KEYTALKの漲るエネルギーと止まらない進化が詰め込まれた、6thアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』完成!【前編】
KEYTALK | 2019.11.07
所属レコード会社を移籍した後の第1弾作品となったシングル「BUBBLE-GUM MAGIC」を皮切りに、配信で次々と届けられた新曲は、KEYTALKの溢れまくる創作意欲を存分に示していたが、こうして完成した6thアルバム『DON’T STOP THE MUSIC』に漲っているエネルギーも猛烈に熱い。メンバー各々の個性が炸裂していると同時に、メロディや歌の良さが、鮮やかに浮き彫りされている作品だ。聴きどころが満載の今作についてのインタビューを、前編と後編に分けてお届けする。前編でもメンバーたちは大いにふざけているが、音楽面での真面目さを随所でしっかりと感じられると思う。
- EMTG:ものすごい勢いの良さを感じるアルバムです。どういう1枚にしたいと思っていました?
- 首藤義勝(Vo/Ba):テーマはなかったんですけど、メンバー各自が「より良いものを」というものを持ち寄って、その結果、勢いのある作品になったのかなと思います。
- EMTG:義勝さんも作詞作曲で大活躍ですからね。
- 首藤:全然です。本当は作ってないんで。
- 寺中友将(Vo/Gt):実は、ゴーストライターが作ってるんですよ。
- EMTG:えええっ! そうだったんですかー! ……とか、インタビューが始まって早々、ホラはやめてください(笑)。
- 全員:(爆笑)。
- EMTG:で、巨匠は今回のアルバムに関して、どんなことを感じています?
- 寺中:今回の曲は、たくさんタイアップのお話をいただいたんです。お話をいただく度に曲を作ってレコーディングをするっていう流れの中で、1曲1曲のアレンジをみんなで詰めていけたのが、すごく良くて。だから、KEYTALKの良さが全体を通して伝わりやすいアルバムになったのかなと思ってます。
- EMTG:タイアップの度に曲を作って仕上げていったということは、制作期間は結構長かったんでしょうか?
- 寺中:はい。「BUBBLE-GUM MAGIC」から始まって、半年くらいでしたね。
- 八木優樹(Dr/Cho):「BUBBLE-GUM MAGIC」のレコーディングをした時には、まだアルバムの全貌は見えてなかったんです。でも、この曲からスタートを切れたのが、すごく良かったと思ってます。「新しくスタートするぞ!」っていう曲ですから、アルバム制作に向けての意欲、やる気が高まっていました。
- 小野武正(Gt/MC/Cho):レコード会社を移籍して、「より多くの人にKEYTALKの音楽を届けたい」という気持ちになっていて、そこから生まれたのが「BUBBLE-GUM MAGIC」なんです。だから、その後に作ったいろんな曲も、普段、バンドの音楽を聴かない人にも楽しんでもらえるものになったと思います。
- EMTG:アルバムタイトルの『DON’T STOP THE MUSIC』は、「BUBBLE-GUM MAGIC」の歌詞から取ったんでしょうか?
- 首藤:はい。「BUBBLE-GUM MAGIC」は、歌詞的にも今の僕らにどこかリンクするものがある曲ですし、その中で出てくる《DON’T STOP THE MUSIC》というワードは、アルバムタイトルとしてもハマりがいいなと思ったんです。
- EMTG:このアルバムに関して、僕は最初に勢いの良さがあると言いましたが、1曲目の「DE’DEVIL DANCER」が、まさにそうなんですよね。「持ってる火薬を全部爆発させました!」みたいな感じじゃないですか。
- 八木:初っ端で、どかーん!ですよね。
- 首藤:この曲のテーマは、「自由」っていう感じで、たしかにおっしゃる通り、火薬を全部使ったようなイメージです(笑)。作曲は僕ですけど、「好きにやってよ」って任せた時ほど、みんなはすごいフレーズを鳴らしてくれるんです。その最たる例が、この曲ですね。
- EMTG:KEYTALKは、みんな凄腕のプレイヤーですし、変に譲り合わずにやりたいように音を鳴らしても、曲としてかっこよく成立させることができてしまうバンドであるというのは、僕も常々感じていることです。
- 首藤:そういうバランスみたいなのは、どんどんとれるようになってますし、「それは違う」っていうことも言い合える間柄なので、アレンジで行き詰まるということはないんですよ。
- EMTG:義勝さんと巨匠のツインボーカルのコンビネーションも、ますます勢いが出てきていますね。
- 首藤:僕と巨匠の歌い分けに勢いをつけてくれるのは、実は歌ってない武正くんや八木くんだったりするんです。このふたりが鳴らす音から客観的なヒントのようなものをもらえるので。この4人の編成の面白さは、最近、どんどん感じるようになってます。
- EMTG:僕は八木さんを「ハイハットの魔術師」、武正さんを「SGの悪魔(武正が愛用しているギターは、ギブソンSGスタンダード)」と常々呼んでいますが、今回もいい仕事をしていますね。
- 首藤:KEYTALKは、魔術師と悪魔がいるバンドなんですよね(笑)。
- EMTG:例えば武正さんって、猛烈に弾きまくりますけど、ちゃんと曲の良さを引き出して、歌もばっちり支えているのがすごいです。
- 小野:今回も好き勝手やっております(笑)。かなり弾きまくっている節(ふし)はありますが。
- EMTG:「好き勝手弾いても、成立させちゃう俺ってすごい」みたいな自負はあります?
