クリープハイプ、充実のセカンドアルバム『吹き零れる程のI、哀、愛』をリリース!

クリープハイプ | 2013.07.24

 ツアー“クリープハイプの窓”を中野サンプラザで大成功のうちに終えたばかりのクリープハイプが、早くもセカンド・アルバム『吹き零れる程のI、哀、愛』をリリースする。成長目覚ましいバンドらしく、「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」「社会の窓」「憂、燦々」のシングル3作をトップテンに送り込んだ勢いもそのままに、さらなる名曲を揃えた充実した内容になっている。
 「憂、燦々」で極めたと思われたポップを、さらに推し進めた「ラブホテル」から始まって、「社会の窓」にも勝るシリアスな「傷つける」のアルバム・バージョンや、ストーリーをよく伝えるシャッフル・ビートの「マルコ」など、聴きどころ満載のニューアルバムについて、尾崎世界観(vo,g)、小川幸慈(g)、長谷川カオナシ(b,vo)、小泉拓(dr)の4人に聞いてみた。

EMTG:ツアー・ファイナルの中野サンプラザでのライブは、どうだった?
小泉:やりやすいところって聞いてたんですけど、聞いてた通り、やりやすかったですね。ホールならではの鳴りが気持ちよかったです。最初はバンドもお客さんも緊張してましたが、中盤くらいから盛り上がって、クリープハイプのライブは「ホールもありだな」って思いました。
尾崎:ファイナルだけがホールで、他はライブハウスだったんですけど、ツアー全体のセットリストとしてはホールを意識したものにしたんです。でもライブハウスは、みんな大暴れして、やっぱり楽しかった(笑)。なので、いい状態でサンプラザのライブを迎えたんですよ。それでも、前半は難しかったですね。椅子席だから、いつもと勝手が違って暴れられない。「お前ら、椅子があると暴れられないのかっ?」って言ってやりたかったけど、お客さんが大人しくてかわいかった(笑)。まあ、自分としては“たまに怒る先生”みたいな感じでやってたんですけど、楽しかったぁ。ライブハウスでもホールでもやれるっていう手応えがありました。
長谷川:大きなホールでワンマンやるのは初めてだったので、思った以上にお客さんは“見てる”っていう感じで、驚くこともたくさんありました。
小川:ただ暴れるだけじゃなくて、曲の良さが伝わったと思う。ホールでのライブはどうなるのかなと思ってたんですけど、歌がより届くっていうか。次のホールライブにつながるものになったと思います。
EMTG:うん、僕も見せてもらって、ホールは意外に似合うと思ったな。
尾崎:意外って(笑)。
EMTG:あははは、失礼(笑)。それにしてもツアーやって、シングル出して、アルバムも作ってって、大忙しじゃん!
尾崎:そうなんですよ。作っても作っても次があるっていう(笑)。カップリングも作らなきゃいけないし。シングル3枚を作り終えて、アルバムのことを考える時間がないまま、曲作りに入ったんですけど、いいものを作れる自信はありました。ただ時間がないだけで。
EMTG:気持ちいいくらい、強気な発言だな!
尾崎:そうなんですよ。気持ちのいい焦りっていう(笑)。歌詞も曲も出来がよかったので、大丈夫だと思ってました。
EMTG:初シングルの「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」があって、バンドの姿勢を強烈に出した「社会の窓」があって、超ポップな「憂、燦々」があって、アルバムの骨格はしっかり定まってたからね。
尾崎:この3曲もあったし、1曲目は「ラブホテル」、7曲目は「社会の窓」、最後の12曲目は「傷つける」って決めてたから、考えなくても全体像は見えてたんです。まさか自分たちが3枚もシングル出して、アルバムを出せるとは思ってなかったので、誇りを持ってレコーディングを楽しむ……楽しむ寸前くらいの(笑)気持ちでした。自分の好きなアーティストがやってることと同じことが出来てるなって思って。だとすると、自分がリスナーだったら、3枚目のシングルは買わないで、アルバムを待つだろうと思ったので、「傷つける」は「憂、燦々」のカップリングの時とは違うアレンジにしてみたり。
EMTG:わははは、やるじゃん!!
尾崎:しかも、今までのアプローチとは違うやり方でレコーディングできたのも大きかったです。
EMTG:いつもと違うやり方ができることが、アルバムを作る大きなモチベーションだもんね。そういう意味では、ボーナストラックの「自分のことばかりで情けなくなるよ」で長谷川くんがバイオリンを弾いて、尾崎くんと二人で録ってるのも面白かった。
長谷川:まさか2枚目のアルバムで、ベース以外の楽器を弾かせてもらえるとは思ってなかったので、面白かったです。それこそ“バンドの幅”になりますから。
尾崎:あのバイオリンは、ディレクターさんの持ってる楽器で、200万円もするヤツ!
EMTG:おおっ、すごい!
尾崎:曲の構成を決めずに、その場の雰囲気でバイオリンのソロになったり、サビを歌ったりっていうやり方で。だからアルバム・レコーディングをしてる時の空気を、そのまま入れられたと思います。
長谷川:そうですね。『吹き零れる程のI、哀、愛』はいいアルバムになったと思うので、それを作ってるときの空気感を録れたのは、すごくよかったと思います。バンドとして、シングルだけじゃなくて、アルバムで勝負できてることも嬉しいです。
小川:スタジオの空気感は本当によかったんですよ。イントロのギターのフレーズとかも、前よりずっと任せてもらえてる。もちろんダメ出しもあるけど、信頼関係が強くなったことで、より素直に意見が交わせるようになってますね。
小泉:「マルコ」っていう曲とか、自分にしか出せないビートでやれてると思います。
尾崎:それぞれの役割がはっきりして、居場所が決まった感じです。1枚目のアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』の時は、全員が前に出ないと勝てないと思ってたんですけど、1枚目の手応えを感じながら自信を持ってシングルを作っていくうちに、バランスが取れていったんだろうと思います。できないことを無理に追い求めないようにしたら、逆にそれができるようになったりして。
EMTG:それは面白いね。バンドに不必要なことは無理にやっても意味ないけど、バンドに必要なことは自然とできるようになるものだからね。
尾崎:そう、そんな感じです。デビュー以降、いい時間の流れが作れてると思います。その成果が、『吹き零れる程のI、哀、愛』に出ていると思います。
EMTG:最後に、アルバム・タイトルについては?
尾崎:1枚目を作り終わった後、2枚目はもうこのタイトルに決めてました。
EMTG:作る前から決めてたんだ。
尾崎:はい。
小川:僕らは決めてたことを知らなくて。でも今回のアルバムを象徴する、ピッタリのタイトルだと思います。
長谷川:“I”と“哀”と“愛”は、まさしく尾崎の曲の世界で、それに“吹き零れる程の”が付くとクリープハイプになるって感じです。
EMTG:それはわかりやすい! 小泉くんは?
小泉:いやあ、みんなに全部言われちゃいましたね。
尾崎:あ、何にも考えてないな(笑)。
全員:(爆笑)

