THE PRIVATES、結成30周年イヤー第2弾シングルリリース!

THE PRIVATES | 2014.08.06

 聴いて驚いた。「キッスを、もう一度」は色気たっぷりの、 絶妙なテンポのポップチューンなのだ。今年、結成30周年のバンドとは思えない キュートな仕上がりに、このバンドの歴史を重ねると、なにやら楽しくなってくる。
 メンバーは延原達治(vo)、手塚稔(g)、 高橋達哉(b)、森原光司(dr)、 吉田学(ky)の5人。紆余曲折がありながら、オリジナル・メンバーで30周年を迎えられるのは、よほどの強運と、固い信念があってこそのことだろう。
 今春、第1弾配信シングル「ONE MORE TIME」でアニバーサリー・イヤー をアピールし、今回の第2弾「キッスを、もう一度」、夏フェスを経て秋には記念アルバムをリリースする。この“元気なベテラン”が、2010年代のロックシーンにどんな役割を果たすのか。大いに注目したい。
 実は僕とTHE PRIVATESには、不思議な縁がある。そんなことも含めて、THE PRIVATESの司令塔、延原にインタビューしてみた。

EMTG:「キッスを、もう一度」を初めて聴いたとき、テンポがいいのに驚いた。あのビートだったら、もう少し速いのが普通なのに、微妙にゆったりしてるのが気持ちよかった。
延原:いやいやいや、それ、誉めてんの?
EMTG:誉めてんだよ。あのゆったり感は、ベテランなればこそ!
延原:それ、年っていうこと?(笑)
EMTG:だから、若いバンドにはなかなかできない、余裕のテンポだって誉めてんの(笑)。
延原:あれね、レコーディングのとき、クリック使ってないんだよ。
EMTG:それでリズムが揺れまくりな のか!
延原:そうそう。「リズム、どうやって合わせてんの?」って 言われる(笑)。
EMTG:そりゃ、そうだ(笑)。
延原:アルバムのレコーディングしてて、最近になってようやく「やっぱりクリックいるよね」って話が出てきた(笑)。スタジオでクリックなしでやると、どうしてもライブよりテンポが遅くなるんだよ。
EMTG:その遅さが絶妙って、いい年齢なんじゃん。
延原:やっぱ、そう来るんだ(笑)。
EMTG:いやいや、誉めてますよ。さすが結成30周年だね。ところでTHE PRIVATESの始まりって、どんな感じだったの?
延原:80年代の初めだよね。俺はTHE PRIVATESの前は、クラッシュとかのカバーやってた。ティーンエイジャーが、パンク・ファッションでロックンロールをやるっていうヤツだったんだけど、周りのバンドがみんなそうなっちゃって。なので、19才とか20才でTHE PRIVATESを始めたときは、完全に“ビート・グループ”志向になってた。キンクスとか、ストーンズの1stとか。60年代のルーツロックからスタートして、87年にメジャー・デビューした。89年にアメリカのルイジアナでレコーディングをやった頃から、自分たちの音楽が決まってきて、それ以来、世の中のトレンドより、自分たちのトレンドに従って作るようになってったね。
EMTG:その後、90年代になって、ロックバンドなのに“DJスタイル”をライブに取り入れたのには驚いた。当時はそんなバンド、いなかったもん。
延原:ルイジアナでレコーディングしてたから、スワンプ(アメリカ南部のアーシーなロック)のバンドと思われてたし、ライブハウスの人からは「ここはディスコじゃないんだから」って誤解されたりしたよ(笑)。
EMTG:それこそ、“自分たちのトレンド”だったんだね。
延原:90年代の初めに、吉田がバンドを一時、離れることになったりして、俺がロンドンに行ったり、バンドの可能性を探っていくうちにつかんだ方法だったんだよね。たとえばプライマル・スクリームがかかるパーティで、ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」がかかったりしてたけど、俺らの場合はその逆だね。ロックの側からダンス・ミュージックに近づいていった。2000年代に入って、インディペンデントになっても、曲を作ってツアーするっていう本来やりたかったことを、シンプルにやり続けてきたんだよね。
EMTG:80年代のバンドブームから生まれたバンドで、そんな歴史をたどった上に今も活動してるバンドは他にはあまりいないね。
延原:うん。まあ、バンドやってたらそうなったって、シラケた言い方もできるけどさ、俺たちにとってはそれ以上に、ここ10年間がドラマティックだったんだよね。
EMTG:どういうこと?
延原:一昨年、吉田がバンドに帰って来た。あいつはTHE PRIVATESを止めたくて止めたわけじゃない。家を継がなきゃいけなくなった。でも会社の倉庫にピアノを置いて弾いてたし、ときどきバンドを手伝いに来てくれたりしながら、50才になったら自分の好きに生きようって言ってた。だから突然の復活じゃない。今もフルタイムではないけど、一緒に曲を作ったりしてる。一生賭けてこのバンドをやって行こうってことだよね。俺で言えば、(息子のOKAMOTO’Sの)Reijiと絡めることになったり。それぞれにドラマがあった。そういうのって、セールスを上げたときの歓びとはまた違う高揚感があるんだよ。時間が経ったことの歓びっていうか、バンド、メンバー、家族、スタッフを含めた思いが、今回の30周年のプランに表われてると思う。
EMTG:スタッフに関しても、ドラマがあったねえ。
延原:そうそう。だって今回の30周年アルバムを出すレーベルの責任者は、平山さんが紹介してくれたんだもんね。
EMTG:本当に凄い縁だよね。25,6年前、そのレーベル責任者がまだ大学生だった頃、僕の地元の呑み屋でばったり会ったら、「あ、平山さんですよね。俺、THE PRIVATESの大ファンなんで、今度紹介してください」っていきなり言われて、新宿パワーステーションのライブで延原くんに紹介したのが今回のリリースの発端なんだもんね。長いこと、この仕事してるけど、こんなのは初めてだよ。
延原:彼が新しいレーベルを3年前にスタートさせて、「延原さん、3年したらTHE PRIVATESの30周年ですよ。それまで頑張りましょう」って言って、お互い実現に向けて頑張ったわけです。
EMTG:ビックリだね。こんな30周年アルバムは、他には絶対ないよ。
延原:アニバーサリーに対する考えって、アーティストそれぞれだろうけど、俺たちは思い切りやる。今年1年間は30周年の一環として、何でもできるからね(笑)。
EMTG:ほんとに前向きなバンドだなあ。
延原:10月1日にオリジナル・アルバムとカバー・アルバムを同時に出します。
EMTG:なにぃー、やりたい放題だな(笑)。
延原:俺たちらしい30周年にしますよ!
EMTG:期待してまっす!

