雅-MIYAVI-、対戦型コラボレーションアルバム『SAMURAI SESSIONS Vol.1』をリリース!

MIYAVI | 2012.11.14

 ギターとドラムだけでスリリングかつストイックな演奏で圧倒して来たMIYAVIのネクスト・ステージが幕を開けた。最先端のDJや映像&サウンド・アーティストから伝統に革新を注ぎ込む津軽三味線奏者、また世界で評価を受けるフラメンコ・ギタリストに日本語ラップの達人など、ジャンルも国も越えた多彩なアーティストとのコラボレーションから生まれた『SAMURAI SESSIONS Vol.1』だ。だが闘いが目的ではない。超絶プレイとタフな精神が火花を散らす7曲は、未来への希望を描き出している。

EMTG:素晴らしくエネルギーのある作品ですね。
雅-MIYAVI-:昨年、震災があって……いち音楽家として自分のクリエイションを通じて何より聴く人に元気与えたい、鼓舞できるような音楽にしたい、と思って作り始めて。今回「SAMURAI SESSIONS」という事で、戦って、挑戦し続けてるアーティストとやらせてもらって、皆のおかげで自分だけでは表現できないテーマやメッセージを掲げる事が出来ました。手前味噌ですけど、俺じゃないと出来ないアルバムなんだけど、俺だけだと出来ないアルバム。普通のフィーチャリングじゃなくガチンコでぶつかって、そこで初めて生まれる何か。そういう所にこだわって、やりたいなと思ったんです。
EMTG:この7人を選んだ理由やポイントは何でしょう?
雅-MIYAVI-:HIFANAは、単純に彼等のクリエイションが好きだったし、彼等も海外でやっていて意識レベルで共鳴してるので。サムライ・セッションズの幕開けに相応しい衝動と言うかぶつかり合いになったと思います。
EMTG:「GANRYU」というタイトルは?
雅-MIYAVI-:もともとライヴでBOBO君とはやってたんですけど……「コジローxムサシ」というタイトルで。でもアメリカツアー中にBOBO君が「あのタイトル恥ずかしくない?」って言い出して(笑)。それでやむを得ず「GANRYU」に変えました。
EMTG:KREVAさんとの「STRONG」がサムライ・セッションズ第1弾でしたね。
雅-MIYAVI-:俺も日本人ギタリストとしてどうあるべきか意識しながらやってる中で、クレさんも日本人ラッパーとしてどうあるべきか突き詰めて誇りを持ってやってる。そういうところで自然にハモれましたね。震災直後の新作1発目の作品という事もあって自分に何が歌えるんだろう、何が出来るんだろうって考えた時に、やはり「強く在ろう」と叫びたかった。愛する人を守るためにも強く在りたい、彼ならそれをリリックにして届ける事が出来ると思ったから。亀田(誠治)さんのレコメンドもあって。
EMTG:その次がYUKSEKさんとの「DAY1」ですね。
雅-MIYAVI-:今、日本は決して元気じゃなくて。経済的にも震災の影響が収束していない訳じゃないですか?でも人って、夜明けを感じるからこそ夜を乗り越えられる。特に今の時代、希望ってすごくデカイなと思って。YUKSEKはDJとして時代の流れ、全体の波を見てるから、作り方を見てると、彼ならではの音のチョイスも含めすごい勉強になりました。サビは、雲とか全部なくなって世界がホワイトアウトしていくような感じをイメージして創りました。
EMTG:the HIATUSの細美武士さんの参加は意外でした。
雅-MIYAVI-:細美くんは人として仲良くなったのが先で。フェスとかで朝まで一緒に飲んだりして音で会話する前に語り尽くしてたから。「SILENT ANGER」というタイトルは、まだまだ収束してない原発問題や被災地のこととか、言葉にできない憤り、怒りが日本だけじゃなくて世界中に渦巻いてる。それを彼だったら代弁できるんじゃないかなと思って。楽曲は混沌と蓄積したものがフワーッと浄化されていくイメージ。これも亀田さんのプッシュとプロデュースあって完成しました。
EMTG:亀田誠治さんのお名前が再三あがってますが、この作品での彼の存在が大きいようで。
雅-MIYAVI-:大きいですね。元々「What’s My Name?」の番外編で沢山の凄腕ベーシスト達とコラボさせてもらったんですけど、その時に「なぜ俺を誘わないんだ?」と(笑)。もちろん俺は素晴らしいベーシストであると同時にプロデューサーという認識をしてたので、自然と入ってなかっただけで。二人でメシ食いに行った時に、何かやりましょうという話になって。その時に既にこの「SAMURAI SESSIONS」の構想はあったので、この作品のオブザーバーというか相撲の行司さんみたいな、そういうポジションでやれる人と思って。たぶん亀田さんがいなかったら、発売が来年になってたと思う(笑)。あと、DVDの副音声で喋ってるんですけど、「これ行ける!」ってぽんぽん言うんです(笑)。俺達アーティストって、自信もあるけど不安も勿論ある。ここかなこれかなって選択肢を抱えた時に、ポンとその言葉をくれるだけで踏み出せるんですよね。名プロデューサーと呼ばれる所以ですね、いつもポジティヴだし、光があるという事を提示してくれる。
EMTG:東京事変でご一緒していたH ZETT Mさんは亀田さん繋がりで?
雅-MIYAVI-:うん、俺は面識なかったけど、絶対いいよって。被災地に俺もギター弾きに行ったことがあって、子供達がワーッて来て、皆ワイワイやって。でもふと子供達の前でやる曲ないなあと思って。自分も娘がいるし、そこにビシビシ届くような曲作りたいなあと思っていた矢先にヒーちゃんと会って。彼も感性鋭くて、ひとの痛みや傷を凄く感じる人。だからこそああいう格好してエンタテインして人を楽しませようとしてる。そんな彼と、単純に幸せ、喜びを笑顔で弾けるような曲をやりたいと。
EMTG:こういうメロディは彼とでなければ出てこなかったのでは?
雅-MIYAVI-:そうですね。作るけど、やってないでしょ、俺とBOBO君だけじゃ(笑)。そういう意味で凄く引き出された。勉強になりました。
EMTG:ギターとピアノという楽器の違いもありますか?
雅-MIYAVI-:例えば上原ひろみちゃん、ヒーちゃん、SOIL&"PIMP"SESSIONSの丈青くん、ピアニストとやる時はめちゃめちゃ緊張する。みんなカラフルなんですよね。俺は墨の濃淡でやるようなタイプだから、羨ましくもあり、凄く刺激的です。
EMTG:同じ弦楽器でも上妻宏光さんの三味線や沖仁さんのフラメンコ・ギターは、また違いますね。
雅-MIYAVI-:二人のアルバムにもゲストで呼ばれて参加させてもらって。プレイヤーとしても人としても、二人とも本当に最高で。俺と何より違うのは、二人とも歴史を背負ってる。その上で継承しようとして、それで第一線で海外でもやってる。俺なんか好きなようにやってるだけだけど、彼らはある種、責任がある。共通点としては「もう、これしかねえんだ」っていう不器用さというか。俺達からギターや三味線取ったら何も残らない。これが俺達の生き様だっていうのを凄く感じて。「HA NA BI」というタイトルにしたのは、結局俺らが日々必死にやってる事って歴史という大きな流れの中では点でしかない訳で。それでもそこでどれだけスパークできるか、弾け散れるかどうか。サウンド的にも左から三味線、右からフラメンコ・ギターって、たぶん世界的にもないと思う(笑)。もう、日本と地中海を行ったり来たりするような、世界中に聴かせたいですね。
EMTG:最後の曲は亀田誠治さんと坂本美雨さん。
雅-MIYAVI-:亀田さんの包容力のあるベースに、美雨ちゃんの声がフワーッと聴こえて来て。彼女の声は、ポジティヴな想いだったり白い光みたいなものが循環するイメージと言うか。彼女の声があって初めて俺も唄えたし、あの癒しのパワーは人を斬る以上の力だと思う。さんざん斬り合って最終的にこのトラックが出来て良かった。自分で歌うのも好きだけど、それに長けた人とやることで届けられるという手法が見つかったのが、俺的にはすごくデカくて、その分ギターにフォーカスできたし、ギタリストとして新たにアイデンティティみたいなものを見出せた。『Vol.1』とつけたからには、一生やっていきたいですね。本当にいい作品が出来たと思ってるんで、自分でも家族連れて買いに行きます(笑)。

