Applicat Spectra、3ヶ月連続で行ったコラボライブ、最終回のゲストは八王子P!
Applicat Spectra | 2013.02.12
Applicat Spectraが2012年11月より展開してきた3ヶ月連続のイベントSOCIAL TV STATION 2.5Dとの連携イベント“Applicat Spectra LIVE STREAM「Netscapes」supported by 2.5D”。毎回、ネットのメディアを中心に活躍するアーティスト、映像クリエイターとコラボし、さらにライブ会場である2.5Dを通じて生配信、より多くの人に向けて発信していくというユニークな企画であった。3度目の最終日となった2013年1月28日のゲストはボカロの貴公子と称されるサウンドプロデューサー、八王子Pを迎えて行われた。
この日はまず、彼のDJプレイによる強力な4分打ちダンスビートの洪水でスタート。さらに、背景のデジタル映像を手がけたVJは吉田恭之氏。かけめぐるサウンドと疾走感のあるデジタル映像が高揚感をあおる。まるでダンスフロアのような会場は独特の空気に包まれていった。八王子Pの華麗なDJタイムのあと、いよいよApplicat Spectraが登場。ステージにはシンセパッドやアコースティックギター、キーボードが入り乱れ、まるで屋根裏部屋のような雰囲気。もちろん彼らにとって、これはいつも通りのセッティングだ。そして1曲目から人気のキラーチューン「セントエルモ」を披露。曲に合わせ、星座で作られた猫が走るような映像がかぶさる。今回3回目となる2.5Dでのパフォーマンスだけに、メンバーもリラックスして楽しんでいるように感じられた。ほかにも「イロドリの種」「神様のすみか」など、彼等の代表曲が惜しみなくプレイされていく。さらに、このイベントでは毎回、新曲を披露しているのだが、もちろんこの日も彼らは新しい曲「モノグリフ」を持参していた。彼ららしい郷愁感のあるメロディーを持ちつつも、アップテンポでライブ映えする仕上がりの曲である。音源化されるのが楽しみだ。
トータル5曲、ライブそのものは短かったが、映像と音の中にメンバーがとけこんでいくような感覚のパフォーマンスは、やはりApplicat Spectraらしいと再確認。ベース&ボーカルのナカノシンイチはライブ終了後、「ここが、僕らがずっとさがしていた場所になりました! ホントに嬉しいです!」と、力強くオーディエンスに語りかけていたのが印象的だった。映像と音、そして空間を含めてのスペクタクル――通常の枠にとらわれないサウンドやライブを、彼らは今後、どんどん追求していくに違いない。ある意味、既存のバンド・アプローチの枠にはおさまらない発想のバンドだけに、この次はどんな光景を届けてくれるのか……予測不能な展開を期待したい。
【取材・文:海江敦士】