ヒトリエ、ニューシングル「シャッタードール」リリース!

ヒトリエ | 2015.11.02

 7月にリリースした2ndミニアルバム『モノクロノ・エントランス』で変貌を予感させたヒトリエ。バンドの独特のこだわりが、多くのリスナーに向けてポップに開花したのだった。
 それに続く注目の新作「シャッタードール」は、バンド史上最も美しいメロディを持つポップナンバー。しかもその前後をインストのカップリングではさんで、まるで1曲のように仕上げている意欲作だ。オープンになった部分と、変わらぬチャレンジ精神を両立させるヒトリエのwowaka(Vo&G)、シノダ(G&Cho)、イガラシ(B)、ゆーまお(Dr)に、ニューシングルとバンドの現状について聞いてみた。
 ちなみに、このシングルは完全生産限定盤で、wowakaが撮影した写真をメインにした252ページに及ぶブックレットが付いている。

EMTG:「シャッタードール」は、前後がインストとつながっていて、まるでDJプレイみたいな曲だね。
wowaka:初めて言われました。そういえば、そう聴こえるかも。ただ、DJを意識して作った曲ではないですよ。
EMTG: いつ頃、作った曲なの?
wowaka:『モノクロノ・エントランス』の直後。リズムにしてもメロディにしても、今までやったことのないタイプのいい曲だなと思ってメンバーに聴かせ たんです。そうしたら、みんながいいねって言ってくれた。
EMTG:メンバーはこの曲を初めて聴いたときのことを、憶えてる?
シノダ:憶えてますよ。誰よりも先に、俺が反応したんだもん。これまでもいい曲があったけど、「これはwowaka的だな」って感じだった。でも「シャッタードール」は「これはやばい!」。メロディがとにかくよかったです。
ゆーまお:今までの曲よりテンポがゆっくりで、僕にとってメロディがしっくり入ってきた。新しい曲を聴くときって、いつも「どんなドラムセットでやると似合うかな」って考えながら聴くんですけど、この曲はすぐにイメージが湧きました。こういう機材でやろうって、頭の中にすぐ浮かんだ。タムは小さめのを選んで、シンバルはいつもはシブいのを使ってるんだけど、これにはキラキラしてるのが合うなと思って。“引く”より、“押す”ドラムにしようって思いました。
EMTG:音のイメージがすぐ決まるっていうのは、それくらいいい曲なんだよね。っていうか、選べるほどたくさんドラムセットを持ってるの?
ゆーまお:はい。こう見えて、けっこう楽器は集めてます(笑)。
EMTG:失礼しました(笑)。イガラシくんはどうだったのかな? ベースはかなり難しいフレーズをずっと弾いてるけど、大変だったんじゃないの?
イガラシ:僕の場合、技巧的な面はあんまり苦にならない。
EMTG:おっ、強気(笑)!
イガラシ:いやいや、大丈夫なんですよ、テクニック的には(笑)。それにどういうベースがいいのか、イメージがすぐに湧いた。今までって、サビとかは“どれだけ強くベースで殴れるか”っていうテーマが多かった。でも「シャッタードール」は、その逆で、あんまり殴ってない。殴る必要がない。
EMTG:殴る?
イガラシ:殴るみたいに、グイグイ行くっていう(笑)。でもこの曲は力を抜いて、流れるように弾こうって最初から決めてた。やっぱりメロディがよかったからだと思う。
EMTG:耳に残る、いいメロディだよね。
wowaka:「シャッタードール」の後、何曲か作ったんですけど、これまでの流れをくんだようなものばかりだった。やっぱりこの曲がいちばん強い曲、何か強固なものを一個持っている曲だったんです。それで今回、この曲をレコーディングしたんですけど、その強さに引っ張られてブックレットのアイデアも浮かんだ。そういうアプローチはしたことがなかったけど、リスナーは好きなバンドのCDにブックレットが付いてたら嬉しいなと思うんじゃないかな。ヒトリエにある、そういう良さも出したかった。
EMTG:すごい曲のパワーだね。前作『モノクロノ・エントランス』の影響はあったの?
wowaka:『モノクロノ・エントランス』で、自分の中ですごく開けた部分があったんですよ。それまでって、緻密なリフに言葉を詰め込むような作り方が多かった。息苦しさとか、切迫感を表現したかったから。でも『モノクロノ・エントランス』で、それを根っこに持ちながら解放するやり方が身に付いた。ストレートな曲を作る道が開けたっていうか。やっぱりそれは成長だと思うんですよ。それが「シャッタードール」でできている感触があります。
EMTG:「シャッタードール」を完成させて、前後にインストを付けようと思ったのは?
wowaka:ブックレットのアイデアが浮かんで、そのビジュアルに対して曲を拡張するために前後にインストを付けようと思ったんです。前回の“トーキーダンスと赤い靴”ツアーのときに、曲の前にバンドの3人のアイデアを元にして前奏を付けたりしたんですよ。そうしたらお客さんが喜んでくれた。前奏を付けると曲の聴こえ方が変わってくる。その経験があったから、今回はインストをバンドでイチから作っていった。音楽を聴くお客さんの可能性を広げてあげたいし、もっとバンドを深く知ってもらうことにもなるし。
イガラシ:そうだね、今回のインストはライブでやってる前奏の感覚に近い。
シノダ:1曲目の「finder」の終わりの方で、「シャッタードール」のギターリフを思わせるフレーズを入れたり。
wowaka:結局、「finder」も3曲目の「Film/looP」も、インストはバンドの3人から出てくるものにまかせました。それができるようになったのも、『モノクロノ・エントランス』を経験したからかな。
シノダ:それでも、インストのフレーズを固めるのには時間がかかったけど。
イガラシ:俺は全然大丈夫だったけど。
EMTG:またまた強気(笑)!
wowaka:「シャッタードール」は、もうライブで何回かやってるんですけど、楽しいです。
EMTG:声が表になったり裏声になったりするから、歌は難しいんじゃないの?
wowaka:いやいや、かえって伸び伸び歌えるので超楽しいですよ。
シノダ:俺はいつも「何かやってやろう」って思いながらライブしてるんですけど、この曲は余計なことを考えずに自分の演奏をまっとうしようと思ってますね。
ゆーまお:お客さんが踊りやすそう! 僕としては今までの曲よりゆったりしてるから、ライブのセットリストの中に入ると、まだ慣れないところがあるかな……。
イガラシ:俺は、超楽しいよ~!
ゆーまお:その発言、軽率だろ!
全員:(爆笑)
EMTG:「シャッタードール」の歌詞は、どんなところから発想したの?
wowaka:このところ、写真を撮るのがどんどん好きになってて。写真って、撮れば撮るほど自分が出てくるんですよ。その感じが楽しくて。撮る行為を身に付けて、写真として吐き出す。音楽はそれを音と言葉として吐き出す。カメラも人間も、インプットして吐き出すところが似ているなと思って歌詞を書きました。でも、やっぱり人間とカメラは違うっていう結論にはなりましたけど。そうやって突き詰めて出した自分のメロディと言葉に、バンドの音楽が加わってヒトリエになる。それを歌詞にまた反映して、もう一度再構築して「シャッタードール」が出来ていったんです。
EMTG:すごく柔軟な曲作りだったんだね。
wowaka:今、リアルタイムで自分たちが変化してることを感じてます。でもそれは、自然な流れでもある。自然に新しいことや新しい曲をやろうとしている。バンドが今までになかった状態になってる。初めての経験です。こういう時って、いいものが生まれるんだろうな。それをいい作品にする自信もあります。
EMTG:これから生まれる曲も、楽しみだなあ。ありがとうございました。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 シングル 男性ボーカル ヒトリエ

