レビュー

モーモールルギャバン | 2012.10.09

 モーモールルギャバンが、ライヴDVD「Live at Zepp Tokyo 2012.6.22:エンペラー」をリリースした。アルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』のレコ発ツアーとして全国22カ所をサーキットした「31歳、それでも若さを叫ぶ!!Too-Ah!!」。その最終公演となった超満員のZepp Tokyoでのステージを、1曲目の「パンティー泥棒の唄」からダブルアンコールの「スシェンコ・トロブリスキー」までの全24曲、そして、MCやアンコール中(正しくは、パンティーコール中)の舞台袖の様子なども含め、131分ノンストップで完全収録している。

 ドラム台の横に設置されたお立ち台に乗っかって、感情剥き出しで叫びまくるゲイリー・ビッチェ(ドラム&ボーカル)、野太い音でファンキーにグルーヴし続けるT-マルガリータ(ベース)、ときに繊細な旋律を奏で、ときに破壊的なノイズを巻き散らすユコ・カティ(キーボード&ボーカル&銅鑼)。とにかく全力でぶっちぎる破天荒かつハイテンションなステージが注目されている彼らだが、一瞬インサートされるオーディエンスのぐちゃぐちゃになっている笑顔が、それをしっかりと物語っている。

 見どころは「野口、久津川で爆死」。この曲は、元メンバーに送られた“恨み節”なハードコアナンバーで、ゲイリーがバンドの歴史を振り返る前口上をするのだが、この部分を上げたい。演奏シーンではない部分で恐縮なのだが、実際この部分の編集が凝っているし、こういうおバカにも全力で挑むのがモーモールルギャバンである。ちなみに、この曲の前は感涙必至なバラードソング「Good Bye Thank You」。“バラード後にこのテンションに持って行くの大変なんだぞ!”と、ゲイリーが叫んでいたのだが(笑)、その姿が美しく、愛おしさを感じさせる。そこがこのバンドの最大の魅力であり、圧倒的な支持を集めている理由でもあるだろう。

 モーモールルギャバンは年内最後のワンマンを、11月23日に新木場STUDIO COAST、11月30日になんばHatchにて開催。そのライヴの予習盤としてはもちろんのこと、彼らの真骨頂を堪能するのに最良のアイテムとなっている。

【文:山口哲生】

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リリース情報

Live at Zepp Tokyo 2012.6.22:エンペラー [DVD]

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Live at Zepp Tokyo 2012.6.22:エンペラー [DVD]

発売日: 2012年10月03日

価格: ¥ 3,619(本体)+税

レーベル: ビクターエンタテインメント

収録曲

1. パンティー泥棒の唄
2. 美沙子に捧げるラブソング
3. BeVeci Calopueno
4. Hello!! Mr.Coke-High
5. 細胞9
6. 琵琶湖とメガネと君
7. ユキちゃんの遺伝子
8. 午前二時
9. 僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
10. コンタクト
11. Smells like SURUME!!
12. ATTENTION!
13. 愛と平和の使者
14. 裸族
15. Good Bye Thank You
16. 野口、久津川で爆死
17. POP! 烏龍ハイ
18. ユキちゃん
19. サノバ・ビッチェ
20. いつか君に殺されても
21. サイケな恋人
22. 悲しみは地下鉄で <アンコール>
23. My Shelly <アンコール>
24. スシェンコ・トロブリスキー <アンコール>

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