“ジグソーパズル”に見立てた男女をテーマにポップなサウンドにラップを乗せた、Hilcrhymeのニューシングル
Hilcrhyme | 2012.09.07
今年4月にリリースした2枚のベスト・アルバムで、これまでの活動を総括し、そこから新たなるステップを踏み出したHilcrhyme。前作「蛍」に続き、その新たなる展開の第2弾となるシングル「ジグソーパズル」が完成した。
合ったり合わなかったりという、恋人たちの毎日を、ジグソーパズルに見立てた、とてもステキなラブ・ソングだ。たったひとつの小さなピースが欠けても完成しないけど、完成すると大きな喜びのあるジグソーパズル。そんな世界観を、ポップなサウンドに乗せて、楽しく聴かせてくれている。
- EMTG:ニューシングル「ジグソーパズル」には、何か制作テーマのようなものはあったのですか?
- TOC:みんなに届く、みんなが元気になる曲っていうのが、今年のテーマでもあるんですけど、前のシングル曲「蛍」が夏の夜のイメージで、今回の「ジグソーパズル」は昼の活発なイメージですね。「蛍」からの流れを崩さずに、“あなたの歌”を書こうと思って作りました。“自分”の歌ではなくて、“あなた”を歌って、万人が共感できるようなテーマと曲にしたいな、と。
- EMTG:合ったり合わなかったりという、恋人たちの毎日を、ジグソーパズルのイメージで表現した歌詞が、とても興味深かったです。
- TOC:その人にピッタリはまる人がいて、それを物に例えるとジグソーパズルなのかなというのは、昔から思っていました。人間っていうのは、元々は1本の線で、育った環境によってそれが少しずつゆがんでいって、でもそのゆがみにピッタリ当てはまる人がいて、そういう人と結婚したりするんじゃないかって、その考えは中学生ぐらいから持っていましたね。ちょっと暗い中学生ですけど(笑)。あと、ジグソーパズルって、カップルでやったりすると楽しそうじゃないですか。ぼくはやったことないんですけど(笑)。それらふたつの意味が込められています。
- EMTG:二人の未来の姿を、二人で作っていく、ということですね。
- TOC:“♪どんな絵が出来るだろう?”っていう部分は、けっこうこの曲のキモで。ジグソーパズルって、できあがる絵は、買った時に決まっているじゃないですか。でもそうじゃなくて、できあがった時に、そこに書かれているのは二人の姿でした、もしくは家族ができていて、もっと多かったり、もしくは白紙だったり、それは二人で作っていこうよっていう、そういう曲にしたかったんです。完成の絵が見えないジグソーパズルに。
- EMTG:トラックやサウンド的には、コンセプトはあったんですか?
- DJ KATSU:とにかく楽しい曲を心がけました。1コーラスだけでもけっこう展開があるんですけど、曲全体でさらにドラマティックにというか、より大きく展開しています。2コーラス目まではけっこう楽しい雰囲気で来て、3コーラス目で一回軽く落ちるんですけど、そこから逆にビートがドンドンって上がってきて、そのあとまたサビに戻ってっていう、そういう展開の曲は、今までやったことがなくて、それが曲全体の物語をうまく演出できているかなって思います。アウトロがなくて、サビで盛り上がって終わるとか。
- EMTG:あと、この曲では、フィンガー・スナップ(注 : 指ぱっちん)の音が印象的ですね。
- DJ KATSU:みんなにそれを言われるんですけど、スナップの音をメインに使ったことがないなって思って、最初は軽い気持ちで入れてみたんです。一緒にツアーに回っているダンサーとかも、スナップでリズム取ってたりしているので。
- TOC:へぇ?(笑)。
- DJ KATSU:ビート自体がちょっと変則的な曲だから、ダンサーに“このビートで踊れる?”って聞いたら、“大好きです”って言ってくれて、いろいろやってみるもんだなって(笑)。
- TOC:きっとこれまでだったら、こういうコードのトラックは選ばなかったと思います。でもみんなに届けたいという思いで、こういうトラックにして、メロディもいいものができたと思いますね。
- EMTG:今年の4月に2枚のベストアルバムが出た時に、そこでこれまでの活動を一旦総括して、そこから新しい章が始まるっておっしゃっていましたが、新しい章のスタート感はありますか?
