ゆびィンタビュー vol.12 FAITH
ゆびィンタビュー | 2019.04.17
PROFILE
FAITH
長野県伊那市発の平均年齢19歳の5人組バンド、FAITH。全国の10代アーティストが競う2017年の夏フェス『未確認フェスティバル』でファイナリストに選ばれる。メンバー中、3人がハーフの多国籍バンドである彼らが「人種」や「性別」、「国境」の境界を越えていきたいとの思いを込めてリリースした1stミニアルバム『2×3 BORDER』は好評で、Apple Musicの今最も注目すべき新人アーティスト作品に選ばれるなど、多方面から注目されている。2nd EP『Yellow Road』はそんな彼らの今後が楽しみになる前向きな1枚に仕上がった。今月21日にはバンドにとって初となるワンマン・ライブを地元・伊那GRAMHOUSEにて開催し、"On The Way Home Tour"と題した全国8か所の初ツアーも決定している。
- 去年、1stミニアルバム「UN」をリリースして以降の活動を振り返ってみてどうですか?
-
アカリ ドリチュラー
あれからまだ1年も経ってないけど、地元の伊那から上京してライブの本数も増えたしライブをするたびに自分たちの成長を感じられてるから、よくなってきてると思います。アカリ ドリチュラー
今回の「Yellow Road」も今まで以上に自分たちのやりたいことを詰め込めたし、作品全体で気に入ってます。- ていうか、皆さん上京したんですね。
アカリ ドリチュラー
ドラムのルカが4月に上京して、他の4人は去年の今頃から東京にいます。- おお。東京はどうですか?
アカリ ドリチュラー
東京、楽しいです! なんでもあるし。アカリ ドリチュラー
実家にいたときは車がないと移動ができなかったし、駅は遠いし、電車の本数も少ないし、って感じで学校帰りにやることなんてファミレスに行くぐらいしかなかったんですけど、こっちに来たらなんでもあるから、楽しすぎちゃって。- 遊びすぎてバンドがおろそかになってないですか?(笑)
アカリ ドリチュラー
なってない!……と思います(笑)。- さっき、「成長を感じる」って言ってたけど、何か意識が変わるような出来事ってありました?
アカリ ドリチュラー
メンバーが車を運転できるようになったんですよ。アカリ ドリチュラー
ギターのヤジマとコバヤシが交代で運転してるんですけど、九州とか四国みたいに遠いところまで行くときでも2人だけで運転してくれるので、それがすごいなって。- ああ、大変ですよね、運転は。
アカリ ドリチュラー
だから、そういう音楽以外のことも含めて尊敬し合えるようになったし、今、メンバー同士がすごく仲いいから、意識が変わってきたと思います。- 車の助手席に乗る人は運転手の話し相手にならないといけないんですよ?
アカリ ドリチュラー
そうなんですよね!結局、寝ちゃうんですけど……(笑)。- ダメじゃないですか(笑)。
アカリ ドリチュラー
ベースの藤子なんて助手席に乗ってしばらくしたら、すぐに落ちてますよ(笑)。アカリ ドリチュラー
でも、2人とも「それでもいいよ。気持ちだけでいい」って言ってくれるんですよね。- へぇ~。ちなみに、FAITHの他のメンバーってどういう性格なんですか?
アカリ ドリチュラー
まず、ギターのヤジマはしっかりはしてます。だけど、たまに抜けてるところがあって、頭が回らなくなると壊れてくる。メンバーの中で一番頭いいはずなのにどっかポンコツなんですよね。- あはは(笑)。
アカリ ドリチュラー
でも、バンドのことをいろいろ決めてくれます。あと、ギター上手くて、ライブでの見せ方もわかってますね。- じゃあ、もう一人のギター、コバヤシさんは?
アカリ ドリチュラー
コバヤシはルカの次ぐらいにポンコツなんですよ。だけど、すごくいい奴で大好き!アカリ ドリチュラー
考え方もしっかりしてるし、ちゃんと自分の意見を持ってるんですよ。バンドのことで困ったことがあるときにコバヤシに相談すれば「俺はこう思ってるよ」って言ってくれるから、ちゃんとした話し合いになるんですよね。アカリ ドリチュラー
あと、コバヤシは機材オタク。今はギターの技術を上げてくって言ってすごくがんばってます。- ドラムのルカさんは?