リリース情報

Masquerade

このアルバムを購入

Masquerade

発売日: 2019年09月16日

価格: ¥ 250(本体)+税

レーベル: ユニバーサルミュージック

収録曲

01.Masquerade

リリース情報

シャッタードール(完全生産限定盤)[CD+Photobook]

シャッタードール(完全生産限定盤)[CD+Photobook]

2015年11月04日

非日常レコーズ

1. finder
2. シャッタードール
3. Film/looP

※三方背ケース+252ページフォトブック

リリース情報

ルームシック・ガールズエスケープ/non-fiction four e.p.

ルームシック・ガールズエスケープ/non-fiction four e.p.

2015年11月04日

非日常レコーズ

1. SisterJudy
2. モンタージュガール
3. アレとコレと、女の子
4. るらるら
5. サブリミナル・ワンステップ
6. カラノワレモノ
7. 泡色の街
8. らんらんと泣いて
9. Inaikara
10. ハネルマワル
11. カラノワレモノ[ReREC]

※画家・KYOTARO描き下ろしジャケット
※全曲リマスタリング音源
※ボーナストラック”カラノワレモノ[ReREC]”収録

お知らせ

■マイ検索ワード

●wowaka(Vo&G)
シャチ

海の食物連鎖の頂点に立ってる。シャチって、かわいい姿してるけど、マジで強い。骨格の映像があって、恐竜みたい。それに比べたら、サメの中で最強って言われてるホホジロザメなんて、魚の小骨みたいですよ。

●シノダ(G)
ミスiD

女の子のコンテストなんですけど、参加してる114人全員の動画が上がってる。それを全部チェックしてます。

●イガラシ(B)
ナタリー・ポートマン

恥ずかしながら映画『レオン』を初めて観て、ナタリー・ポートマン、いいなって思って検索しました。

●ゆーまお(Dr)
ラディック

ドラムのメーカーなんですけど、そこの“スーパークラシック”っていうビンテージのドラムセットがいい値段で出品されてて、迷ってます。


■ライブ情報

GLICO LIVE “NEXT”SPECIAL
2015/11/11(水)心斎橋BIGCAT
出演:フジファブリック、フレデリック、ヒトリエ

ヒトリエSpecialLIVE2015 ~真昼のヒトリエ劇場~
2015/11/20(金)工学院大学 新宿キャンパス 1階アトリウム

ヒトリエ主催ツーマン公演『bAnd』vol.2
2015/11/26(木) 下北沢GARDEN
出演:ヒトリエ & MO’SOME TONEBENDER

√3 TOUR
2015/12/07(月)京都MUSE
2015/12/08(火)岡山IMAGE
2015/12/09(水)長崎Drum Be-7
2015/12/11(金)浜松窓枠
出演:LEGO BIG MORL 、phatmans after school、 ヒトリエ

COUNTDOWN JAPAN 15/16
2015/12/28(月)~31(木)幕張メッセ国際展示場1~11ホール・イベントホール
※出演日は後日発表。

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る