POPCORN Olympic 2020 出演BANDスペシャル対談 第一弾!

POPCORN Olympic 2020 | 2020.04.17

 CAFFEINE BOMB RECORDSの社畜椎橋健一主宰の個人イベント「POPCORN Olympic 2020」が、7月28日から7月31日までの4日間に渡り、F.A.D YOKOHAMAとKT Zepp Yokohamaの二ヵ所で行われる。Fanplus Musicでは、各開催日ごとの出演バンドと、主催者である椎橋氏を踏まえての対談を4回に渡って敢行!第一弾となる今回は、NUBOからtommy(Vo)と一成(Vo)、SABANNAMANから吉田涼(Vo)、Alaska Jamから森心言(Vo)と小野武正(Gt)を迎えて、F.A.Dを盛り上げてきたPOPCORNというイベントが、なぜこのタイミングで拡大版として行われるのか?横浜という場所は、バンドマンの目にどう映っているのか?そして、今も現在進行形で続いている「ライブ自粛」という過酷な状況をどう感じているのか?という、今だからこそ訊けるリアルな想いを訊いた。  

※取材日:2020年3月11日


  • 椎橋さんがF.A.D YOKOHAMAで「POPCORN」というイベントを始めたきっかけは?
  • 椎橋

    LACCO TOWERのリリースツアーのサポートがきっかけではあったんですけど、全部ノリだったんで、こんなに続くものだと思ってなかったです。その後に友達のバンドを集めてやったのが最初ですね。その中にback numberがいるっていうのもドラマがありますよね。3回目くらいまでは出たいって言ってくれるバンドがいてやってたんですけど、そうするとイベントが広がっていくじゃないですか?そこから面識のなかった当時の若い子たちも出たいって言ってくれ始めて、気付いたら10年経ってたという感じです。
  • それまでタイトに続けていたPOPCORNですが、2011年頃を境に開催期間が空いていますね。これは何かあったんですか?
  • 椎橋

    これの原因はめちゃくちゃあるんです。元々F.A.Dでブッキングをやっていた、今は下北沢SHELTERの店長をやっている義村っていう奴がいるんですけど、彼と一緒に始めたイベントでもあるので、彼の退社をキッカケに少なくなっていきました。F.A.Dのブッキングの人にもお願いはされたんですけど仕事が忙しくてなかなかできなくて、たまにやってもみんなPOPCORNというイベントのことを忘れているから、本当にしょうもないことしていたんですよ。お客さんより出演者の方が多い、ただの飲み会的な。それでも続いていきつつ、F.A.Dが20周年を迎えたタイミングでTOTALFATとKEYTALKの2マンを企画して、その辺りからまた調子乗ってやるようになりました。
  • NUBOは過去2回、Alaska Jamは過去1回POPCORNには出演したことがあって、SABANNAMANは初出演ということですが、椎橋さんとの想い出や、イベントへの思い入れはありますか?
  • 小野

    健一さんとはKEYTALKとしての縁が深くて、前身バンドのrealの時に下北沢ERAで出会って、それからのお付き合いですね。僕個人としては、POPCORNは10年近くお世話になっている人のイベントです。だから、この記念すべきタイミングで声を掛けてもらえたのは嬉しい限りですね。
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  • 2017年にAlaska Jamとして初めて出させて頂いた時が、僕ら自身も久し振りに横浜でライブをしたということもあって、すごく嬉しかったです。その時の対バンが初めて一緒にやらせてもらうバンドばかりだったんですけど、POPCORNというイベントならではのグルーヴも高まっているなと感じましたし、熱さを強く感じました。
  • tommy

    椎橋は同い年で地元も一緒という親友ですね。今のこの関係も、POPCORNに出たことがきっかけで仲良くなったから、という感じはあります。今の関係になるきっかけのイベントだったという位置付けというか、その後も椎橋は僕らのバンドの手伝いをしてくれて、そういう意味ではとても大事なイベントだなと思います。
  • 椎橋

