KREVA、CMでお馴染みの最新シングル「BESHI」をリリース!

KREVA | 2013.09.17

 今年6月18日でソロ活動10年目に突入、9月8日には昨年に続き開催した自身主催のイベント「908 FESTIVAL」を大成功で終えたKREVA。彼が8月にリリースしたシングル「BESHI」は、本人が出演した『バイトルドットコム』のCMソングとして耳にした人も多いだろう。今春発売の最新アルバム『SPACE』をひっさげたツアーでも披露されていたこの曲は、モノクロームな日々に色を差すヒントがあふれたキャリアガイダンスソング。ひとひねりした言葉遊びで耳と心を射貫く、実にKREVAらしい一曲だ。2曲目の「世界の中心」はKREVAの実験精神が顔を覗かせた先鋭的な一発。KREVAのウィットとポジティヴィティが伝わってくる本作制作の舞台裏をたっぷり語ってもらった。

EMTG:早速ですが、新曲の「BESHI」はCM撮影のオファーがあって書き下ろしたそうですね。
KREVA:そう、絵コンテもあって、KREVAさんにはこんな感じでやってもらいたいって、結構プランががっちり決まってました。俺がCMに出るとかCMの歌をやると言っても「なんだよ、アレ」って言うヤツも出てくると思うから、そういうヤツがツッコんできそうなところに先に自分でツッコミを入れておくっていうことを考えて作っていったんです。
EMTG:それは具体的にどういうこと?
KREVA:CMの企画書に「バイトを選んで新しい自分を見つけよう」っていうコピーがあって。それは定番に近い表現だと思ったし、俺は“新しい自分”なんか絶対ないと思ってるんですよ。だからまずそこにツッコミをいれとこうと思って。それって自分の中の新たな一面を見つけるとか発見するっていうことだと思うんですよ、「意外と私、事務職向いてた」みたいな。だから、その答えをそのまま歌詞にしました。
EMTG:なるほど。
KREVA:あと、「バイトを選んでカラフルな人生にしよう」っていうコピーもあって。これもたぶん他のCMで良く耳にする言葉だろうなって思ったし、あと、「カラフルな人生にしよう」というところからカラフルな仕事が思い浮かんじゃったらヤダなと思ったんですよ。だから、そこもツッコんでおこうと。
EMTG:カラフルな仕事=人気が高いとか華やかなイメージがある職種っていうこと?
KREVA:そう。派手で楽しい仕事っていう。ただ、CMではいろんな色のペンキをぶちまけることになっていたし、「カラフル」という要素は入れたいんだろうなと思っていて。じゃあ、色にまつわる日本語をたくさん入れたらいいんじゃないかっていう天のお告げがあったんです。で、調べていったら、頭が真っ白とか、青ざめるとか、赤っ恥とか、色にまつわる言葉がだいたいネガティブなんですよ。で、あれ?と思って。
EMTG:歌詞には、その他に「白ける」とか「青二才」とか出てきますね。
KREVA:そう。カラフルなんだけどネガティブで。でも、それが丁度いいなと思ったんです。カラフルな人生って言うと派手なイメージが湧くけど、よく見るとネガティブな部分もあって成り立ってる、みたいな。ネガティブなことを全部乗り越えて、その人が充実してるって思えればカラフルな人生といえるんじゃないかと思って、そのままそういう日本語を使って歌詞を書いたんです。
EMTG:赤、青、白、黄、色がつくワードをいろいろ並べていって、最後に「色眼鏡」を使うところが上手いなと。気が利いてますよね(笑)。
KREVA:色眼鏡はみんな誉めてくれるんですよ。最終的なオチでね、それは(笑)。けど、色眼鏡もネガティブな言葉なんですよね、不思議なもんで。
EMTG:この曲のトラックは『SPACE』のプロダクションと地続きになっている印象を受けたんですが、いつ頃作ったものなんですか?
KREVA:まさに『SPACE』のときに作っていたもので、なんだったら『SPACE』に入れたいと思ってたぐらい気に入ってたものだったんです。最初はSONOMIとやるつもりで曲作りを進めてたんだけど、途中でアルバムにゲストを入れないことにしたから、じゃあ、取っとこうと思って。だから、何かあったら使おうという考えが一番にあったんですよ。
EMTG:今回のシングルには、この曲を『SPACE』ツアーで行った半生バンドスタイルで演奏したバージョンも入れていますね。
