Applicat Spectra、東京で初のワンマンライブを敢行!
Applicat Spectra | 2012.05.14
今年4月4日にアルバム『スペクタクル オーケストラ』でメジャーデビューを果たしたApplicat Spectra。ライブではDAW同期を使わず、フロントの3人がシンセや、パッド、そしてエレキやアコギの音をからませて、繊細で美しい楽曲を構築する注目のバンドである。その彼らが、アルバムリリース、メジャーデビューというタイミングを受け、東京と大阪でワンマンライブを開催した。さっそく東京公演(=渋谷WWW)でのレポートをお届けしよう。大阪でのワンマンは経験済みの彼らだが、東京ではこの日が初ワンマン。初ワンマンながら、チケットはソールドアウト! 期待の高さを裏付けることとなった。さて、開演時間となり、ステージを覆っていた幕が開くと……場内からは「おおっ!」と歓声があがる。ステージにはスタンバイするメンバーを囲むようにレーザー光線がはりめぐらされていた。その幻想的なインパクトに驚いているうちに1曲目の「アルペジオ」でライブがスタート。レーザーの演出はそのままに、疾走感のあるナンバーで会場内は宇宙空間のように壮大な世界観が広がる。3曲目の「ねこと笑うノスタルジア」は、引き込まれるように聴きいってしまうナンバー。ステージ上で、器用に複数の楽器や機材をあやつるメンバーの熱演が伝わってくる。
中盤ではベース&ボーカルのナカノシンイチがMCで「ヤッホー! 楽しんでますか?」と、観客に問いかけ、場のムードをなごませる。面白かったのは、「Applicat Spectraが嫌いな人!」と観客に質問を投げかけた時。なかなか珍しい質問だ。当然、彼らを嫌いな人ならワンマンライブまで来るはずもないわけだが、ナカノシンイチいわく、「いつもは、何とかして僕らのことを好きになってもらおうと思ってライブをしているので」――とやりにくそう。これまで、対バン形式でのライブが多かった彼ららしい発言だ。さて、このMCのあとからは本編後半へ。7曲目に披露した「イロドリの種」は、TBS系全国テレビでオンエア中の「Asian Ace」のエンディングテーマとしてもおなじみ。
アッパーなポップチューンに、メンバーと観客の熱も増していく。続く「クロックワイズ」でも、演奏はさらに激しく展開し、ライブはクライマックスへと向かう。10曲目の「ファンタジア」は、ナカノシンイチが「すごく大事な曲です」と紹介した曲。気持ちのこもったパフォーマンスで聴かせたあと、本編のラスト2曲を飾ったのは「神様のすみか」と「セントエルモ」。「神様のすみか」はTBS系テレビ『ランク王国』2・3月度オープニングテーマとして、「セントエルモ」は、同じくTBS系全国テレビ『CDTV』の11月度エンディングテーマ』として、オンエア率の高かった楽曲達。キラキラしたサウンド、そして印象的なメロディーで彼らの存在を知らしめるキッカケになった曲だけに、場内からは手拍子が起こる。こうして、初ワンマンながら素晴らしい一体感が場内を満たした。メンバーからも笑顔がもれ、初ワンマンを無事に成功させた自信が伝わってくる。アンコールでは、バンドで初めて作ったという思い入れ深い「スターライト」をプレイし、ライブを締めくくった。もちろん、この日は彼らにとっての第一歩。緊張もあったに違いない。だが、彼らがライブで見せてくれた景色には、なみなみならぬ可能性が感じられた。まさに3次元で、そして五感で感じることのできる音楽は、これまで以上にキラめく世界を広げてくれそうだ。
【取材・文:海江敦士】
リリース情報
セットリスト
- アルペジオ
- スターノート
- ねこと笑うノスタルジア
- プリズム
- アナスタシア
- -Interlude-
- イロドリの種
- クロックワイズ
- イミテーションブルー
- ファンタジア
- 神様のすみか
- セントエルモ
- スターライト
お知らせ
Applicat Spectra ONEMAN LIVE
「SPECTACLE ORCHESTRA」
2012/05/12(土)OSAKA MUSE
CZECHO NO REPUBLIC 恐竜系男子TOUR
2012/06/24(日)名古屋APLOLLO THEATER
※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルHPをご覧ください。