氣志團の新曲「幸せにしかしねーから」は、勝負をかけたド直球ラブソング

氣志團 | 2015.02.26

 2014年は「喧嘩上等」の大ヒット、『氣志團万博2015』の成功と、破竹の勢いを見せた氣志團が、「喧嘩上等」以来となる2015年一発目のシングル「幸せにしかしねーから」をリリース。現在、全國ホールGIGツアーの真っ最中。すでにGIGでも披露されているこの曲は、タイトでシンプルなロックンロール・サウンドに乗せた真っ直ぐなメッセージが、聴く者のハートを突き刺すストレートなラブソング。「喧嘩上等」のヒットに、「結局、俺達に求められてるのは、パーティーソングだったことが分かった」と語る綾小路がいま、あえて直球ど真ん中のラブソングをリリースする理由とは? 楽曲について、また最近考えていることについて、氣志團の誇り高き團長・綾小路 翔がたっぷり語ってくれた。

EMTG:まずは現在、ツアー真っ最中の氣志團。前半戦を終えての手応えはいかがですか?
綾小路:多分、すんごい面白いんじゃないか? と自分では思ってます。“知識は一切不要。熱心に追いかけてくれてる方も、最近気になって見に来てくれた方も全員に楽しんでもらえるGIG”をテーマにやっていて。とにかく楽しんでもらえれば何でも良いんで、これが「面白くない」と思われたら、もうダメかな? というくらいの気持ちでやってます。あと、「幸せにしかしねーから」が発売するということで、ご予約頂いた方を対象に「思い出にしかしねーから」という、セルフィー(携帯電話での自撮り)の撮影会をやっているんですが。ローカルな都市でGIGをやると、「氣志團が来るらしいぜ」くらいの感じで来た方もよく分からずに並んで下さったりして、みんな最高に楽しんで帰って下さるので、本当にやって良かったなと思うし、僕らもすごく嬉しくなりますね。
EMTG:GIGが楽しくなかったらすぐ帰るでしょうし、生で聴いた「幸せにしかしねーから」が良くなかったらCD買わないでしょうし。それがダイレクトな生の反応だと思いますよ。
綾小路:それが逆でもいいんです。「一緒に写真撮れるなら行ってみようか?」でも、GIGを見てもらえるキッカケになるなら全然いいんです。氣志團って実際にGIGを見ないと何も伝わらないんで。みんな良くも悪くも氣志團のイメージがあって、世の中の人は俺達のことなんてほとんど知らないから。どんな方法を使ってでもGIGに来て欲しいんです。
EMTG:そして、シングル「幸せにしかしねーから」が発売。大ヒットした「喧嘩上等」以来となるシングルというところで、考えた部分やプレッシャーはありました?
綾小路:初期の頃は若かったから、“「One Night Carnival」だけじゃねぇんだよ”と思ってたし、「こんなことも出来るんだよ」ってところが見せたくて。シングルごとにコンセプトを全然違う物にして、色んな音楽性をアピールしていたんですが。実際、届いた曲って、「One Night Carnival」と「結婚闘魂行進曲マブダチ」、あとは「喧嘩上等」みたいな、分かりやすいパーティーソングみたいな曲だけで。俺達の奥底にある物とか、誰も求めてないことが分かったんです。そこで今回もその路線で曲を募ったんですけど、コンセプトとは関係ないところで出てきたのが「幸せにしかしねーから」で。当初、僕の中では「無いな」と思ってたんですけど、なぜか周辺のスタッフ達からの反応がすごく良くて。どうやったらインパクトのある曲に出来るだろう? と思って、歌詞を書いて仮歌も録ったんですけど。作曲者のトミー(西園寺 瞳)が「思い入れのある曲だから、シリアスな歌詞にして欲しい」と言ってきて。
EMTG:では、今とは歌詞も雰囲気も全く曲だったんですね。
綾小路:そうです。そしたらトミーから「シングルじゃなくてもいいから、この曲は良い形で仕上げたい」と言われて。ミュージシャンシップですよね。彼がそこまで言うのであれば、それは自分も真剣に受け止めたいと思って。その時、僕が地元から一緒に上京して氣志團の前にバンドをやっていた仲間と、岡山の友達の結婚式が続けてありまして。そこで感じたことを帰りの新幹線で歌詞にして、さっそくみんなに見せたら「これはハマったんじゃないの?」という話になって。それでも僕の中では、この曲とカップリングの「ジゴロ13」のどちらをシングル曲にするか悩んでいたんですけど、MVの打ち合わせの時に「やっぱり、「幸せにしかしねーから」じゃねぇ?」って話になって。レコーディングしてるうちに、「間違いないんじゃないか」ってだんだん実感が湧いてきた感じでしたね。「人生に一度くらい、本気のどストレートを投げてみる時が必要なんじゃねぇか?」と思って、「それが今なのかは知らんけど、投げてみるか」と。だから、これでパコーンと場外ホームラン打たれたら、もう二度とストレートは投げないです。ファームでひたすら変化球の練習をします(笑)。「喧嘩上等」でせっかく久々の一軍に上がったんですよ! そこで得意の変化球を投げず、あえて渾身のストレートで勝負するというのは勇気がいるけど、男には勝負しなきゃいけない時があるんですよね。
EMTG:でも、その結婚式で感じたことって絶対間違いないと思うし。この真っ直ぐなメッセージは恋愛を経験した全ての人が理解出来るし、共感出来ると思います。
綾小路:これは決して、結婚に限ったプロポーズソングのつもりはなくて、僕は男の子に対しても歌っているところがあるんです。ガキの頃にパートナーを選ぶのと、こいつと一生生きていくと決める時のパートナーの選び方って違うと思うんですよね。ガキの頃ってルックスがいいとか、人気者とか、ステイタスで選ぶじゃないですか? 大人になっても収入がいいとか、仕事が出来るとか、それはあると思うんですけど。こんな時代になって、そういう物が通用しない可能性が出てきているなと思って。震災があったり、国家も危ういと言われる不況が起きている中、一番大事なことは「愛する者を守れる能力」だと思うんです。オシャレだとか、カッコいいとか、家柄がいいとか、そういう物じゃ人の人生なんて背負えない。もう、何でもいいから家族を養っていくことが出来る人がベストだと思うし、それくらいの覚悟を持って結婚するべきだと思うんです。僕も数々のカップルの結婚式に出席して、上手くいくヤツもいかないヤツも見てきてますけど。あの幸せな笑顔を見て、「頑張れよ、仲間」って伝えたいんです。そして、「こっから先、色んなことがあるけど、今日のこの瞬間を絶対に忘れんじゃねぇぞ」って気持ちを曲に出来ればいいなと思ったんです。10年も付き合ってるカップルが聴いて、原点回帰出来る曲になって欲しいし。高校生が聴いて、「いつか、コイツと一緒になりたい」と思う曲になって欲しいし。倦怠期の夫婦がもうイヤになっちゃった時も、最後の決断をする前に聴いて欲しいですね。
EMTG:離婚届の判を押す前に、あの時の気持ちを思い出せと(笑)。また、幸せの形っていうのも人によって違って、それぞれの状況を重ねられる歌詞になってますしね。
綾小路:具体的なことを全然言ってないですからね、全然。ああするとか、こうするとか言ってなくて、「分かったから! 幸せにしかしねーから!」ってことしか歌ってないですから。面白かったのは最初、<他の女も見ねー たぶん>と書いたら、メンバー達から「おいおい、翔やん、それでいいのかよ?」って煽られて。で、<他の女も見ねー ぜってー>に書き換えたんです(笑)。本来は“たぶん”なんですよ。それぐらいのが可愛いし。でも、今回はそれじゃいけないんですね。これはマニフェストですから。
EMTG:ワハハ。その時は本気で思ってるわけですからね、その後は知らないですけど(笑)。
綾小路:だから、気概ですよね。“女なんか”のせいにしない。そういう言い方したら怒る人もいるかも知れないけど、それでも俺は言い切る。歌詞に関しては誰とも討論する気はないし、誰かの共感を得ようとも全く思ってなくて、俺の言いたいことを言ってるだけなんです。「俺はおまえに向かってこういうことを歌うけど、おまえはどう感じる?」って。それにガタガタ言う人がいても、「それでいいぜ」と。「ただ、俺はおまえを幸せにしかしないけどね!」って言い切りたいんです。こんな時代、誰もが決して楽じゃなくて、今も大変な現実がたくさんのしかかってるけど、やることはひとつで。仲間を幸せにするため、家族を幸せにするために、男達は朝から晩まで働くだけなんです。こんな暑苦しい曲、今どきじゃないですけど、お互い頑張ろうよって。この曲を通して伝えられたら良いですね。

