MY FIRST STORY、新シングルでより広いフィールドへ足をかける今の心境とは?
MY FIRST STORY | 2015.07.29
- EMTG:インタビュー初登場ということで。ちょっと前になるんですが「INTACT RECORDS TOUR」のファイナルは壮絶でしたね。あのツアーでバンドにフィードバックされた部分は?
- Hiro:新しいシングル(『ALONE』)を出した後のツアーが僕達史上最大規模のZeppツアーになるので、その前のツアーが同じレーベルのAnother Storyと回るっていう、ホームではあったんですけど、その中でいかに自分たちとしてのポテンシャルを引き出せるか?次にステップアップするためにどう自分たちでライブに対してストイックになれるか?ある種Zeppツアーまでの道のりの一つとして考えていたので。かなりあのツアーを回ってから進歩したものはあると思います。
- EMTG:今回のシングルは専門学校のCMタイアップで。他のバンド/アーティストも割と10代の子に向けてのメッセージであったりとかが多いと思うんですけど、書き下ろし曲という点はどれぐらい意識しましたか?
- Hiro:全体の歌詞の日本語の多さとかもけっこう意識したりするので、そういう意味では考えてはいて。でも、それよりどちらかと言うとテーマにどれだけ僕達が寄り添えるか?が一番難しかったかなっていうのがありましたね。でも僕達が常に考えてることというか、音楽で発信してたりとか、今まで歌詞で伝えてるようなことが主軸だったりしたし感性の違いはなかったので、これをどうまた新しく切り替えるか?っていうのを特に考えて作ってました。
- EMTG:先方からのテーマというのは?
- Hiro:それはなんていうんですかね、自分自身の夢?を追いかけることの何がいけないのかとか、オリジナリティの何がいけないのか?みたいなのが漠然としたテーマだったんですよ。で、そっからはお任せしますみたいな感じだったので、そっからどうしようかな?と思ってて。でも今までのシングルのリードだったり、自己啓発系の歌詞が僕たちは多かったので、そういう意味ではやりやすかったですね。
- EMTG:今おっしゃったように日本語詞の多さだったし、最後の二行<I will release for myself/We are not alone>が今までと違うのかなと思いましたが。
- Hiro:そうですね。今までは歌詞に出てくる主人公というか、一人称は自分だけだったんですけど、今回は英語で言うとIがWeになった、僕達というもので書いていたので。ある種、リスナーと同じ目線で歌詞を書けたかなと思いますね。
- EMTG:それに、タイトルは「ALONE」なんだけど、結果的には「ひとりじゃない」って歌ってたり、そういう変化を感じます。
- Hiro:曲としてもそうですし、今までにないような構成だったり。自分たちの中で行き過ぎない変化というか、普通の人が聴いてても違和感のない楽曲なんですけど、今までとはちょっと方向性も――歌詞だったり、あとは全体的な歌詞とタイトルの対比っていうのもいろいろ考えては作っていましたね。
- EMTG:今回は逆に5人の音を意識してるラウドな曲だなと。
- Hiro:前回のアルバムでけっこうシンセだったりピアノをよく使ってたので、今回のヤツはバンドサウンドで挑戦してみようかなと。
- EMTG:とは言え、展開は多くて。そもそもマイファスの曲作りはどんな方法なんですか?
- Hiro:基本的にうちのギターのShoが大枠を作ってきてて、デモをもらってそっからメロを重ねて、お互いでそのやりとりはしつつ、他のメンバーは各々のパートを肉付けしていく感じで進んでいくんですけど。で、それ以外はギターが全部作ってくることもありますし、僕が大枠を作ってメンバーに投げる時とか、基本的にその3パターンで作ってますね。
- EMTG:歌詞はどういう時に書くんですか?
- Hiro:うーん?…あんまり歌詞から作るってことをしないので、というか1回もしたことないので。基本的に曲ができあがって、デモができて、メロ作って全体のオケ感で決めたりしますね。言葉自体は日々、生活してて思ったこととかは携帯の中にざっくりとメモしていたり。あと、この単語だったらちょっと耳につくなという日本語を意識して、普段聴いてるようにしてるんですけど。その中で「あ、これ新しいな」とか、自分が絶対使わないけど歌詞の中だったら成立するなとか、曲の世界観が決まってから、その単語がマッチすれば使ってって感じですかね。
- EMTG:最近、「これなんか歌詞になりそう」と思った言葉って?
- Hiro:なんでしょうね?例えば…”無神論者”とか、そういうような単語をけっこう集めてて。子音が強めな単語とか母音から始まらないものとか、ばーっと流れてて英語のように聴こえる単語とか集めてるので。そのメロにハメられるかどうかは難しいですけど(笑)。
- EMTG:ラブソングで「好き」が語尾になるのはそういう理由だと、作詞家のどなたかがが言っていたような。
- Hiro:ラブソングとかバラードだと、すごい分かりやすい歌詞のものも美しいんですけど、それを使わずに連想させるものが一番、バラードでは響くものなのかなと思っています。「好き」とか「愛してる」とか言わなくても。というのを上手いなと思って、槇原敬之さんの歌詞をけっこう見たりするんですけど。単調な言葉を一切使わずにそれを連想させるようなことをすごい上手く書いていて「これすごいな」っていうのは参考にしますが、なかなか難しいですね。英語に走っちゃったりとか。
- EMTG:マッキーとは意外な(笑)。そして2曲目の「失踪FLAME」のHiroさんの声というか音というか、これはなかなか他の人には真似できないんじゃないかなと。
- Hiro:そうですね。「失踪FLAME」は、声をあんまりいじってなくて。僕自身の声の倍音だけで勝負してるというか、前面に出してる曲なので。それに、キーも高いですし、ある種、MY FIRST STORYしかできないような曲ができたかなと思いますね。
- EMTG:で、3曲目の「Miles」のドア開けて最後帰るみたいな一部始終があるじゃないですか?あのアイデアはどこから?
