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miwaコンサートツアー2012“guitarium“ツアーファイナル@渋谷公会堂をレポート!

miwa | 2012.07.24

 セカンド・アルバム『guitarium』を掲げた13本のツアーも、ついにこの渋谷公会堂でファイナルを迎える。
ファースト・アルバム『guitarissimo』で登場したmiwaが順調に活動して来た背景には、彼女のソングライターとしての柔軟な才能と、ギタリストとしての素直な資質がある。ライブを重ねる中で、アッパーチューンが必要だと感じれば、アルバムにそうした曲を書いて入れる。あるいは、アルバムで描いた世界観をライブで表現し切れていないと思えば、ギターの演奏の向上に努力を惜しまない。豊富な洋楽の知識と経験を持っているから、Charなどの先輩ミュージシャンから可愛がられ、歌やギターの的確なアドバイスを受けて成長を続けてきた。
そしてシングル「don’t cry anymore」から2年あまりで実力と人気を伸ばしてきたmiwaの集大成ともいえる渋公ファイナルは、たった2枚のアルバムで構成されたとは思えない豊かなバリエーションのあるライブとなった。

 キーボード、ベース、パーカッション、ドラムス、ギターの5人のバックバンドのセンターで、ピンクのシャツ、ブルーのパンツにサングラスをかけたmiwaが、真っ黒な髪を振り乱しながらフライングVのエレキギターを掻き鳴らす。力強いオープニング・ナンバーは、『guitarium』のアルバム・トップを飾った「いくつになっても」だ。ハッピーでパワフルなmiwaのハイトーン・ボイスに、客席のオーディエンスはいきなりタオルを振って応える。続く「Chasing hearts」でmiwaがアコースティック・ギターに持ち替える間、バスドラの4つ打ちが響く。「こんばんは! miwaです。ツアー・ファイナル、今日はすべての力を出し切って、みんなと最後まで盛り上がりたいです」と開会宣言。さらに3曲目「FRiDAY-MA-MAGiC」ではギターをエレキのテレキャスターに替えて、「みんな、踊れー!!」と叫ぶ。超ハイテンションな幕開けとなった。

「もう最高だよ。思い残すことのないように、盛り上がろうね。私のライブは、ライブハウスのエッグマンから始まって、去年はAX、今日は渋公。今までにない景色が見れると思ってます」とmiwa。ずっと彼女が望んでいた“ホール・ツアー”が、今回初めて実現した。女の子のファンが増えるにつれて、オール・スタンディングでは背の小さな人にはmiwaの姿が見えなかったり、ギューギュー詰めになることが多くなり、そのことにいちばん心を痛めていたのは“小さな女の子”であるmiwa自身だった。だから、なるべく早く椅子席のホールでのツアーに切り替えたかったのだ。

 このツアーの間、各地で“ご当地ネタ”を披露してきたmiwaだが、「今日はまとめとして、福岡の“おたこ体操”をやってみますか」。みんなでゆっくり楽しむこうした遊びも、ホールならではのことだ。
「重大発表があります。ニューシングルの発売が決定しました。8月15日です。みんながビックリするような、今までにない曲が出来つつあります。タイトルはまだ決定してません。今日のライブでいいパワーもらえると、いいタイトルが浮かぶかもね」。

 こうしたやり取りの後、歌った「Jexxxa」と「またね」がよかった。「Jexxxa」はアコギとの相性がぴったりのミディアム・バラードで、miwaの声の美しさが伝わる。「またね」も彼女自身のギターのアルペジオが映えて、聴き応え充分だった。アップなロック・チューンだと、どうしても声の高い部分が強調されがちだが、miwaの歌のもう一つの魅力は中低域の声にある。この2曲は、座って聴くのにふさわしく、ホール・コンサートで開花したmiwaの実力が頼もしかった。
 そしてデビュー曲の「don’t cry anymore」は、♪強くならなきゃ 言い聞かせてる♪と強がりながら、その裏にある女の子のやさしさを感じさせて、アーティストとして明らかに進歩を遂げたmiwaの現在を伝えていた。
 また「デビュー前からエッグマンで歌ってた曲が成長して、やっと『guitarium』に入ることになった。みんな、一緒に歌ってくれたら嬉しい」と言って歌った「441」では、オーディエンスが歌いながらハンドクラップしてmiwaの思いをサポートする。そこからライブは一気に加速して、「again X again」で終わった。

 アンコールではステージの真ん中にピアノがセットされ、miwaはその前に座る。
「アンコール、ありがとう。座って聴いてもらおうかな。心を込めて歌います」と「片想い」。切ない歌を、さっぱりと歌う。22才になったばかりの彼女に、とてもよく似合う表現だった。
終わって立ち上がると、「“acoguissimo 2”が決定しました」と、またまた嬉しいニュースを会場に告げる。“acoguissimo”はアコギ一本で回るツアーで、去年も行われて大好評を博した。たった一人でのライブ行脚は、彼女がライブ・アーティストとして飛躍的に成長した一因でもある。9月から始まるこのツアーを通じて、miwaはさらなる成長を遂げながら、期待のサード・アルバムに向かうことになる。
バンドのメンバー紹介した後、「今回のツアー、楽しくて、もう一回まわりたいな。またまた『guitarium』っていうアルバムを好きになりました。長くしゃべると涙が出そうなので、歌います」。
最後の最後は、帰ろうとするメンバーを呼び戻して、「リトルガール」。キーボードとパーカッションのメンバーがタンバリンを持ってステージ前に出ていって客席をアオると、miwa自身もハンドマイクで楽しく暴れ回る。
「また会いましょう、miwaでした」と叫んだとき、伝統を誇る渋谷公会堂に新しいヒロインが誕生したのだった。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル miwa

リリース情報

ヒカリへ(初回生産限定盤)

ヒカリへ(初回生産限定盤)

2012年08月15日

ソニー・ミュージックレコーズ

1. ヒカリヘ
2. Napa
3. HiKARiE Remix ~English version~
4. ヒカリヘ ~instrumental~
5. 僕が僕であるために

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お知らせ

■ライブ情報

GIRL’S FACTORY 12
2012/07/28(土)ZEPP DIVERCITY

FM802 MEET THE WORLD BEAT 2012
2012/07/29(日)万博記念公園 もみじ川芝生広場

ROCK IN JAPAN FES.2012
2012/08/04(土)国営ひたち海浜公園

GIRL ROCK FACTORY 12
2012/08/12(日)渋谷AX

めざましライブ
2012/08/14(火)お台場合衆国

音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2012
スキマスイッチ×miwa

2012/08/22(水)音霊SEA STUDIO

MONSTER baSH 2012
2012/08/25(土)国営讃岐まんのう公園内 芝生広場

miwa acoustic live tour 2012
“acoguissimo 2”

2012/09/08(土)神戸VARIT
2012/09/09(日)京都MOJO
2012/09/16(日)富山MAIRO
2012/09/17(月)松本Sound Hall aC
2012/09/22(土)岡山オルガホール
2012/09/23(日)米子laughs
2012/09/29(土)徳島シビックセンター
2012/09/30(日)高地BAY5 SQUARE
2012/10/06(土)岐阜Club-G
2012/10/07(日)静岡SOUND SHOWER ark
2012/10/13(土)山形ミュージック昭和SESSION
2012/10/14(日)秋田クラブスウィンドル
2012/10/20(土)大分DRUM Be-0

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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