- TOC:バッチリです。今回も「ジグソーパズル」以外にもシングルの候補曲はあったんですけど、それは“自分の歌”になっていて、“あなたの歌”ではなかったから、ディレクターから、「違うのを作ってみないか?」って言われて作ったのが、この「ジグソーパズル」だったんです。だから、自分たちだけでは気つかなかった部分を、チームの人が気づかせてくれて、そうやってできた曲なんです。
- DJ KATSU:「蛍」「ジグソーパズル」と、とてもいい流れで来ていて、今アルバムを作っているんですけど、その流れをさらに作っていきたいと思いますね。
- EMTG:一方カップリングの「Technical」は、タイトルどおり、かなりテクニカルなナンバーになっていますね。
- TOC:テクニックを存分に見せつけようという思いで作った曲です。万人が共感できるようなテーマと曲で制作していたので、そういう意味では、なくてもいい曲なのかなとも思ったんですけど、ラップの腕が錆びつくのが怖くて、たまにこういう曲を作って、刃を研いでおくということが必要なのかなって。棘みたいなものを、ひとつ、ふたつ入れておくというのも、いいのかなと。ラップのスキルは負けたくないっていう思いがあるので、「ダサイ」とか「下手」とか、絶対言わせないくらいのものにしたかったです。誰にもできないようなものを。
- EMTG:リリックのたたみかけもすごいですね。
- TOC:シングル曲とは、作り方も変わっていて、シングルが物語を作るのだとしたら、この曲は韻を追って行って、世界を作っていった感じですね。
- EMTG:後半の、“Technical”のスペルを文字って、それを日本語のリリックに変えていく手法はすごいって思いました。
- TOC:これはたいへんでしたね。“h”で“越後”が出てきた時に、やってみようと思いました(笑)。「なぞなぞ」じゃないですけど、歌詞の中にこういう含みがあるのって、ないなって思って。だからすごく満足感はありますね。最初、レコード会社のジャケット編集のスタッフの人は気づいてくれなかったんです(笑)。
- EMTG:トラックもヤバいですね。
- DJ KATSU:ボツになる覚悟で、いろいろ試してみました。「ジグソーパズル」とは真逆というか。あちらは曲中の展開がコードで変わるんですけど、こっちはずっとループで、昔の8ビットのゲームみたいな打ち込みっぽくやってみたり、3コーラス目でビートから曲の雰囲気までガラッと変えてみたりして、いい味が出せたなって。気に入ってます。
- TOC:カップリング曲って、世に出にくいんですけど、この曲は日の目を当ててあげたいなという思いがあるので、ビデオ・クリップを作ろうかなと考えています。
- EMTG:では、この作品を通じて、ファンの人に届けたいメッセージなどはありますか?
- TOC:自信作です。これが新しい“Hilcrhyme”だよ、というのを楽しんでほしいですね。たぶん次のアルバムのキモになっていく作品だと思います。
- DJ KATSU:「ジグソーパズル」のビデオ・クリップでも、ぼくらがひたすら楽しんでて、こういうすごく楽しい曲や雰囲気って、自然に人に伝わっていくと思うんです。だからぼくらのことをあまり知らない人にも、この楽しさが伝わっていけばいいなって。カラオケで歌ったり、アウトドアでかけたり、みんなで楽しんでもらいたいですね。
【取材・文:熊谷美広】
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●DJ KATSU
ハワイ
知り合いがハワイで結婚式を挙げるということで、招待されたので、向こうのホテルとか交通手段等いろいろと調べました。最初は、"どうせハワイに行っても日本人ばっかりなんだろう"なんて気持ちで調べ始めたんですが、調べているうちにハマってしまい。かなり情報収集しまくってます。ハワイは、今むちゃくちゃ興味あるし、行くのが今からとても楽しみです。
■ライブ情報
2012/09/22(土/祝)玉野市総合体育館レクレセンター
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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