- Hiro:3曲目は…これは1回、レコーディングしなおしてますね(笑)。最初できてた音源とちょっとニュアンスが違って。ま、当初からあの雰囲気で録るのは決まってたんですけど、あれだけ一発録りというか、デモみたいな感じで録るのは前から決まっていたんですよね。「失踪FLAME」できてから、また作りなおしてやり直したので、あれは特別というか。
- EMTG:ああ、なるほど。じゃあ一発撮りをそのままドキュメントしちゃおうと?
- Hiro:そうですね。
- EMTG:このシングルが出て、これからマイファスが踏みだそうとしてること、自分たちにしか行けないところってこれからどうなっていきそうですか?
- Hiro:毎年毎年思ってることなんですけど、「今年は勝負の年だな」というか「大事な年だな」と。もちろん大前提として大事なんですけど、今までは…第一歩を踏み出すための準備期間として大事なものだったんですけど、次はやっと第一章の第一歩も踏み終えて、次からなので。二章目幕開けの瞬間なんで、スタートダッシュみたいな?感じなので。今までと違った大変さというか、大事さ、そういう気持ちはすごいありますね。ここからやっぱり、ライブハウス規模ではZeppは一番上なので、今までやってきた、小バコツアーの完結というか、やっとライブハウス編は終わったみたいなものが自分ではかなり強いので、そういう意味では、フィナーレでもあり、同時にスタートダッシュでもある感じですかね。
- EMTG:帰属してるシーンをさらに飛び出して行くと?
- Hiro:そうですね。次にステップアップしていくためにはそういうことも大切ですし。いかにフェスとか、違うバンドのイベントとかで取り込めるか?に重きを置いてるので、名刺代わりのようなライブをして、取り込めていけたら、自分たちの幅も広がりますし。なので、自分たちの枠内で、リンクしてるものが少ないほうに行きますね。共通項が少なければ少ないほど取り込めるものが多いと思ってるので。
- EMTG:Hiroさんのストイックさってなんなんでしょうね?
- Hiro:ま、結局は自分自身のエゴではあるんですけど(笑)。音楽を聴いてもらって、ライブハウスに来てもらって――知らない人は特に。例えば友達が行くから着いて来る人もたぶんいると思うので、その人たちをいかに楽しませられるか?っていうのと、作りこんだ僕たちをいかに出せるか、と、その作りこんだものに対してどれだけ自分が満足してるかが自分に対するストイックさだと思いますね。
ラウド、スクリーモをオルタナティヴに昇華し、エレクトロニックなエレメントで壮大さや抽象的な表現も血肉にしてきたMY FIRST STORY。何より、フロントマンHiroの孤独感や現状突破の意志をエクストリームなまでの声の表現がバンドを牽引し、前作『虚言NEUROSE』に伴うツアーファイナルでは新木場スタジオコーストでのライブも成功裡に終わらせた彼ら。春に開催したレーベルの盟友Another Storyとのデスマッチ感漂う2マンも壮絶なものがあったが、4thシングルとなる『ALONE』は学校法人・専門学校HALのCM曲としてもOAされ、心情の切り取り方こそHiroのスタイルだが、最終的に向かうベクトルが開放に向かっている印象も。群雄割拠のラウド/エモシーンからより広いフィールドへ足をかける今の心境とは?因みに年齢(21歳)を知ると、ちょっと驚くぐらい丁寧な物腰とストイックな姿勢の持ち主でもあったりする。
【取材・文:石角 友香】
リリース情報
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ヴィーナス
発売日: 2018年10月17日
価格: ¥ 1,800(本体)+税
レーベル: ユニバーサル ミュージック
収録曲
1. MARIA
2. MIDNIGHT RADIO
3. 青に捧ぐ
4. ピアシング
5. ラストシーン
6. 憂鬱なブルー
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リリース情報
お知らせ
WE ARE NOT ALONE TOUR 2015
2015/08/28(金)神奈川 川崎CLUB CITTA’
2015/09/05(土)香川 高松オリーブホール
2015/09/06(日)兵庫 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2015/09/10(木)石川 金沢EIGHT HALL
2015/09/12(土)宮城 仙台Rensa
2015/09/13(日)福島 郡山HIP SHOT JAPAN
2015/09/18(金)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2015/09/19(土)福岡 DRUM LOGOS
2015/09/22(火)愛知 Zepp Nagoya
2015/09/23(水)大阪 Zepp Namba
2015/09/26(土)東京 Zepp Tokyo
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。