- 小野:そうですね。その節はあります。
- 首藤:「その節はあります」って、何回言うんだよ!(笑)。
- EMTG:(笑)。それぞれが自由にやりつつも、ちゃんと曲がかっこいいところに着地するKEYTALKのすごさを、巨匠もどんどん自覚するようになっているんじゃないですか?
- 寺中:そうですね。その節はあります。
- 八木:また節だ……。
- 寺中:僕らは「せーの!」で録るので、他のパートをお互いにちゃんと聴きながらやってるんですよ。ほんとに100%どっかんどっかんやり合ったら、めちゃくちゃになっちゃいますからね。
- EMTG:「DE’DEVIL DANCER」のものすごいエネルギーも、そういう絶妙なバランスを確立しているみなさんだからこそ生まれているんだと思います。
- 八木:この曲って、悪魔が召喚されるミサみたいですよね。まあ、うちには悪魔がいるんで。
- 小野:SGの悪魔、小野武正です(笑)。
- EMTG:(笑)。今回のアルバムは、サマーチューンが多いという印象もありますが、これは『KEYTALK 真夏の祭典 4連発 ~ハラハラドキドキ FRIDAY~』で、「真夏の衝動」「旋律の迷宮」「ブルーハワイ」「Catch The Wave」を、8月の毎週金曜日に配信したからというのもあるんですかね?
- 首藤:そうですね。そういう節はあるかもしれません。
- 八木:僕らの節として、夏の曲がやっぱり多いんです。
- 寺中:「僕らの節として」って、どういう意味だよ!(笑)。
- 八木:メンバーに夏好きが多いので、夏の曲がよく出てくる節はあります。
- 首藤:みんなふざけすぎ(笑)。
- EMTG:(笑)。巨匠が作詞作曲をした「真夏の衝動」は、ちょっとエッチな要素も入っていますよね?
- 寺中:はい(笑)。前の曲だと「MATSURI BAYASHI」もそういう感じだったんですけど、あれは中学生くらいの感じで、「真夏の衝動」は、もっと大人な感じです。
- EMTG:「ブルーハワイ」は、まさに義勝さんらしい胸がキュンとするタイプのメロディですけど、こういう曲でも武正さんの華麗なギターソロがバッチリとハマっていて、とても気持ちいいです。
- 小野:今回、全体的に「ギターの方向に振り切ったソロ」みたいなのを、結構意識的に弾いています。今までは「歌える」とか「メロディアス」とか「キャッチー」というのを考えて、ギターじゃなくてもできるソロみたいな感じだったんですけど、今回はギターじゃなきゃ表現できない衝動的なニュアンスとか、かっこよさを詰め込められているんじゃないかなと思います。
- EMTG:そうなった理由は?
- 小野:なんでしょう? 「ギタリストたるもの、ギターでしかできないことを追求するのもいいよな」っていうモードだったんです。そういえば、15年ぶりにギターも買ったんですよ。いつも弾いてる黒いSGは15年使っていて、あれは悪魔感があるんですけど、今度は白いSGカスタムの1961年製です。今回のアルバムは、それで4曲くらい弾いてます。
- 八木:今度は白いから天使?
- 小野:今度は、どうしましょう?
- EMTG:「白魔術の悪魔」とか?
- 八木:僕はハイハットの魔術師ですから、魔術かぶり(笑)。
【取材・文:田中 大】
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リリース情報
DON’T STOP THE MUSIC
2019年11月06日
ユニバーサルミュージック
01.DE’DEVIL DANCER
02.真夏の衝動
03.BUBBLE-GUM MAGIC
04.アカネ・ワルツ
05.ララ・ラプソディー
06.ブルーハワイ
07.Catch The Wave
08.旋律の迷宮
09.DROP2
10.COMPLEX MANIA
11.桜色の街へ
12.少年
02.真夏の衝動
03.BUBBLE-GUM MAGIC
04.アカネ・ワルツ
05.ララ・ラプソディー
06.ブルーハワイ
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