BIGMAMA、最高傑作「Sweet Dreams」リリース。更なる飛躍へ

BIGMAMA | 2014.02.25

 BIGMAMAの4曲入りニュー・シングル「Sweet Dreams」は、甘い表題にこれまでになく強い意志を封印した壮大な曲調に仕上がった。続く「Theater of Mind」にも熱い気持ちが込められ、改めてバンドのポジションを確認した上で、未来を見据えた内容になっている。さらに今回はJamiroquaiとJUJUという洋/邦の名曲カヴァーも収録されているのだが、その理由についてもじっくり話を聞いてきた。

EMTG:今作は既にライヴで披露済みの曲も多く収録されてますね。最初はどんなビジョンがありました?
金井:アルバム5枚作り終えて、やり切った感じがあったから。改めてこの5人でどんな音を奏でるのか。どういうライヴをやっていきたいのか。それを明確にするのが今回の目標でした。これは僕の性格ですけど、じゃあ、終わりから用意しようと。自分の死生観もそうだけど、ざっくり言うと、どうやって死にたいか。ライヴもそうだけど、どうやってその日を終えるか。それを考えたときに「Have a good night sweet dreams」という言葉が出てきて、それをバンドでどう鳴らすかを5人で擦り合わせました。
EMTG:金井君らしい発想ですね。
金井:狙ってやってるわけじゃなく、ほんとに内から湧き出てくる気持ちなので。自分たちが喜べて、来てくれる人が楽しんでくれたらいいなと。そういう曲ができたと思います。
EMTG:この例えが合ってるかわかりませんが、映画のエンドロールに流れるような曲調?
金井:かなり近いかもしれない。2曲目の「Theater of Mind」に"シアター"という言葉もありますからね。自分の中で目をつぶって、まぶたに映ってるものがテーマだったりするんですよ。眠る瞬間もそうじゃないですか。一日の最後にまぶたに映る場面を想像する。ライヴの終わり方や映画のエンドロール、それも僕らがこういう風に終わりたいという感覚にすごく近くて。
EMTG:「Dreams」という言葉にはどんなイメージがあります?
金井:夢という言葉自体、ポジティヴなイメージがなくて。夢に悪が一文字付けば悪夢になる。寝ているときに自然と見る夢と、自分の目標として思い描く夢を、ひとつのまとまった言葉として夢を捉えてるんですよ。夢という言葉に入り交じった善悪をきちんと曲に落とし込む。それが表現の核になりました。曲の喜怒哀楽、起承転結の中で最後に一筋の光が差し込むことがいちばん僕の中でリアルだなと。
EMTG:確かに歌詞の前半7割までダークですね(笑)。
金井:はい。寝てるときに見てる夢が、いつの間にか思い描いてる夢にすり替わっていく。それが夢に対する僕のイメージなんですよ。悲しいことを悲しめて、喜びをちゃんと喜べて、心に起伏を生むこと。それが自分がいい夢を見て、いい気持ちで明日へ向かうために必要なことなんじゃないかと。
EMTG:「Sweet Dreams」の曲調として意識したことは?
リアド:音を作る上ではスケール感を意識しました。昨今流行の4つ打ちの中でストリングが刻まれて、自分もリズムを作っていく。それを大事にしました。
東出:この曲はドラムとストリングスからできた曲で、いままでにないパターンだったんですよ。ほかにもいろんな効果音を入れてチャレンジしたので、いい感じにできたと思います。
安井:前回のシングル「alongside」はみんなで合唱したいと思ったけど、この曲はそれプラス、みんなで乗れる曲にしようと。
柿沼:ライヴで最後にやる曲をいろいろ作ったけど、また違う景色を見たくて。歌詞とメロディをみんなが歌ってくれたら、また新たな一体感が生まれるんじゃないかなって。だから、ギターもシンプルに聴かせることを意識しました。
金井:壁がないこともひとつのテーマでした。なるべく開放的な音を鳴らす。ライヴハウスどうこうよりも、壁がないところが似合う曲みたいな。夢という言葉のイメージも境がないじゃないですか。それはメンバー間、僕らとリスナー、僕らとメディアもそうだけど、壁を壊して、新しいフェーズにバンドを進めていけるかなって。この曲は何かをぶっ壊してくれる期待感を持ってます。
EMTG:対して、2曲目「Theater of Mind」はどうですか?
金井:「Sweet Dreams」で美しいエンディングを用意できたので、それに対して必要なものは何だろうと考えたら、人の心に火を付けたくて。あと、自分たちはロックにバイオリンの要素があるから、人の気持ちを高揚させる熱いものも用意したくて。シングル一枚でバンドの印象を決められても、後悔しない作りにしたいですからね。そうすると、ロックの要素も入れて、残りのカヴァー2曲を含めて、この一枚で今のBIGMAMAはこういうバンドなんですよって、わかるものにしたくて。