    NUBOは人気あったんですよ。もちろんその前から知っていたんですけど、あの頃の彼らはツアーのライブがほとんどだったので、「捕まえてみたい!」という気持ちもあって、イベントに誘ったんです。ライブがとにかくカッコ良かったので。
  • 一成

    なんで過去形なの?
  • 全員

    (笑)
  • 椎橋

    なんでそこに食らいついてんだよ!(笑)意味深になっちゃうだろ(笑)
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  • 一成

    椎橋とは、夜中に電話が掛かってきて「近くのラーメン屋にいるから来いよ!」とか言ってくる仲ですけど、この人はバンドをすごく愛しているなぁと思います。
  • 吉田

    俺らが椎橋さんと出会ったのは、F.A.Dでやってる爆裂F.A.Dという年末のイベントに出してもらった時ですね。
  • 椎橋

    SABANNAMANは、なんかカッコ良かったんですよ。STOMPIN’BIRDのYASUさんが「ヤバいバンドが爆裂に出る」と言っていて、観たらバケモンみたいなバンドで、やだなぁと思いました。でも、やっている音楽があんな感じだからすげぇチャラい奴らかと思ったら、全員超低姿勢でびっくりしました。バンドって最初が格好良くてもライブが悪くなったりするのに、SABANNAMANは今でもずっと格好良いんですよね。でも最近さ、ロンTとかネルシャツ着てライブしてない?長袖を着てライブしてるのがすげぇ嫌なんだよな。
  • 吉田

    え!?半袖短パンじゃなきゃダメっすか?それはもう歳のせいですよ、俺ももう30近くですもん。
  • このメンツで初めての3マンということですが、どういうライブにしたいですか?
  • 小野

    ジャンルで言えば繋がらないかもしれないですけど、通ずるところもあると思っているので、濃い一日になるんじゃないかなと思います。
  • tommy

    大きな違和感がないですよね。繋がってそうで繋がっていないところを繋げるところが椎橋らしいというか、彼が組むイベントにはそういうところがあるなと昔から思っていて。NUBOとSABANNAMANの2マンだと普通だし、NUBOとAlaska Jamだと唐突すぎるし、この3バンドだから繋がるなぁと勝手に思っています。
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  • 椎橋

    この4日間の始まりの音をNUBOに鳴らしてもらうということは決めていたんです。だからトップバッターは最初から決まっていて、その次にKEYTALKが浮かんで、でも武正と一日でも多く居たいなと思ってAlaska Jamが浮かんで、NUBOと対バンにしたら面白いなと考えたんです。でも2バンドでやってもつまんねぇし、メロディックパンクバンドを当てても面白くないなと思った時に「SABANNAMANだ!」と考えが至った感じです。この3マンについては早い段階で決まりましたし、今までのPOPCORNというイベントには無かった色が出ているなと思います。まあ、まだ3マンか分からないですけど(笑)
  • 日程も4日間で、会場もF.A.DだけではなくKT Zepp Yokohamaの2会場で行われるということで、イベントとしても規模を大きくしていますが、その辺りは意図したところがあるんですか?
  • 椎橋

    単純にタイミングですね。今回入ってもらっているイベンターさんと飲んでいる時に、「一日じゃつまんないよね」っていう話になって、でもPOPCORNという冠でイベントを組むならF.A.Dはないがしろにできないよね、じゃあ間に別会場を挟んで4日やろうかっていう軽いノリで始めちゃってるんです。個人のイベンターって昔はいっぱいいたけど、今はそういう人たちがいなくなっちゃったじゃないですか?個人で好きなバンドを呼んで、ライブハウスにお金を払って、ってやっていても、確かに夢も希望にも仕事にもならないと思うんですよ。でもそれをバカみたいに10年以上続けていれば、こういうことができるんだよっていうことを提示したかったんです。HEY-SMITHの猪狩がバンドをやっていない子たちに「バンドやろうぜ!」って言うのと一緒で、楽器を持てない子がいたら「イベントやろうぜ!」ということを発信したかった、という後付けです。でも、今回のイベントの本質はそこですね。
  • 小野