【取材・文:平山雄一】

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リリース情報

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発売日: 2016年03月02日

価格: ¥ 4,500(本体)+税

レーベル: cutting edge

収録曲

[CD]
1.Silk Road
2.骨
3.霜降り紅白歌合戦
4.360°(ぜんほうい)サラウンド
5.夢告げで人
6.やさしいだけじゃ聴こえない
7.溢れているよ
8.Touch me when the world ends
9.Last Eye
10.アメリカンリバー

[DVD]
●Music Video
「360°(ぜんほうい)サラウンド」「骨」

●LIVEDVD 
・安藤裕子 LIVE 2015「あなたが寝てる間に」追加公演 6.16(火) 東京・LIQUIDROOM
01 森のくまさん
02 大人計画
03 RARA-RO
04 Live And Let Die
05 うしろゆびさされ組 (うしろゆびさされ組 カバー)
06 ロマンチック
07 360°(ぜんほうい)サラウンド
08 飛翔
09 レガート
10 73%の恋人
11 海原の月
12 世界をかえるつもりはない
13 聖者の行進
14 鬼
15 都会の空を烏が舞う

ビデオコメント


「キッスを、もう一度」(トレーラー映像)」

リリース情報

キッスを、もう一度(配信限定)

キッスを、もう一度(配信限定)

2014年08月06日

ワーナーミュージック・ジャパン

1.キッスを、もう一度

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リリース情報

Les beat hi-fi mono

Les beat hi-fi mono

2014年10月01日

ワーナーミュージック・ジャパン

[Disc1]
1.エレベーター No.9
2.ONE MORE TIME
3.バビロンの歯車
4.DOGGIN’ AROUND
5.キッスを、もう一度 
6.リメンバー 
7.どこかにときめき
8.ブギウギ一晩中!
9.GAKKO SHUFFLE
10.あいつはさかさま
11.誰もいない街
12.君が君に
13.最後まであきらめるな

[Disc2]
1.THE MEMPHIS TRAIN (オリジナル:Rufas Thomas)
<Guest>Dr.kyOn
2. I’M READY(オリジナル:Fats Domino) 
<Guest>花田裕之
3.BLACK NIGHT(オリジナル:Arthur Alexander)
<Guest>仲井戸“CHABO”麗市/オカモトショウ (OKAMOTO’S)
4. ROLLIN’ STONE(オリジナル:Muddy Waters)
<Guest>柴山“菊”俊之 /甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)
5.DONNA(オリジナル:Ritchie Valens)
<Guest>下山 淳
6.HEART BEAT(オリジナル:Buddy Holly)
7.I FEEL GOOD(オリジナル:Benny Spellman)
<Guest >真島昌利 (ザ・クロマニヨンズ)
8.KOKO JOE(オリジナル:Don&Dewey)
<Guest>Takashi "Mr.PAN" Manabe (THE NEATBEATS)/Dai "Mr.Gully" Ura (THE NEATBEATS)
9.MOJO WORKOUT(オリジナル:BOBBY LONG&HITS SATELITES)
<Guest>オカモトショウ (OKAMOTO’S) /オカモトレイジ (OKAMOTO’S)/岡本雅彦
10.WANG DANG DOODLE(オリジナル:Howlin’ Wolf)
<Guest>チバユウスケ (The Birthday) /加藤“Yotchan”義明 (Ex.村八分)

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昆虫です。なんか響きがいいよね。


■ライブ情報

ROCK IN JAPAN FES. 2014
2014/08/10(日)国営ひたち海浜公園

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
2014/08/15(土)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

red cloth 11th ANNIVERSARY
2014/08/31(日)新宿 red cloth

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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