モーモールルギャバン、Zepp Tokyoで巻き起こした過去最大級のパンティーコール
モーモールルギャバン | 2012.07.03
アルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』を引っ提げて行なわれた、モーモールルギャバンのワンマンツアー「31歳、それでも若さを叫ぶ!!Too-Ah!!」。そのツアーファイナルとなったZepp Tokyoは、開演前からとんでもない熱気に包まれていた。自らの音楽を「J-POP」と称し、破天荒かつ熱狂的なパフォーマンスでシーンを爆走中の彼ら。現に、彼らにとって過去最大キャパであるこの会場もソールドアウト! その凄まじい勢いを証明するかのような興奮が会場に充満している。開演時間になると影アナが流れ、“開演時間までこちらでお楽しみください”とフロアに巨大バルーンを4つ投下! オーディエンス達は声を上げ、楽しそうにバルーンと戯れていた。それから約10分。会場の電気が突然落ちると、真っ暗になったステージに3人が登場。大熱狂で迎えられた。
1曲目は<パンティー泥棒自転車で走る>の歌い出しで始まる「パンティー泥棒の唄」。アンニュイな雰囲気の中、コーラス隊を引き連れて、のっけから感情全開で歌い上げるゲイリー・ビッチェ(vo./dr.)。フロアにマイクを向けると、オーディエンス達もそのフレーズを大合唱する。そして“J-POPデストローーーイ!!!!”の叫び声で一気にギアをグッと上げ、1曲目にも関わらず金テープを発射! 序盤から一気にクライマックスのようなテンションで疾走し始めた。続いて“愛する安田美沙子さんとお前らに捧げます!!”と「美沙子に捧げるラブソング」へ。ユコ・カティ(vo./key.)が華麗なステップを踏みつつ鍵盤を叩き、T-マルガリータ(ba.)の放つ極太なグルーヴがグイグイと全てを巻き込んでいく。その後も、好きだった人の赤ん坊に恋をする偏愛ポップソング「ユキちゃんの遺伝子」など、ハイテンションなナンバーを連発! こうやって曲を並べて書いていくと“ただの狂気”に捉えかねられない内容だが、それを3人の超絶テクニックと圧倒的な熱量でもって、最強のエンターテイメントとして成立させてしまうのがモーモールルギャバンの魅力だ。
それだけではない。“ウワー!って私ばっかり歌ってると死んでしまうので、ユコ・カティ、歌いますっ!!”と披露された「午前二時」のような、しっかりと歌心を感じさせる楽曲も彼らの魅力である。ステージ前方に向かって、ゆっくりと歩きながら弾くマルガリータのベースラインも、とても心地よい。そのまま「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」「コンタクト」と穏やかながらもエモさ全開なミディアムゾーンを経た後、「Smells like SURUME!!」へ。キーボードを抱えてステージ最前まで飛び出したユコが、ひたすらノイズをまき散らし、サイケデリックな空間を作り上げた。
バラードナンバー「Good Bye Thank You」の後、ゲイリーが“バラードの後に、このテンションに持って行くの結構大変なんだぞ!! う●こ! ち●こ! ゲロゲロゲー!!!!”と、小学生かっ!!とツッコミたくなるような煽りをかました後(笑)、バンドを脱退した元ドラマー・野口と、彼が抜けたことでバンドが辿った変遷を叫ぶ。本当はBUMP OF CHICKENみたいなバンドになりたかったこと。いろんな人にデモテープを聴かせるものの断られ、ドラム&ボーカルをするはめになったこと。北欧の風みたいな爽やかな音楽がやりたかったのに、気付けば北斗の拳のようになっていたこと……会場はもちろん大爆笑。“こんなモーモールルギャバンに誰がしたーーー!!! 俺だよ!!! でもおかげでお前らと会えた!!! アイラービュー!!!”と感謝を叫び、恨み節ハードコアナンバー「野口、久津川で爆死」へ。途中、ボイスチェンジャーで声を変え、野口の近況を暴露するも、彼のなかなか大変な現状に客席からは“野口がんばれー!”とエールが送られていた(笑)。その後も己の限界の果てを目指すかのような、全身全霊の熱演が続いて行く。
本編のラストは彼らの必殺ナンバー「サイケな恋人」。“悪ふざけから始まったパンティーコール、まさかZepp Tokyoでやれるとは思ってなかった!!”と、客席と共に繰り広げる“パンティー!”のコール&レスポンス! そしてパンツ一丁になったゲイリーが、パンツを脱いだその下にもう1枚パンツを履いているというパフォーマンスを見せつけ、“これがJ-POPの限界です!!”と絶叫。大熱狂のパンティーコールと爆音ノイズ、そして豪快な銅鑼の音が鳴り響き、大興奮のまま本編が終了した。
アンコールならぬパンティーコールが沸き起こる中、再び登場した3人。“早く引っ込め!って言われてた時代がウソみたい!! じゃあ調子に乗ってあと20曲ぐらいやっちゃうかー!!! (オーディエンス大興奮) ウソ! ウソ! 死んじゃう!!”と盛り上げた後にバラードナンバー「悲しみは地下鉄で」、そしてオーディエンスのクラップを誘発するピースフルな「MY SHELLY」で大団円……と思いきや、ダブルアンコールの「スシェンコ・トロブリスキー」でフィニッシュ! 全24曲をほぼ休みなしで完走し、3ヶ月に渡るロングツアーを締め括った。
この日のライヴはUSTREAMで生中継されていたのだが、そのカメラに向け“家でタダ見してんじゃねぇぞ!!! 次はライブに来いよ!!!”と叫んだゲーリー。モーモールルギャバンは11月23日に新木場スタジオコースト、11月30日になんばHatchにて年内最後のワンマンライヴを行なうのだが、おそらくチケットの争奪戦は必至。是非ともそれをくぐり抜け、心の底から楽しくなれる、彼らが生み出す中毒性抜群な「J-POP」を生で体感してほしい。
【取材・文:山口哲生】
【撮影:MASANORI NARUSE】
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リリース情報
セットリスト
- パンティー泥棒の唄
- 美沙子に捧げるラブソング
- BeVeci Calopueno
- Hello!! Mr.Coke-High
- 細胞9
- 琵琶湖とメガネと君
- ユキちゃんの遺伝子
- 午前二時
- 僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
- コンタクト
- Smells like SURUME!!
- ATTENTION!
- 愛と平和の使者
- 裸族
- Good Bye Thank You
- 野口、久津川で爆死“Long Version”
- POP! 烏龍ハイ
- ユキちゃん
- サノバ・ビッチェ
- いつか君に殺されても
- サイケな恋人
- 悲しみは地下鉄で
- MY SHELLY
- スシェンコ・トロブリスキー
お知らせ
『SummerVoiceCannival 2012 in 太閤山ランド』
2012/07/15(日)富山県民公園 太閤山ランド
『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012』
2012/08/04(土) 国営ひたち海浜公園
『Beat Happening! VOL.800SPECIAL!
-GREATEST THANKS!2MAN HAPPENING!-』
2012/08/21(火)渋谷CLUB QUATTRO
『Re:mix 2012』
2012/08/25(土) 名古屋CLUB Diamond Hall/APOLLO THEATER
『Livemasters Summer CHOICE』
2012/08/30(木)SHIBUYA-AX
『OTODAMA’11-’12~音泉魂~』
2012/09/09(日)大阪・泉大津フェニックス
『木曽鼓動2012』
2012/09/15(土)キャンピングフィールド木曽古道
2012/09/16(日)キャンピングフィールド木曽古道
※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。