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 アルバム 男性ボーカル クリープハイプ

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ビデオコメント

リリース情報

吹き零れる程のI、哀、愛(初回限定盤) [CD+DVD]

吹き零れる程のI、哀、愛(初回限定盤) [CD+DVD]

2013年07月24日

ビクターエンタテインメント

1. ラブホテル
2. あ
3. おやすみ泣き声、さよなら歌姫
4. 憂、燦々
5. マルコ
6. 女の子
7. 社会の窓
8. NE-TAXI
9. かえるの唄
10. さっきはごめんね、ありがとう
11. シーン33「ある個室」
12. 傷つける
13. 自分の事ばかりで情けなくなるよ (初回盤ボーナス・トラック)

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お知らせ

■ライブ情報

秋、零れる程のクリープハイプ
2013/10/11(金) 横浜 CLUB LIZARD
2013/10/14(月・祝)札幌 PENNY LANE 24
2013/10/17(木)京都 磔磔
2013/10/19(土)高松 DIME
2013/10/24(木)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2013/10/26(土)熊本 DRUM Be-9 V2
2013/10/27(日)福岡 DRUM LOGOS
2013/11/09(土)長野 CLUB JUNK BOX
2013/11/10(日)金沢 EIGHT HALL
2013/11/16(土)仙台 Rensa
2013/11/17(日)盛岡 Club Change WAVE
2013/11/22(金)名古屋 Zepp Nagoya
2013/11/24(日)大阪 Zepp Namba
2013/12/04(水)東京 Zepp Diver City
2013/12/05(木)東京 Zepp Diver City

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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