レビュー
フジファブリック | 2013.10.02
『FAB STEP』というタイトルにもコンセプチャルな方向性が表れているが、アルバム『VOYAGER』以来の新作は、初めてのダンスロックEP。
とは言え、バッキバキにダンサブルなナンバーだけではなく、とてもカラフルな仕上がりになっている。
1曲目「フラッシュダンス」のイントロから、ゴージャスなシンセが鳴り響き、どんな展開になるのか!? とドキドキしながら聴き進めていくと、葛藤混じりの歌詞が切々と歌われており、じっくり聴ける歌モノとしての側面も感じられる。また、ユーモラスな「バタアシParty Night」とクールな「Mystery Tour」では、電気グルーヴ関連の作品を数多く手掛けているサウンドエンジニアの渡部高士がレコーディング/ミックス/共同プロデュースで初参加。新たな魅力が引き出されている。
そして「しかたがないね」では、生々しい歌詞の匂いにニンマリ。歌詞、曲、アレンジ、サウンド、全てにおいて新たなフジファブリックが凝縮された一枚だ。
【文:高橋美穂】