いきものがかり、横浜アリーナ4DAYSを開催!
いきものがかり | 2012.11.26
4月からスタートした「いきものがかりの みなさん、こんにつあー!!2012?NEWTRAL?」がファイナルを迎える直前に行われた横浜アリーナ公演。追加公演を含めると計4日間行われた横浜アリーナ公演のその2日目(10月31日)のライブは、彼らが長いツアーの中でひとつひとつ積み重ねてきた現在進行形のステージが繰り広げられた。
今回のツアーは前半戦(4月?6月)がホールツアー、約2ヶ月のインターバルを置いて突入した後半戦(8月?11月)はアリーナツアーということもあり、アルバム『NEWTRAL』収録曲を中心に置いた選曲の中で、会場の大きさによって観客といきものがかりとの距離感がどう変化するのかを体感できるとても興味深いツアーになった。まず、いちばん最初に驚かされたのは、1曲目に「風が吹いている」を持ってきたことだろう。前半のホールツアーではリリース前だったため演奏されていなかったが、「風が吹いている」はストリングスをふんだんに取り入れた大きな世界観を持った楽曲だけに、アルバム『NEWTRAL』を中心にしたメニューの中のどこに取り入れるのか、正直言って立ち位置がとても難しい楽曲なんじゃないかと思っていた。しかし、客電が落ち、会場内に大歓声と拍手が沸き起こった後の一瞬の静寂に、一筋の光を放つような吉岡聖恵の凛とした歌声が響いた「風が吹いている」は、大観衆の五感を一気にステージに集中させてしまうくらいのとてつもないパワーを持ち、ライブの扉を鮮やかに開けてくれた。また、圧倒的な存在感を持った「風が吹いている」から瞬時に場面を変化させた「NEW WORLD MUSIC」は、前半戦ツアーの1曲目を飾った楽曲だったが、「風が吹いている」の次に演奏されたことによって、この曲が持つ軽快さがより明確になり、いきものがかりをぐっと身近に感じることができる曲になった。
「横浜のみなさん、こんにつあ?! 楽しむ気満々ですか??」と、吉岡聖恵の元気な声が場内に響いた最初のMCでは、「地元4DAYSの2日目?っ。1万2千人、超満員です。海老名市の人口で言えば、10人に1人が来ていることになります」と、水野良樹が言うと、「海老名・厚木が地元の俺らが(横浜を)地元って言うのは、おこがましいような(笑)」と山下穂尊が返し、そんな地元ならではのトークで場内はアットホームな雰囲気に。また、3人にとって、横浜アリーナはあこがれの場所ということもあり、「そこで4DAYSもライブをやらせてもらえるなんて光栄です」と、超満員の客席を見渡しながら言った水野良樹のMCには場内から大きな拍手が起こった。
バラード曲「歩いていこう」「白いダイアリー」、吉岡・水野・山下がそれぞれ歌を繋いでいく「夏・コイ」を歌い終えると、3人はなんと!メインステージから客席の中を歩いてPA近くにある小さなセンターステージに移動し、地元で路上ライブをやっていた頃のように、3人だけで「帰りたくなったよ」「コイスルオトメ」を、アコギ2本とハープと歌だけのアコースティック・バージョンで披露。3人の頭上に設置された照明の灯りは月明かりや星空のように見えて、まるで本当に彼らが路上で演奏しているようだった。
再びメインステージに戻った3人は「おやすみ」「恋詩」、手拍子が良く似合う「ブルーバード」をバンドと共に届け、後半に向けてアップテンポな曲を立て続けに演奏。アリーナ席に大きなカラフルな風船がいくつも舞った「笑ってたいんだ」、観客の頭上でタオルがクルクルと廻った「じょいふる」――その間奏では、バンドメンバーにお題を出して演奏してもらう無茶ぶりもコーナーも。(ちなみに、横浜アリーナ公演のお題は「横浜」ということで、「横浜たそがれ」(五木ひろし)や「ブルーライトヨコハマ」(いしだあゆみ)を、ちらりと演奏。この無茶ぶりは今回のツアーの各会場で行われていて、このコーナーにかけるバンドメンバーの意気込みが凄いというネタばらしも水野君がしてくれました)。吉岡聖恵が星型のタンバリンを持って歌う「KIRA★KIRA★TRAIN」では、1万2千人の歌声が場内に鳴り響き、いよいよ本編最後の曲に。その曲を歌う前のMCでは「たくさんの笑顔とパワーをもらいました」と、3人が一礼し、吉岡聖恵が「みんながこそっと笑ってくれるような歌、涙を流してくれるような歌をこれからも作っていきたいと思います」と言って、最後に「ありがとう」をみんなの元へと届けた。 大きなアンコールの声に呼ばれて、再びステージに登場した3人は、インディーズ時代のアルバムに収録され、『NEWTRAL』にも収められた「地球」をアンコールの1曲目に選んだ。「気まぐれロマンティック」に続いた「会いにいくよ」は、いきものがかりを待っていてくれる人たち、自分たちの歌を愛してくれる人たちに、3人が逢いに行くという思いを刻んだ歌だけに、ライブで色鮮やかに花開く歌になっていた。そして、この歌から流れるように続いた「風が吹いている」のリプライズは、まるでライブの1曲目の「風が吹いている」へとループしていくような感覚になったファンも多かったことだろう。
この日、彼らが届けた3時間を超えたライブは、時代を超えて歌い継がれていく歌を、いきものがかりはこれからも作り続けていくという強い意思を持っていた。それと同時に、新しい挑戦をすることを恐れないいきものがかりを見事にエンタティンメントなステージの中で見せてくれたライブだった。
【取材・文:松浦靖恵】
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