アカリ ドリチュラー
ルカも本当にポンコツなんですけど、ってポンコツ言い過ぎか(笑)みんな大好きですよ!ルカは超やさしい奴で、怒ってるところを見たことがない。- 彼は穏やかですよね。
アカリ ドリチュラー
そうなんです。ルカはみんなの味方だし、誰も敵に回さない。一番年下だけど、一番しっかりしてます。アカリ ドリチュラー
あと、ドラムが上手い!- 最後、ベースの藤子さんは?
アカリ ドリチュラー
藤子はめちゃくちゃ真っ直ぐで、曲がったことが嫌いなんですよ。アカリ ドリチュラー
例えば、私と藤子がお互いモヤモヤしてる時、何も言い出せなくてだんだん雰囲気が悪くなってくると、だいたい藤子のほうから問題を解決しようと話しかけてくれるんですよ。- へぇ~。
アカリ ドリチュラー
あとはめちゃくちゃがんばり屋さんで、ベース始めるのが他のメンバーより後だったこともあってすごく練習してるし、どんどん上手くなってる。本当に努力家だと思います。- 去年の「UN」のリリース以降、自分たちはどういう作品を作るべきだと考えてましたか?
アカリ ドリチュラー
そうやって言われると、考えたことないかも(笑)。アカリ ドリチュラー
「うちららしいものを」っていうことしか考えてなくて。だから、「CDを出すから曲作ろう」っていうことがまだなくて、自分たちの作りたいように作った曲をそのまま作品に入れてきてます。- じゃあ、今回の「Yellow Road」は、FAITHの素の姿がそのまま出てるんですね。
アカリ ドリチュラー
そういうことですね。今の自分たちがやってることがそのまま出てると思います。- 「Yellow Road」は全体的に雰囲気が前作から変わってますよね。
アカリ ドリチュラー
確かに。大人になったのかな?(笑)アカリ ドリチュラー
レコーディングにも慣れてきて、「こういうふうに歌いたい」っていう欲も初めて出てきたんですよね。- そうなんだ。
アカリ ドリチュラー
あと、今回は曲によってプロデューサーさんや、歌詞の文法とか言い回しをアドバイスしてくれる人がいたので、いろいろ相談できてやりやすかったし、楽しくできました。- それはよかった。前作「UN」の歌詞って“私”と“あなた”を描いたものが多かったと思うんですけど、今作はそうじゃないですよね。例えば、「CHAMP」とか。
アカリ ドリチュラー
そうですね。「CHAMP」はMoto3の佐々木歩夢選手とのコラボ曲で彼のことを歌ってるんですけど、この曲を聴いてくれる人の背中も押せるようなものになればいいなと思って。- なるほど。この曲も含めて、今作で歌詞の世界観が広がった感じがします。しかも、今回は前作ほど怒ってないし。
アカリ ドリチュラー
(笑)たぶん、今回は歌詞を書くときに怒る元気が残ってなかったんでしょうね(笑)。でも、4曲目の「This is My Life」では怒ってますよ!- 確かに。
アカリ ドリチュラー
まあでも、「CHAMP」「Yellow Road」「Free」はハッピーな感じ。私、年が明けてから謎にポップな人間になっちゃって、あまり悩まなくなったんですよ。アカリ ドリチュラー
「もう、なんでも楽しい!」みたいな。それで自然とハッピーな曲が増えたんだと思います。大人になったのかな?- へぇ~。
アカリ ドリチュラー
だから、歌詞の内容は書いてる時期によるんだと思います。今回はたまたまそんな怒ってなかったけど、もしかしたら次の作品は全曲怒ってるかもしれない(笑)。- あはは!
アカリ ドリチュラー
普段はそんなに怒らないんだけどなあ(笑)。でも、怒りは曲にしたほうが楽だし、スッキリするんですよね。歌詞にすることで落ち着いてるのかもしれない。- なるほどね。
あと、今作は全体的にメロディがよくなってますよね。
そういう自覚はないですか? アカリ ドリチュラー
自分的にはずっと同じ感覚なのでよくわからないですね。けど嬉しい!- 歌メロはアカリさんが乗せてるんですか?
