あいみょん 切なさを感じる青春の片思いが滲むラブソング「君はロックを聴かない」

あいみょん | 2017.08.02

 昨年、Warner Music Japan内のレーベルunBORDEからデビューし、「生きていたんだよな」、「愛を伝えたいだとか」と、強烈なインパクトを放つ楽曲をリリースしてきたあいみょん。今年はすでにたくさんのライブイベントにも出演し、その圧倒的なパフォーマンス力と存在感でオーディエンスの心を掴みまくっている注目のシンガーソングライターだ。そんな彼女の3rdシングル「君はロックを聴かない」が完成。どこか懐かしくて切なさを感じさせるイントロから始まる表題曲と、天才バンドのSundayカミデがプロデュースしたカップリング曲。<青春>をテーマに作り上げたという2曲について聞いた。

EMTG:デビューして3枚目のシングルですが、あらかじめどういう流れで展開していこうみたいなことは決めてあったんですか?
あいみょん:いや、全然。今回の曲は去年作って「いい曲できたなぁ」って自分でも思ってたんですけど(笑)、昨年の12月にあったドラムと2人編成のライブでまずやってみたんですよ。スタッフさんとかに聴いてほしかったから。その時の反応がよくて、3rdシングルにすることになったんです。
EMTG:そういう決め方、へんな言い方ですけど健全ですよね(笑)。
あいみょん:(笑)。もちろん1stも2ndも大好きな曲で自信はあるけど、自分から「この曲、めっちゃいいんです!」ってアピールしたのは初めてなんですよ。純粋にいい曲できたなと思ったし、みんなに聴いてもらえたらなって思ってたから。まさか立て続けにシングル3枚出すなんて思ってなかったけど、それぞれに違う特色があっていいなと思うし、この曲をシングルで出せることになったのもすごく嬉しいことやなって思ってます。
EMTG:3作それぞれの特色が鮮やかですよね。
あいみょん:1stシングルの「生きていたいんだよな」を出した時は、もう完全に生死を歌う人みたいな感じに思われてた気がします(笑)。でも私は生きるとか死ぬとかばかりを歌う人じゃないし、ひとつのジャンルにとらわれるわけじゃありませんって言いたかったのもあって、2ndシングルの「愛を伝えたいだとか」では打ち込みでやってみたりしたんです。最初は同じアーティストじゃないみたいってすごい言われましたけど(笑)、意外といい反応がいっぱい返ってきて、ラジオでもたくさんかかってよかったなと。安堵でした(笑)。
EMTG:そしてこの3枚目。ドラムと2人で始まったこの曲が、今回の形になる過程はどんな感じだったんですか?
あいみょん:アレンジはこれまでもずっとお願いしてきた方なんですけど、すごく信頼してるので、上がってくるのがただただ楽しみで。音源聴いた時、「あぁ、なんだろう、このちょっと懐かしい感じ!」って思いました。素晴らしいなって。レコーディングも素晴らしい方たちに今回も参加していただいてるんですけど、本当にハートフルなんですよ。みんなでゆっくり話しながら作っていきました。
EMTG:すごくいい環境で制作できてるんですね。
あいみょん:そうなんです。ちゃんと意見を飛ばしあえてる。今って、ひとりで全部できる人がすごいみたいなとこあるじゃないですか。アレンジも自分でやって、楽器も全部やってますみたいな。でも、私はそうじゃないと思ってて。私は作詞・作曲・歌をやってるけど、アレンジャーさんという音のプロがいるからこその化学反応が起きてるし、すごくいいなと思える音楽ができてると思ってるんです。もちろんひとりでやってみる良さもあると思うけど、誰かと作っていくこの感覚は忘れたくないなって思ってるんですよね。
EMTG:ではあいみょん自身が手がけている言葉の面ですが、今回もまたインパクトあるタイトルを持ってきましたね。
あいみょん:「君はロックを聴かない」(笑)。
EMTG:でも曲の中では「ロック“なんか”聴かない」って言ってて。
あいみょん:ロックなんかって、ロックに失礼な感じですよね(笑)。でもここでは、「君がロックなんて聴かへんことわかってるけど」って言ってる「僕」が、負け腰になりながらも「僕が好きなロックを君にも聴いてほしいんだ」ってことを歌ってるんです。タイトルでは言い切っちゃってるけど、曲の中では「それは知っているんだけど、でも」っていう風に繋がっていくストーリーにしたかったんで「ロックなんて」って言い方にしたんですよね。
EMTG:そもそもどういうきっかけで生まれたんですか?
あいみょん:なんでそこからやねんって思われるかもしれないですけど、<<僕の心臓のBPMは190になったぞ>>って詞が浮かんだからなんです。BPMって言葉を知ってるってことは、音楽がすごく好きな男の子だなって像が浮かんで、BPMが190ってすごい速いけど、それぐらいの速さになる心臓って何かにときめいてる時だろうから、ラブソングだなって感じで。そこに、ロックを絡めた曲にしていこうって思ったんです。