【取材・文:フジジュン】



 ~氣志團現象2015 日本全國HALL GIG TOUR「週末大パニック!超激突!!」開催中!~


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リリース情報

キミの花/最後のキス

キミの花/最後のキス

発売日: 2017年02月22日

価格: ¥ 1,111(本体)+税

レーベル: ポニーキャニオン

収録曲

M1 キミの花(TVアニメ「セイレン」オープニングテーマ)
M2 最後のキス
M3 積木
M4 キミの花(Instrumental)
M5 最後のキス(Instrumental)

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リリース情報

幸せにしかしねーから[CD+DVD]

幸せにしかしねーから[CD+DVD]

2015年02月25日

影別苦須 虎津苦須

[CD]
1.幸せにしかしねーから
2.ジゴロ13
3.幸せにしかしねーから (カラオケ)
4.ジゴロ13 (カラオケ)

[DVD]
1.幸せにしかしねーから (ミュージックビデオ)
2.激闘!!氣志團万博2014

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■ライブ情報

氣志團現象2015 日本全國HALL GIG TOUR
「週末大パニック!超激突!!」

2015/02/28(土)香川・サンポートホール高松
2015/03/01(日)広島・アステールプラザ 大ホール
2015/03/07(土)秋田・大館市民文化会館 大ホール
2015/03/14(土)東京・渋谷公会堂
2015/03/15(日)東京・渋谷公会堂
2015/03/20(金)大阪・オリックス劇場
2015/03/21(土・祝)愛知・日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)フォレストホール
2015/03/28(土)群馬・桐生市市民文化会館
2015/04/03(金)富山・クロスランドおやべ
2015/04/04(土)長野・ホクト文化ホール・中ホール
2015/04/11(土)岐阜・多治見市文化会館
2015/04/12(日)山梨・東京エレクトロン韮崎文化ホール・大ホール
2015/04/17(金)福島・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
2015/04/18(土)茨城・龍ケ崎市文化会館
2015/04/25(土)愛媛・西予市宇和文化会館
2015/04/26(日)高知・須崎市立市民文化会館
2015/05/04(月・祝)熊本・熊本県立劇場 演劇ホール
2015/05/05(火・祝)大分・ホルトホール大分 大ホール
2015/05/15(金)鹿児島・鹿児島市民文化ホール 第二

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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