巷で話題沸騰中!J-POPテロリスト、モーモールルギャバン見参!!

モーモールルギャバン | 2012.03.21

破天荒なパフォーマンス、エッジの効きまくったアレンジ、中毒性の高いメロディー──そんな自らの音楽を「J-POP」と称し、ロックシーンで暴れまくりのギターレス・スリーピースバンド、モーモールルギャバン。出演したフェスでは、彼らを一目見ようとオーディエンスが殺到、入場規制が続出し、ワンマンライブは全てソールドアウト!爆発的な勢いで猛進している。そんな右肩上がりの3人に、バンド結成時の話から、激動を乗り越えて産み出された最新アルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』の話まで幅広く訊いた。

EMTG:ゲイリーさんを中心に結成されたとのことですが、どういうバンドにしようと思って始めたんですか?
ゲイリー・ビッチェ:音楽っていうものを、とにかく難しく、堅苦しく考えすぎていた時期が20代前半まであって。自分の限界にぶち当たって、もう音楽を辞めようと思った時に、“どうせ辞めるんだったら、すごく楽しくて、底抜けに笑顔になれて、でも音楽はオシャレでカッコ良くて。でも、全力でバカやってるバンドを最後にやりたい!”と思って始めたのが、このバンドです。
ユコ・カティ:“楽しいバンドやろう!”って電話がかかってきました。“あれでしょ、モーモールルギャバンでしょ?”みたいな話をしたよね?
EMTG:名前はもう既にあったんですね。
ゲイリー・ビッチェ:大学の時にこの名前でやってたんですけど、使う予定ではなかったので、いろいろ考えてたんですよ。「ヤジーマッツオーケストラ」とか。でも、ことごとくダサかったから“モーモールルギャバンでいいじゃん!”って。
EMTG:自分達の音楽を「J-POP」と称されていますが、ゲイリーさんの中で「楽しい音楽=J-POP」だったんですか?
ゲイリー・ビッチェ:ゴチャゴチャにこんがらがった頭の中をほどいてみたら、俺に出来るのは1つか2つぐらいしかなくて。俺は意外とキャッチーなメロディーを作ろうと思ったら作れる人なんだってことに気付いて“俺はもうJ-POPでいいよ!クソ!!”って(笑)。
EMTG:なるほど(笑)。昨年リリースされたアルバム『BeVeci Calopueno』以降、この1年間でバンドの状況が大きく変わってきたと思うんですが。
ユコ・カティ:初めてワンマンツアーをしたのは大きいかもしれないですね。
ゲイリー・ビッチェ:ワンマンツアーは大きい!ツアー中は“また明日もライブだ?”って震えるリスのように毎日を過ごしていましたし、終わった瞬間に気が抜けたのか、左手を骨折するわ、ステージ上で股間を強打するわ……。あのツアーを乗り切れたんだ!っていう過信みたいなものが、ちょっと生じてしまったんでしょうね。
EMTG:そんな様々なものを乗り越えてリリースされるアルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』。タイトル曲は、言葉だけ見ると激しいイメージが思い浮かびますけど、実際は優しくて、穏やかな曲ですね。
ゲイリー・ビッチェ:2011年がショッキングな年だったので、そんな時代に自分はどう生きるべきか?っていうことと向き合って出来たのがこの曲なんです。いろいろあるけど、前向きにジタバタ生きていこうぜ!って素直にそう思ったので、それを歌にしました。
EMTG:今までも素直な感情を曲にしたことはあったと思いますけど、それとはちょっと違うベクトルですよね。
ゲイリー・ビッチェ:そうですね。僕、良くも悪くもサービス精神旺盛で、何でも大袈裟に言うところがあるんですよ。ちょっとパンティーが好きだと、パンティー泥棒が自転車に乗って叫ぶ歌を歌っちゃったり。その歌達に決してウソはないんですけど、文字にしてみると全てがウソだらけだなと思って(笑)。そんな曲ばかり作ってきたけど、そればっかり求められてもキツイし、等身大の自分をちゃんと真っ直ぐ歌えるものを作りたいっていう気持ちがすごくあって。
EMTG:「若さを叫ぶ」というタイトルですけど、曲中で分かりやすく叫んでいないギャップも面白いです。
ゲイリー・ビッチェ:そこはね、“さーーけーーぶーー!!”って直接的に叫ぶより“さ??け??ぶ??♪”って、歌って自分のテンションを曲に乗せる方が、歌手としては何百倍も難しいわけですよ。そこは、いちシンガーとしての願望というか、叫ばずに「叫ぶ」を表現する段階に行くっていうテーマがあったんです。
ユコ・カティ:そうやったんや。それ初耳やった。
EMTG:そういうこともあってか、今作は歌が全面に出ている曲が多いですね。
ユコ・カティ:歌ものを作ろうっていう話はしていたんですよ。直球を投げなきゃ次へのステップはないんじゃないかと思っていたので。
EMTG:アプローチだったり、作り方も変わったりしましたか?
ユコ・カティ:全然変わりました。前作は分担作業だったんですけど、今回は総力戦っていう感じで。中途半端な状態で投げて、ああだこうだ言いながらみんなで作っていったから、自分が想像してなかった方向に転がって行く感じは面白かったです。すごく未知数な部分が大きいから苦しかったですけど(笑)。
T-マルガリータ:いつもはフレーズとかアレンジをだいたい固めてからレコーディングに入りますけど、今回はレコーディング中に変わる部分が結構多かったんで、そういう部分はスリリングでしたね。
ユコ・カティ:冷や冷やしながら頭抱えたり、笑ったり……変な現場だったね(笑)。
ゲイリー・ビッチェ:歌詞とメロディーが全然出来なかったんですよ。1月31日にアルバムが完成したんですけど、実はその日を超えると契約違反だっておこられてもおかしくないレベルだったんです。その2日前にギリギリ完成したのが「スシェンコ・トロブリスキー」で。
ユコ・カティ:トラックは早い段階で出来たけど、歌が弱かったから作り直そうってことになって、ずっと後回しになってたんです。
ゲイリー・ビッチェ:歌詞を巡って本気でケンカしましたからね。ユコさんがとにかく<落書きだらけの教科書>って言葉が気に入らなかったみたいで。
ユコ・カティ:だって教科書に落書きしたことないもん。
ゲイリー・ビッチェ:俺はそれぐらいしかやることがなかったんだよ!
EMTG:「Sparking!!!」って言っちゃうぐらい(笑)、ギリギリまで追いつめられていたと。
ゲイリー・ビッチェ:そこ、最初はスパークリングだったんですよ。でもマルが“ドラゴンボールだったらスパーキングじゃない?”って。
EMTG:じゃあ、ここはマルガリータさん発案?
T-マルガリータ:まぁ、スパーキングだけですけど(笑)。
EMTG:あと、みんなで歌えるようなフレーズが多いですけど、そこはワンマンツアーでオーディエンスと密な時間を過ごしたことで産まれた部分なのかなと思ったんですが。
ゲイリー・ビッチェ:それはあるかもしれないですね。今まで独りよがりに好き勝手なことやって、“これが好きだったらついてこればいいんじゃないの?”っていうスタンスがどこかにあった気がするんですけど、やっぱり2011年はこの国にとって衝撃的な1年だったので。“自分の道楽より、もっと大事なものがあるだろ?たくさんの人に声が届く立場になってきた自分に出来ることがあるだろ?”っていう気持ちが芽生えたかもしれないですね。
EMTG:ワンマンツアーも始まっていて、この作品をライブで聴くのが楽しみなんですが……あの、ゲイリーさん、今すごく苦い顔されてますけど(笑)。あの地獄のような日々が帰ってくるのが辛いですか?
ゲイリー・ビッチェ:地獄ではないですよ(笑)。限界を乗り越えた先に、楽しい音楽の世界が待ってるんだろうなっていうのが、何となくチラっと見えてきたんで。去年はプレッシャーもデカくて必死でしたからね。地方でせっかく美味しい御飯を食べたのに味がよく分からない状態でしたけど、今年は少しでも御飯が美味しく味わえればいいなぁと。

