival」ですかね。「Ghost」は人の内面を抉るような歌詞が初めて書けた気がしていて。今までも書いてはいたけど、どこか痛々しくなり過ぎないようにしていたというか。例えば、人の愚痴が書いてあるブログって見たくないじゃないですか。そうならないようにしてきたところがあって。でも、愚痴ではないけど、心情を吐露しているギリギリのラインで書けたと思います。その逆で「Carnival」は極限までファンタジーが描けたなって。前向きで開かれた曲なのに歌詞が全然幸せじゃないっていう(笑)、そのバランスを私はずっと求めてて。この曲はバンドを結成した2009年の冬頃にはもうあったんですよ。でも、この曲に相応しい人がずっと見つからなかったんです。広がりがあるけど、切なくて美しいこの曲を背負わせる人が見つからなくて。
- EMTG:最終的にどんな人物にしたんですか?
- Sally#Cinnamon:外国の村みたいなところに住んでいる男の子なんですけど、ずっと好きだった人が結婚しちゃうんですね。彼は彼女をさらって2人で幸せになりたいって思ってるのに、花嫁はそれに全然気付いてなくて、彼女にとって男の子はただの「村人1」でしかないんです。それで男の子は彼女の結婚式で、花吹雪が舞ってる中、「村人1」として泣きながら踊ってるっていう。
- EMTG:切なすぎます(苦笑)。歌詞を書くときって、曲に出てくる人物を憑依させて書く感じなんですか?
- Sally#Cinnamon:憑依っていうよりも、自分の一部をブチッ!って取って、それを人間にしたっていう感じですかね。私の分身でもあるし、その分身に世界中のいろんな思想とかがくっついて、別の人物になっている感じというか。分身であり、別人であるっていう。
- EMTG:ちょっと変な質問なんですけど、分身を作りすぎて、自分が分からなくなったりするときってあったりします?
- Sally#Cinnamon:う?ん……私自身が“自分はこうだ!”っていう頑なものがそこまでないというか。なんか、全部が私なんだなぁって客観的に見てる感じなんですよね。私の気持ちとして、自分のエゴとかメッセージとかどうでもいいと思ってるんですね。歌詞を書いた上で、何かあればそれはそれでベストだと思うんですけど、言いたいことがあるから書くっていうものではないと思っているんです。自分の思想って結構どうでもいいと思ったりしていて。
- EMTG:あまりこだわりがないんですか?
- Sally#Cinnamon:なんか、ふさわしくないというか。たった1人の人間でこれを表現するのは手に負えないというか、もったいないと思う。
- EMTG:曲の存在がすごすぎて?
- Sally#Cinnamon:そうです。せっかく良い曲なのに、なんか変な言葉が入ってきたせいで飲み込めないとかするともったいないなって。あと、子供の頃から妄想ばっかりしてたんですよ。ずっとファンタジーの世界に生きていたかった人で。だからこそ自然な形だったんですよね、それぞれの曲にキャラクターをつけるというのは。だから、自分がないというのは違うと思うんですけど、それよりもっと楽しいものがあると思うんです。漫画だったり映画だったり、自分の外の世界のものが大好きだから、自分よりもっと素晴らしいものが世界中に溢れているからこそそう思うのかもしれないです。それを自分っていう受け皿に全部詰め込んでるのかな。空っぽとは言わないけど、結構容量がないところにいっぱい入れてる感じ(苦笑)。
- EMTG:いや、その受け皿はだいぶ深いと思いますよ。これだけいろんな人達が曲の中で踊ってるわけですから。アルバムを完成してみていかがですか?
- Sally#Cinnamon:マスタリングが終わった瞬間に、この作品に携われて、本当に生きててよかったって思ったぐらい大事な作品ですね。これを出すまでなんとしても死ねない!ってデビューが決まった時から思っていて、事故とかにすごい気をつけてたりとかしてたんですよ(笑)。
- EMTG:でもそれがずっと続いていくと思いますよ(笑)。全国ツアー「マジカル・ミスサリー・ツアー」も決まっていますが、最後にその意気込みをお願いします。
- Sally#Cinnamon:フェスで始まったバンドなので、いずれはグラストンベリーに出たいっていう大きな目標はずっとあるんです。でも、今は目の前にいる私達の音楽を好きでいてくれる人達と、Heavenstampを通して一緒に踊りながら幸せになりたいっていう気持ちがすごく強くなってきていて。なので、今回のツアーはすごく楽しみなんですね。今までやれなかった曲をどんどん繰り出していけるし、それをいろんな人達と共有が出来るっていうのはすごく幸せなことだと思うので。ライブをどんどん重ねていって、日本中、世界中のいろんな人達と音楽で密接に繋がりたいって思っています。
【取材・文:山口哲生】
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パフェ専門店
昨日Mika(Dr.)と“パフェの専門店があったら行くよね”っていう話をしてたんですよ(笑)。それでタカノフルーツパーラーのパフェ専門があることを知って。それで“40、50歳ぐらいになったら経営してみたいね”っていう話になって、Mikaはお菓子作りが得意だから、私の好きなもの好き放題詰めたパフェをMikaに作ってもらって、それを食べに行くねって(笑)。
眼鏡
目が悪いので、ブルーライトをカットする眼鏡がCMでやっていたから気になって調べました。
■ライブ情報
1st Album『HEAVENSTAMP』リリース記念ライブ
"Replo!HEAVENSTAMP"
2012/07/04(水)渋谷Glad
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012 in EZO
2012/08/11(土)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
パフェ専門店
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