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フジファブリック、3人体制での初の全国ツアー、その東京公演をレポート!

フジファブリック | 2012.01.09

 バンドの中心人物だった志村正彦(Vo.G)の急逝から約2年。悲しみは消えねど、彼らの音楽は求められ続け、あれから、志村の生前のデモを元に完成させた『MUSIC』、そして山内総一郎(G)がリードヴォーカルを務める3人体制で作り上げた『STAR』という2枚のアルバムが世に放たれた。そしてこのたび、3人体制での初めての全国ツアー「ホシデサルトパレードTOUR 2011」が行われた。
オーディエンスも関係者も多数詰めかける中、スモークに包まれた状態でメンバーが登場。そのまま1曲目の『STAR』がはじまった。顔は見えない。でも音は聴こえる。それは紛れもなくフジファブリックの音。夢と現実が甘酸っぱく混じり合う、このツアーに相応しいオープニングの演出だった。そして、徐々にスモークが剥がれ、サポートメンバーの刄田綴色(Dr)を含む、今のフジファブリックのライヴが露わになっていく。山内の歌声も、センターに立つ姿も違和感はない。かと言って、志村の影を無理に追い掛けているような感じもない。フジファブリックは、バンドとして強い存在感を持っていたのだということに、改めて気付かされた。会場も、3曲目の『夜明けのBEAT』の頃には、すっかりダンスフロアと化していた。

 基本的には『STAR』と『MUSIC』の収録曲が多めのセットリスト。そんな中に、『B.O.I.P.』、『地平線を越えて』といった、以前からの楽曲も織り交ぜて、イントロから歓声を沸き上がらせていく。特に『B.O.I.P.』では、山内のギターと金澤ダイスケ(Key)のキーボードが茶目っ気たっぷりにバトルする見せ場もあった。さらに、『STAR』収録曲からも、シンガロングが巻き起こった『Splash!!』をはじめとして、彼らの“今”がしっかり受け入れられていることが伝わってきた。
中盤からは、加藤慎一(B)による“加トーク”(謎掛けまで披露!)を含むMCを挟んで、アコースティックコーナーへ突入。途中には、金澤が完全受注生産で販売されたミニギター“FAB GUITAR”を取り出し、音を紹介しようとする過程で、堺すすむの『なんでか?フラメンコ』をもじって歌い弾く場面も(若い世代はわからなかったんじゃ!?)。メンバー全員で楽しませたい/楽しみたいという意思が見えて、温かい気持ちが胸に広がっていった。アコースティックナンバーも温かく、しみじみと聴き入っていたのだが、『君は炎天下』で「イエー!」と山内が煽ったりして、クライマックスに向けてじわじわと興奮を高めていく。そして「まだまだここから、飛ばしていきまーす!」という山内の言葉からは、『TEENAGER』、『アンダルシア』、『会いに』と畳み掛け、待ってましたの『虹』では、サビをオーディエンスが歌い上げる。それは、「ただいま」と「おかえり」というやり取りが聞こえてくるような、何とも感動的な光景だった。そして、「これからも休むことなく活動していこうと思います」という山内の宣言に長々と拍手が送られると、美しきバラード『ECHO』で本編は締め括られた。

 熱いアンコールに迎えられて、再びバンドが登場。小芝居調の(!?)グッズ紹介で和ませたかと思いきや、『星降る夜になったら』、『TAIFU』とアグレッシヴに疾走! 山内は背中でギターを弾き、金澤はフロアに背を向けて逆向きでキーボードを弾く。本編までは、何処か見守っている印象もあったオーディエンスも、タガが外れたように熱狂していく。そして、熱唱を終えた山内がバスドラからジャンプし、フィニッシュ。4人で手を繋いで頭を下げて、ステージを降りていった。
素晴らしいバンドとは生き物であり、何があっても血は巡り続けるのだ。そう教えられたようなライヴだった。山内は「来年ツアーとかもあるかもしれないんで」と言っていた。本当にこれからのフジファブリックも、楽しみだ。

【 取材・文:高橋美穂 】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル フジファブリック

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リリース情報

STAR

STAR

2011年09月21日

SMAR

1. Intro
2. STAR
3. スワン
4. ECHO
5. 理想型
6. Splash!!
7. アイランド
8. 君は炎天下
9. アンダルシア
10. Drop
11. パレード
12. cosmos

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セットリスト

  1. STAR
  2. 理想型
  3. 夜明けのBEAT
  4. スワン
  5. B.O.I.P.
  6. Splash!!
  7. 地平線を越えて
  8. パンチドランカー
  9. アイランド
  10. MUSIC
  11. Drop
  12. 君は炎天下
  13. パレード
  14. TEENAGER
  15. アンダルシア
  16. 会いに
  17. ECHO
  18. ENCORE
  19. 星降る夜になったら
  20. TAIFU

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