シングル3部作のラストを飾る、人間のロマンに満ちたMONKEY MAJIKの新曲

MONKEY MAJIK | 2013.06.07

 凛としたバラード「If」に続く シングル「Story」が、MONKEY MAJIK3部作のラストとなる。これまでにないスィート なリリックが、美しいピアノに乗って流れ出す。
 希望を見出そうとした「If」に対して、「Story」は一歩踏み出す際に力となる人間のロマンを、てらいなく歌い上げる。♪僕たちのStory  つくりたくて でもさきに夢をみさせて♪と語りかけるこの曲は、彼らのホーム東北の“再生の物語”=Storyの 序章を飾る、MONKEY MAJIKならではのポップチューンと言えるだろう。
ボーカル&ギターのMaynardとドラムのtaxに、「Story」 に込めたメッセージについて聞いた。するとこの曲にインスピレーションを与えた意外な事実が浮かび上がってきたのだった。

EMTG:「Story」には、次の物語を始める前のエネルギーの充填を感じました。
tax:特に意識しないで作ったんですが、心のどこかで“再生”を思っていたかもしれないですね。震災から2年が過ぎて、世の中全体の流れが、僕らの音楽にも自然に現われたのかな。ずっと真面目に考えなきゃいけないっていうムードが続いていたでしょ。そうすると、内へ内へと入っていってしまう。そうなる前の形に戻したいっていうか。真面目さの中にもかわいらしさがあってもいいでしょ。
EMTG: リリックがすごくスィートで、歌ってて照れなかったですか?(笑)
Maynard: 照れないで歌えるようになったのかな。最近は映画を観て泣けるようになったし(笑)。若い頃って、一人で映画を観て泣くことはあっても、周りに人がいるとなかなか泣けなかったのに。
tax:スィートな歌詞だけど、現実から離れているわけではないんです。自分たちの置かれている状況を見つめながら、ずっと歩いてきたからこそ見たい“夢”ってあると思うんですよね。
Maynard: スィートなものって、気持ちいいじゃないですか。そういう歌が自然にできたから、歌ってる。自然っていちばんいいじゃないですか。春だしね。
tax:春だしね(笑)。
Maynard: ミュージック・ビデオでもBlaiseが自然体で座ってるし(笑)。そういうスィートなものを、恥ずかしがらずに、ストレートに歌えるようになったっていう。
tax:現実逃避といえばそうなんだけど、それをわかっているから言えることがある。大人でしょ(笑)。
EMTG:大人です、 いい大人です(笑)。
tax:つらいことがあっても、自然を否定するわけにはいかない。つらいことにフタをしていくわけにもいかない。忘れようとするのも違うし、「忘れないで」って責め続けるのも違う。それを受け入れて、自分の使命を見つけていく。移り変わりを感じられるって、たくましいなと思いますね。
Maynard: 30代になると、気持ちの余裕が作れる。「Story」は若い人にとっての“ライフジャケット”になれる曲だと思います。
tax:いっぱい曲を作って、その中から「Story」をシングルに選んだんです。アンナチュラルからナチュラルな世の中になっていく過程だから、この「Story」がいいじゃんってなった。
EMTG: 「Story」っていうタイトルのとおり、世の中の物語が動き始めたんですね。
tax:確かに。それと、最近、音楽番組が増えたでしょ。それを見てて、“演歌”って言葉がいいなって思って。演歌ってストーリーや情景が見えるじゃないですか。だから作ってて楽しいだろうなと思ったんですね。
EMTG: 演歌の“演”は、ストーリーを演じることだもんね。
tax:そう。ひとつのエンターテインメントとして、いいなと思った。だから「Story」が誰かにとっての演歌でありたいっていう。しかも演歌は小さい子供からお年寄りまで楽しめる。まだまだ浅いけど、点と点で結んで今を表わしたいと思ったんですよ。今回、「Story」を作ってみて、今をどう生きるかを大事にしたいって、自分たちが再認識しました。
EMTG:でも 演歌って、意外だなあ。
tax:いやいや、歌って自由だから、いろんなジャンルから刺激を受ける。「Story」を作ったとき、最初は「この曲を演歌の人が歌ってくれないかな」と思ったんですよ。
Maynard:演歌だけじゃなく、 歌謡曲もいいですよね。石原裕次郎さんの「北の旅人」とか。あの方は日本の(フランク・)シナトラです。
tax:ただカラオケで「北の旅人」を歌った夜は、盛り上がり過ぎてメチャクチャになる(笑)。
EMTG: あははは、歌謡曲の魔力ですね(笑)。カップリングの「little things」は?
Maynard: 初ウクレレです。夏らしい曲を作ろうよって言ったら、DICKがウクレレをスタジオに持ってきてくれて、その場でできました。メランコリックな歌詞です。今は小さいことでも重要に感じられるけど、時間がたてばそれに縛られることもなくなるよっていう。
EMTG: 幸せな作り方の曲ですね。そして、MONKEY MAJIKの今後の予定は?
Maynard: ずっと制作が続いていたので、夏はお休みして秋から動きます。
EMTG: 久しぶりにのんびり?
Maynard: というか、2015年の15周年まで、秋からノンストップで行く予定なので、その前にちょっと休もうっていうことで。
EMTG: ビッグ・プロジェクトを楽しみにしてます。

【取材・文:平山雄一】

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Story

Story

2013年06月12日

binyl records

1. Story
2. little things

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tax:ちょうど来るときの新幹線の中で、これについて色々と調べていたんですよ。
Maynard:20世紀もインターネット等出てきたけど、これぞ世紀の大発明だと思う。で、検索してみたら、最近は家庭用で15万円ぐらいで販売していることが判明して。
tax:15万円で自分のイメージしていたものが立体物として形になるという。これはやっぱりすごいよ。
Maynard:なんでも作れるようになっちゃうから。それこそ家中がファクトリーになっちゃう。
tax:自宅が工場ですよ。ホント、それこそ本当の「夢工場」。これは凄いことですよ。

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