アカリ ドリチュラー
そうです。- 僕は「Yellow Road」がいちばん好きです。
アカリ ドリチュラー
あれは突然できた曲なんですよ。去年の春ルカ以外の4人が上京して、初めてスタジオに入った時。アカリ ドリチュラー
オケを聴きながらその場で歌詞を書いて歌ったら、「これ、めっちゃよくね?」ってなって、そこから作り込んでいった曲。アカリ ドリチュラー
だから、最初の時点でもうメロディがほぼ決まってたんですよ。曲作りって、変に考え込むよりもパッとできたヤツのほうがよかったりしますね。- ああ、わかるわかる。いい曲ってそういうものですよね。
ちなみに、この曲の歌詞は「オズの魔法使い」からインスピレーションを? アカリ ドリチュラー
そうです。CDジャケットもそれをイメージしていて。-
アカリ ドリチュラー
「オズの魔法使い」はめちゃめちゃ好きで。小学校の頃にキッズミュージカルに何回か参加して、そこでいつもやってたんですよ。アカリ ドリチュラー
で、上京したばかりの頃に「家に帰りたい」って思った気持ちが「オズの魔法使い」と似てたから、「この気持ちをオズに重ねたら面白いことになるんじゃないかな」と思って。- 「Stargazer」もこれまでにない雰囲気の曲で好きです。
アカリ ドリチュラー
この曲は失恋ソングなので、曲の雰囲気に合わせていつもと違って静かめに歌おうと思って。いい具合に力を抜いてみたらそれがめっちゃハマって。- へぇ~。演奏も今までになくリラックスした感じですよね。しかも、いつもの渋いアレンジとは違って、おしゃれな感じに仕上がってて。
アカリ ドリチュラー
これは楽器隊がレコスタの灯りを消して演奏を録ったらしいんですよ。暗い中でみんなの雰囲気を感じながら録ったらめっちゃよかったみたいで。アカリ ドリチュラー
そうやってセッションみたいな感覚で録るのもたまにはいいのかも。- 4月21日に地元の長野県伊那で初のワンマンライブがありますね。
アカリ ドリチュラー
ですね!私、体力持つかな…!(笑)アカリ ドリチュラー
でも、ワンマンはずっと伊那でやりたかったし、ルカも高校を卒業してついに高校生がいないバンドになるから、これがいいタイミングなのかなって。- あとは、初のレコ発ツアーもあります。
チャレンジですね。 アカリ ドリチュラー
チャレンジですね~!今年、めっちゃ初めてづくし!- 今年の目標は?
アカリ ドリチュラー
そうですねえ……。アカリ ドリチュラー
今年が終わるまでには、東京でやる公演はどこでもソールドしたいですね。!- そのためにはどうしましょうか。
アカリ ドリチュラー
進化し続けてがんばる。アカリ ドリチュラー
「がんばる」ってマジ頭悪そう!(笑)- あはは!
アカリ ドリチュラー
でも、ほかには何もできないし、マジがんばるしかないじゃないですか!- わかりますよ(笑)。
アカリ ドリチュラー
それで、5人で足並み揃えて、お客さんに向けて自分たちの一番いい姿をステージで見せられたらいいんだろうなって思います。アカリ ドリチュラー
「今日は本当にひどかった」っていうライブがないようにしたいし、全てのライブに万全の状態で臨みたいです!- なるほど、期待してます。
【取材・文:阿刀 “DA” 大志】
リリース情報
Yellow Road
2019年04月10日
BORDER-LESS RECORDS
2 Yellow Road
3 Stargazer
4 This is My Life
5 Free
お知らせ
アカリ ドリチュラー(Vo)
シールエクステ 外し方
昨日の夜、友達とビデオ通話してる時に「痛い!痛い!痛い!」って言いながらシールエクステを外してたんですけど、検索したらベビーオイルぬって剥がすって出てきて。ただ、ベビーオイルが売ってなくて困りました。そのまま剥がしました(笑)。
■ライブ情報
2nd EP「Yellow Road」Release Tour
『On The Way Home Tour』
5/12(日)大阪SOCORE FACTORY
5/19(日)京都GATTACA
5/26(日)札幌SPIRITUAL LOUNGE
6/8(土)水戸LIGHT HOUSE
6/15(土)新栄RAD SEVEN
6/16(日)松本ALECX
6/23(日)仙台enn 3rd
7/17(水)東京TSUTAYA O-Crest
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。