【取材・文:山口哲生】

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ビデオコメント

リリース情報

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

2012年03月21日

ビクターエンターテイメント

01.スシェンコ・トロブリスキー
02.サノバ・ビッチェ
03.MY SHELLY
04.僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
05.いつか君に殺されても
06.午前二時
07.J・O・E
08.それは悲しい唄のように
09.彼と彼女の日常
10.気まぐれのように揺れる世界から

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お知らせ

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●ゲイリー・ビッチェ
塩麹

“「塩麹」って何だ!?”と思って調べたんですよ。家で簡単に作れるらしいんで、今度やってみようと思います。

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今「TIGER & BUNNY」のイベントがやっていて、それに行きたいんですけど、なかなか時間がなくて。隙あらば行こうと思ってます。

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スピードテスト

自宅のネット環境の状態を調べようと思って。結果は忘れちゃいましたけど。

■ライブ情報

モーモールルギャバン 2012
「31歳、それでも若さを叫ぶ!!Too-Ah!!」

2012/03/02(金)鹿児島SR ホール
2012/03/05(月)大分AT HALL
2012/03/09(金)黒崎MARCUS
2012/03/13(火)熊本NAVARO
2012/03/17(土)福岡BEAT STATION
2012/03/24(土)静岡サナッシュ
2012/04/01(日)金沢vanvanV4
2012/04/04(水)新潟RIVERST
2012/04/08(日)松本ALECX
2012/04/11(水)京都磔磔
2012/04/14(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2012/04/20(金)奈良NEVER LAND
2012/05/03(祝)大阪梅田クラブクアトロ
2012/05/11(金)札幌ペニーレーン24
2012/05/16(水)八戸ROXX
2012/05/19(土)仙台MACANA
2012/05/23(水)郡山#9
2012/05/27(日)盛岡CHANGE
2012/06/02(土)高崎TRUST55
2012/06/08(金)名古屋BOTTOM LINE
2012/06/15(金)松山サロンキティ
2012/06/22(金)Zepp Tokyo
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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