KREVA:ツアーをまわってて、「ma chérie」とかすごく出来が良くて、なにかしら一曲レコーディングしようかなってツアー中から言ってたんです。「BESHI」はツアーでもずっと歌ってきて、もう『SPACE』の一部みたいな感じだけど、独立してるっていう感覚があって。その感じを匂わせつつ、ツアーのことも思い出せて、なおかつバンド音源を聴くっていうのはファンにとってはフレッシュな体験だと思ったので今回入れたんです。
EMTG:しかも、そのバンドバージョンのレコーディングドキュメンタリーでミュージックビデオを作成していのもユニークな試み。このレコーディングはどうでした?
KREVA:順調だったけど、良いテイクが録れるまで12回くらい歌いました。ツアーのリハも含めたらもう40、50回演奏してる。俺のラップはすぐ良いテイクが録れたんだけど、全体が良くなるまで12回くらい録ってみて。で、9回目か10回目のテイクを採用しました。これは本当一発録り。今回これだけツアーでやってきたんだから、そこにこだわりたいなと思って。
EMTG:2曲目の「世界の中心」は、いつ頃、どんなきっかけで作ったんですか?
KREVA:これはツアーの間にどこかのホテルで作ったトラックだったんですが、今回のタイミングに良いかなと思って入れました。『SPACE』の曲たちの作り方と一緒で、ミニマムな感じで始まってサビで開ける、みたいなイメージで作ってましたね。
EMTG:恍惚感とか陶酔感が感じられるトラックで、構成もちょっとエキセントリックですよね。なんかヘンテコ感がある(笑)。
KREVA:そう(笑)。カップリングだからこそできることってあると思うんです。アルバムに入れるのともまた違うチャレンジができるっていうか。これもちょっと変な展開っていうか、気がついたら違う世界に行ってる、みたいなのを考えて、カップリング曲っていうのをすごく意識して作ったんですよね。
EMTG:リリックはどんなテーマで書いたんですか?
KREVA:「ここが世界の中心、中心、中心……」っていうところのメロディーが言葉付きで最初から浮かんでたから、どこが世界の中心かな?って考えていったんです。そうしたらライブとかで「もうそれ、俺がいなくても楽しいんじゃない?」っていうぐらい盛り上がってるヤツが浮かんで。あと、ファミレスとかで周りが全く気にならないくらい超盛り上がってるテーブルとかあるじゃないですか。夢中になってる人の脳内のうわーっとなってる感じはどこよりも世界の中心だろうと思って、それを歌にしたんです。
EMTG:ところで、夏も終わってそろそろ秋ですが、今年の夏に新しく始めたことはありますか?
KREVA:「Day One」っていうiPhoneのアプリの日記。(画面をこちらに見せながら)こうやって書いたものはタイムラインみたいに並んでいくんですけど、その日の気温とか写真を撮った場所とかは自動で残るし、タグをつけとけば、あとから検索もできます。
EMTG:SNS共有型じゃないんですね。
KREVA:そこがいいんですよ。日記には子どもが何したとかも書きたいから非公開のものが良いなと思って。それにこれはGUIが秀逸。操作音もヤバし、画面を動かすとちょっと写真が揺れる感じも良くて。これならやる気が出るし、続けられそう。もう、画面をついつい眺めたくなるんです。

【取材・文:猪又 孝(DO THE MONKEY)】

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リリース情報

BESHI(初回限定盤)

BESHI(初回限定盤)

2013年08月28日

PONY CANYON

1. BESHI
2. 世界の中心
3. BESHI ?Band Recording Ver.-
4. BESHI(Inst.)
5. BESHI(Acappella)
6. 世界の中心(Inst.)
7. 世界の中心(Acappella)

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お知らせ

■ライブ情報

COUNTDOWN JAPAN 13/14 supported by Windows
2013/12/28(土)・29(日)・30(月)・31(火)幕張メッセ国際展示場1〜8ホール、イベントホール
※出演日・出演時間・出演ステージは後日発表いたします。

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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