    めちゃくちゃ感銘を受けますね。俺もイベントやろうかな。
  • 一成

    めちゃくちゃ楽器弾けんのに(笑)
  • 横浜という土地については、皆さんはどういう想いがありますか?
  • tommy

    育った街でもあるし、育ったライブハウスでもあるし、色んなバンドさんが持っているホームというのがNUBOでいう横浜なので、想い入れはもちろんありますよね。
  • 小野

    Alaska Jamも昔から横浜には縁がありますね。横浜Lizardで、最近話題のCORONAっていうバンドの企画に呼んでもらったりして…
  • 全員

    (笑)
  • 椎橋

    絡ませ方が上手いね(笑)
  • 小野

    (笑)。その時に泥酔して、目が覚めたら救急車だったなんてこともありましたね。その時の傷がまだ残ってます。
  • 椎橋

    横浜で失ったものを取り返しに来てるんでしょ?
  • 小野

    そうなんですよ(笑)。そういう意味でも想い出はありますね。交通の便の良さもあるんですけど、横浜って良い意味で独特な文化が出来上がっているように思います。言葉にすると難しいんですけど、ちょっとでもダメなライブをするとお客さんも媚びて盛り上がることもしないし、バンドとしては挑戦の場所のように思います。アンテナの高いお客さんが多いというか、常に最新のカッコいい音楽を知っているように思えるんです。だから、カッコいいライブには熱くなってくれるし、そうじゃなければサーッと引いていっちゃうっていう印象はありますね。
  • 一成

    カッコいい先輩バンドが多いし、それに憧れているバンドも多いからなのかな?と思います。ライブがカッコいいから観に来るっていう人が多いのかもしれない。
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  • tommy

    確かにウェルカムっていう雰囲気ではないかもしれないね。いいものが見たいって思っている人が多いのかな。
  • 吉田

    俺らも、住んでいる場所は違くても、ホームは横浜という感じなんですよね。一番出ているライブハウスがF.A.Dですし、全然関係ないのに年末のイベントに出させてもらったりして、先輩たちにも受け入れてもらって。SABANNAMANが今在るのは、横浜のおかげだと思っています。あと、ノルマで一番金払いました。
  • NUBOとSABANNAMANは横浜をホームにしているバンドとして、横浜のシーンについてどう感じていますか?
  • tommy

    僕らがバンド初めた頃の横浜の先輩っていうのは、背中で見せてくれる先輩が多くて、今の俺らも年下のバンドだから後輩だと思うことってないんですよ。SABANNAMANに関しても、後輩だと思ったことはぶっちゃけないですし。でも、それは僕らにとってもいい環境だと思っていますし、その為にはある程度“カッコいい”とお互い認め合えていなければ成り立たない文化だと思います。バンド同士にとっても、その関係性が一番健全なんじゃないかな。
  • 吉田

    確かに、横浜って縦がないんです。入っちゃったら「仲間」になるんですかね。もちろん年上だから先輩というのはあるんですけど、ライブをやったらあんまり関係ないというか、いいライブをしたらめっちゃ褒めてくれるし、ダメだったら何も言ってくれないし。だから、俺も先輩/後輩と思ったことはないですね。
  • tommy

    例えばSTOMPIN’BIRDという横浜の先輩がなぜ先輩と思われているかって、振る舞い方がどうこうではなく、ただ「カッコイイから」っていうことでしょ?
  • 吉田

    本当にそうっす。マジ面倒くさいことがなくて最高なんすよ。田舎って上下関係がかなりあるところが多いと思うんですけど、横浜ってないんですよね。東京もそうだとは思うんですけど、横浜は東京に比べるとバンドの数も少ないからこそ、バンド同士の距離が近いんです。
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  • Alaska Jamは、ホームというとどこになるんですか?
  • アラスカです。
  • 全員