EMTG:なるほど。
あいみょん:ラブソング……なんだけど、くすぐったい青春の音とか匂いとかを、恋愛っていうテーマに乗せた感じですね。今回のシングルは青春がテーマなんです。ラブソングっていうとちょっと大人やし、いやらしい感じがするんですけど(笑)、もっと小さな、ひと夏のちっちゃい恋の唄みたいな言い方かな。結構曖昧にはしてるんですよ。そもそもこの2人はひっついてんのか友達同士なのか、とか。それがある意味青春なのかなとも思うんで。
EMTG:好きな曲を聴かせたいって気持ち、いいですよね。グッときます。
あいみょん:いいなと思った音楽って、誰かと共有したくなるじゃないですか。それが友達であっても、家族であっても。そこで「いいね」って言ってもらえたら、なんかすごく距離が縮まった気がするから。この男の子はそれを求めてる感じですね。ロックっていう手を使って。
EMTG:カップリングの「青春と青春と青春」も、タイトルのセンスがずば抜けてます(笑)。
あいみょん:これは「夢」と「現実」と「理想」なんです。夢見ることも青春だし、理想を描き続けることも青春。そして現実も青春だっていう。私が西宮に住んでた時って、この時期の夕方になると、だいたいどこかの家からサバの煮付けかカレーの匂いがしてたんですよ。今もそういう匂いがすると、一気に家族に会いたくなる。誰かに会いたくなるなんて、そんな気持ちにさせる夏独特の感じってなんなんやろってところから作りました。
EMTG:サウンドプロデュースしたのは、Sundayカミデさん。
あいみょん:私と同じunBORDE所属の天才バンドのSundayカミデさんです。私はもともと天才バンドが大好きだったし、Sundayさんはサウンドプロデュースするのが人生初だったらしくて、お互いめちゃくちゃ新鮮な感じでした。ちょっと海を感じさせるようなイントロとか、鍵盤を使った優しいイメージのサウンドって私の曲では珍しいから、「お!これがSunday節やな」って感じで作っていきましたね。
EMTG:新しい化学反応を楽しめたんですね。今後どんな曲が生まれてくるかも楽しみです。
あいみょん:なんかようやく、音楽と私生活のバランスが取れてきたんです。「生きていたんだよな」の時は、メジャーデビューやし、しっかりせなあかんし、曲作りもせなあかんっていっぱいいっぱいやったけど、今は制作しながらも息抜きできるようになって。新しい曲もいろいろできてきてるんで、楽しみにしててください。
EMTG:秋には、大阪と東京で行われるTOUR2017「excitement of youth」も!
あいみょん:ワンマン、初めてなんですよ。友達や家族しかいない場所でやっても広がらへんなって突っ張ってた部分もあったけど(笑)、ちゃんとシングルとかリリースをして、音源とはまた違う良さをもったものを聴きに来てくださいねって言いたかったので、このタイミングで、こういう広さの場所で実現できることがすごく嬉しいです。負けず嫌いなんで、「うわ、unBORDEにヤバいやつおる!」ってビビらせるようなライブをやって、次に繋いでいきたいなと思ってます。

【取材・文:山田邦子】

tag一覧 シングル 女性ボーカル あいみょん

リリース情報

君はロックを聴かない

君はロックを聴かない

2017年08月02日

Lastrum Music Entertainment

1. 君はロックを聴かない
2. 青春と青春と青春
3. 君はロックを聴かない(Instrumental)

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

TOUR2017「excitement of youth」
10/14(土) 心斎橋Music Club JANUS
10/28(土) 渋谷WWW X


TREASURE05X 2017
ELL 40th ANNIVERSARY SPECIAL
-LEGENDARY SOULS-

08/13(日) 名古屋ELL/ell.FITS ALL/ell.SIZE

サンクリ夏休み特別企画
「RockSteady’17 -HIRABI NO HATCH-」

08/17(木) なんばHatch

MY FIRST STORY ’’MMA’’ TOUR 2017
09/16(土) Zepp Osaka Bayside

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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