EMTG:Jamiroquaiの「Virtual Insanity」、JUJUの「やさしさで溢れるように」を選んだ理由は?
金井:音楽的な立ち位置として、もともと洋楽が好きで英語詞で歌っていたバンドが、日本で活動する上で日本人であることを考えて活動しないと、何を信じて音を鳴らしていいかわからないから。僕らはどっちも好きなので、その真ん中にいることを意識しようと。
EMTG:自分たちの立ち位置を確認するシングルでもある?
金井:うん、このシングルでうまくバランスが取れたと思う。
EMTG:Jamiroquaiの曲をライヴで聴いたときは驚きました。歌メロは特に難しそうですね。
金井:あのメロディをサビだと思えませんからね(笑)。それが僕らが思い描く洋楽、邦楽の真ん中をやる上でヒントになりました。あの曲がBIGMAMAの曲としてあったら、どうするだろうと。世界中に響くヒットソングを疑似体験できたので、その後にどんな曲を書いて、その曲を超えていけるのか、楽しみですね。
東出:まさかこの曲を自分でレコーディングするとは思わなかったけど。歌とバイオリンは自分たちがイメージする「Virtual Insanity」ができました。
安井:スチュアート・ゼンダーと亀田誠治さんは大好きなベーシストなので、恐れ多かったです。でもただのコピーだとカヴァーの意味がないし、いかに自分らしく弾けばいいか悩みました。すごく勉強になったし、楽しかったですね。
柿沼:「Virtual Insanity」はピアノの気怠い感じをギターでどうしようと思って。オクターヴァーを踏むと、独特な空気感が生まれて。ピアノがなくても世界観が作れたのは良かった。JUJUさんの曲はあえてあまり聴かずに、この曲が自分たちのものだったらという命題でギターを入れました。フレーズを抜く楽しさや音作りもさりげなくヘンにして(笑)、自分たちになりにカヴァーしました。
EMTG:JUJUさんの曲もすごくハマッてますね。
金井 もともとこの曲はロックなアレンジがされてるかっこいい曲で。それをBIGMAMAなりの解釈で、自分たちのロックに近づけようと思って。
リアド:FNS歌謡祭でJUJUさんが歌ってる姿を見て、これでドラムを叩きたいと思いましたからね(笑)。
金井:歌ってみると、たくさんの人に愛される理由が曲の中に散りばめられていたので、次にちゃんと活かせたらいいですね。
EMTG:わかりました。5月から「Roclassick Tour 2014」が始まりますね。ということは?
金井:『Roclassick 2』が出ます。今、レコーディングの最中で、改めてバンドをシンプルにしたくて。ロックでクラシックで盛り上がることをやる。その入り口をシンプルにして、中に入ってきたら、いろんなものがある。そのやり方に去年気付いて、今年実際にやろうかなと。多分ビックリする仕上がりになると思う。今の作曲技術で、クラシック全開の曲をやると、どうなるんだろうと思って。今はオリジナルよりかっこいいと困るなあ・・・でもそうしなきゃなって感じです(笑)。

【取材・文:荒金良介】

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ビデオコメント

リリース情報

Sweet Dreams

Sweet Dreams

2014年02月26日

RX-RECORDS/UK.PROJECT

1. Sweet Dreams
2. Theater of Mind
3. Virtual Insanity(Jamiroquaiカバー曲)
4. やさしさで溢れるように(JuJuカバー曲)

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お知らせ

■ライブ情報

Roclassick Tour 2014
2014/05/11(日)東京Zepp Tokyo <母の日>
2014/05/17(土)仙台Rensa
2014/05/31(土)新潟LOTS
2014/06/14(土)広島CLUB QUATTRO
2014/06/15(日)岡山CRAZYMAMA KINGDOM <父の日>
2014/06/22(日)札幌FACTORY HALL
2014/06/26(木)高松DIME
2014/06/28(土)福岡DRUM LOGOS
2014/06/29(日)大阪Zepp Namba (Osaka)
2014/07/04(金)名古屋Zepp Nagoya
2014/07/06(日)東京Zepp DiverCity Tokyo

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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