【取材・文:今井智子】

tag一覧 アルバム 男性ボーカル MIYAVI

関連記事

ビデオコメント

リリース情報

SAMURAI SESSIONS vol.1(初回盤)

SAMURAI SESSIONS vol.1(初回盤)

2012年11月14日

EMIミュージックジャパン

ディスク:1
1. GANRYU
2. STRONG
3. DAY 1
4. SILENT ANGER
5. PLEASURE!
6. HA NA BI
7. 祈りを
ディスク:2
1. GANRYU (MUSIC VIDEO)
2. STRONG (MUSIC VIDEO)
3. DAY 1 (MUSIC VIDEO)
4. SILENT ANGER (MUSIC VIDEO)
5. PLEASURE! (MUSIC VIDEO)
6. HA NA BI (MUSIC VIDEO)
7. 祈りを (MUSIC VIDEO)

このアルバムを購入

お知らせ

■マイ検索ワード

バリ マッサージ
先日インドネシアの方に、初めてのライヴでジャカルタとバリに行っていて。バリと言えばマッサージだろ?っていうことで、本当に短絡的なんですけど(笑)、検索しました。


■ライブ情報

MAN WITH A MISSIONツアー
2012/12/01(土)松山サロンキティ
2012/12/02(日)高松オリーブホール

『MIYAVI Tour2012”GANRYU”』
JAPAN Tour

2012/12/15(土)梅田Shangri-La
2012/12/16(日)名古屋ELL
2012/12/22(土)福岡DRUM Be-1
2012/12/26(水)Shibuya O-EAST

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る