ミオヤマザキ新曲「ノイズ」、“メンヘラ”と一言で片付けられがちなコントロール不能の恋心をうたう

ミオヤマザキ | 2017.07.10

ミオヤマザキの真骨頂の名曲誕生

「“さよなら”は引き止めてって “大丈夫”はだいじょばなくて “もういい”は全然よくなくて」。心とは裏腹なSOSにも近いメッセージ。SNS時代の恋心をあらわにした、ミオヤマザキ新曲「ノイズ」で表現されたロックな歌詞世界に引き込まれた。
 本作は、歌詞サイトにて、リリース前に注目度ランキングで1位を記録している。紅一点のヴォーカリスト、mio(Vo)が感じた「人はみんな誰かと繋がっていたい。誰かを愛したり、誰かを信じてみたり。でも、同時に誰かを愛する事、信じる事は、いつか裏切られる不安もつきまとう。」という、誰もが感じたことのあるであろう矛盾する気持ち。それをを彼女は“ノイズ”と名付けた。
 ノイズとは混沌(カオス)。混沌から秩序を導き出し、論理的に語りえる“ロゴス”を心の拠り所にしてきたヒトの歴史。ミオヤマザキは2017年のいま、“メンヘラ”と一言で片付けられがちなコントロール不能の恋心を「ヘタクソな生き方でしか 生きられない私達は きっと一人では出来ない事も 二人でならできる存在(ばしょ)になりたかったな」と本音で歌い上げる。



ギリギリのところで生きている想い

 通常盤、iTunesプリオーダーの2曲目に収録された「鬱鬱」では、“鬱”という言葉にとらわれながらも、ギリギリのところで言葉を拠り所として生き延びている想いをピアノバラードで表現。一箇所、ふと聴こえてきた“ノイズ”に、本音が垣間見れたような気がした。ブレることない、ミオヤマザキの真骨頂の美しき名曲誕生だ。



つまらない世のJ-POPへのアンチテーゼ

 「ノイズ」でのアニメ・タイアップとなった『地獄少女 宵伽(よいのとぎ)』のアートワークがインパクトある『期間生産限定盤(地獄少女盤)』の2曲目に収録された「Que sera, sera」のハードコアなポップチューンも熱い。サビでのパワーワード「もしもボクが自殺したりしたら もしもボクが事故って死んだら ボクが生きていた事の証明?」が強く心に響きわたる。そして「幸せ必死に探してます 故、他人(ヒト)の不幸さえ願ってます」というフレーズから繋がった、35年前、BO?WY氷室京介が「MORAL」というナンバーで描いた人の二面性をテーマにしたフレーズとのシンクロニシティが個人的に感慨深い。ステレオタイプな応援歌に溢れる、つまらない世のJ-POPへのアンチテーゼとなる応援歌だ。



カルチャーとして表面化することは間違いない

 「Que sera, sera」同様に、ミオヤマザキのライブ・キラーチューン「水商売」、「ド・エ・ム」にも通じるアッパーチューンが「Dawn of the Felines」だ。さらに本作シングルには「ノイズ」のヴァージョン違いなど、様々なアプローチも垣間見える。CDが売れない時代、作品性を通じていかにアーティスト・パワーをリスナーへ届けるか? そんな強い想いを4人組バンド、ミオヤマザキはチャレンジし続けている。その結果が、今年カルチャーとして表面化することは間違いないだろう。

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】




ミオヤマザキ7/12発売シングル「ノイズ」集中連載(全3回)

tag一覧 シングル ミオヤマザキ

リリース情報

ノイズ

ノイズ

2017年07月12日

EPIC Records Japan

1.ノイズ
2.鬱鬱
3. Dawn of the Felines

お知らせ

■ライブ情報

ミオヤマザキ2017全国ワンマンツアー「Contagion」
10/29(日) 柏PALOOZA
11/04(土) 仙台MACANA
11/11(土) 北海道Sound lab mole
11/19(日) 金沢vanvan V4
11/23(祝木) 大阪UNIVERSE
11/25(土) 福岡DRUM Be-1
11/26(日) 岡山CRAZY MAMA 2nd room
12/01(金) 名古屋E.L.L
12/10(日) 渋谷TSUTAYA O-EAST -FINAL-


SOGO TOKYO presents POP in the DARK ~真夏の夜のサンカクカンケイ~
07/14(金) 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

SUMMER SONIC 2017
08/19(土) 幕張メッセ

persented by ミオヤマザキ「ミオフェス 番外編~夏休み最後の日曜日~」
08/27(日) 赤坂BLITZ

Bands Shock REVOLUTION~びじゅある祭~
10/06(金) 服部緑地野外音楽堂

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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