    爆笑
  • 吉田

    そしたら俺らもサバンナだわ(笑)
  • 全員地元がバラバラなのでホームと呼べる場所はないんですけど、僕が横浜に抱いているイメージって、地元同士の繋がりが強くて、「この場所を盛り上げようぜ」というバイブスが高いっていうところなんですけど、そういうところがカッコいいなぁと思いますね。
  • 小野

    俺ら、一瞬「川崎を盛り上げよう」っていう時あったよな。
  • 全員

    爆笑
  • あったね。川崎のライブハウスを買い取ろうとしてたよな(笑)
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  • 新型ウイルスの影響でライブができなくなるという現状を踏まえて、今、改めてイベントやライブ、バンドをやるということについて考えたことはありますか?
  • 椎橋

    現時点では何も言えないですよね。考えてないと言えば嘘になりますが、とにかく早く終息してほしいです。
  • 小野

    僕らは自粛要請が出る瀬戸際のタイミングで、フリーライブだったということもあって決行したんですけど、もちろん注意喚起はして、来れない人用にYouTubeやインスタグラムで配信をしました。日に日に状況は悪化しているので心配ですね。でも、一番怖いのは、バンドがライブをできないこともそうなんですけど、お客さんがライブに行ったことによって学校や職場で非難されたり、引きずったりしてしまうことだと思っています。ライブに行っても、お客さんがその瞬間を楽しめないんじゃないか?と思うことが辛いです。
  • tommy

    やる側としても、お客さんが来て良かったと思えるかどうかが一番だと思いますね。僕らのバンドとしては、ちゃんと考えて出した結論に基づいてライブをやる/やらないという判断を下したのなら、どちらになってもそこに正解も不正解もないと思っていますし。まずは、考えることが大事だと思いますね。
  • 吉田

    難しいですよね。。。
  • tommy

    俺も八王子でのライブが決まってアナウンスした時、初めて親から連絡が来ました。だから、そういうパブリックイメージは現段階ではあるんだと思います。偶然ライブハウスでクラスターになったことが発覚して、そういったイメージがある中で、じゃあもう一回同じことがライブハウスで起きてしまったら?それが自分たちの下した決断の下で起こってしまったら?というリスクについてしっかりと考えた上で、やる/やらないを決めたらいいのかな、とは思いますね。なかなか答えを出すのは難しいですけどね。
  • 今はそういう状況でも、バンドは次のライブを、椎橋さんは7月にはPOPCORN Olympicを行うという強い気持ちで前向きに進んでらっしゃるんですよね。
  • 小野

    いつまでも止まっていてもしょうがないですし。今はこういう状況でも、必ず改善はしていくと思いますしね。
  • tommy

    僕らがライブを行うことで誰かに希望を見出してもらいたいという訳ではなく、僕らはずっとライブをやっていく、というやり方でしか未来はないと思っています。自分たちがライブをできると思える環境があるならライブをやるし、そうやって考えていきさえすれば、自ずと先は見えてくると思っているので、そういう意味ではすごくフラットなものだと捉えています。
  • 椎橋

    そもそも僕らがいるライブハウスという場所って、決して綺麗な所じゃないんです。そこに集まってるいる人は、みんな強いから大丈夫!くらいの気持ちですね。それくらいの気持ちでいないと、バンドもイベントもライブハウスもみんな辞めていっちゃうと思うんです。先の話は分からないですけどポジティブに考えていかないと。
  • 無事に開催されることを楽しみにしています。ありがとうございました!
  • 一成

    ありがとうございました!で、打ち上げ会場はどこですか?
  • 全員

    爆笑

【取材・文:峯岸利恵】

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■ライブ情報

POPCORN Olympic 2020
07/28(火) 神奈川 F.A.D YOKOHAMA
07/29(水) 神奈川 Zepp Yokohama KT
07/30(木) 神奈川 Zepp Yokohama KT
07/31(金) 神奈川 F.A.D YOKOHAMA

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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