高橋優の全国ツアー初日。神奈川県民ホール公演をレポート
高橋優 | 2012.12.21
バンドメンバーと共にステージに登場した高橋優。ギターを力強くストロークし、歌い始めた1曲目は「絶頂は今」。パワフルな演奏、パンチの利いた歌声、観客の手拍子が、瞬く間に一体となっていく。そして、「雑踏の片隅で」と「誰がために鐘は鳴る」を立て続けに演奏。冒頭の3曲の時点で、観客は早くも熱い興奮に包まれていた。
「高橋優です。本日は『高橋優秋の全国ツアー?高橋は雨男?晴れ男?はっきりさせようじゃないか2012』の初日にお越し頂き、ありがとうございます。本日の天気は、曇り……。一番恐れていたことが(笑)。曇りじゃ、はっきり出来ないという(笑)。そんなこともあろうかと、ステージの上に太陽を用意してみました」。彼が指差したのは、後方に置かれている大きなオブジェ。太陽、音符、ギターをモチーフとしているデザインが目を引く。「みなさんと一緒に心の中だけでも晴れ渡るように。よろしくお願いします! 」。そして、「旅路の途中」から再び演奏がスタート。ハンドマイクでステージを巡りながら歌い、ロックテイスト溢れるサウンドで沸かせた「気ままラブソング」。曲に合わせて観客が振り上げる腕の勢いが激しかった「現実という名の怪物と戦う者たち」……などなど、臨場感溢れるサウンドが、皆の興奮を一層加速していった。
「先程演奏した「旅路の途中」は、水泳の入江選手の応援歌として書かせて頂きました。今年、現地まで行ってロンドンオリンピックを見てきたんです。そこで入江くんがメダルを獲る瞬間を生で見たんですが、あの感動は言葉で表せないほどでした。」そして、帰国してから水泳を始めたのだと、近況も語った高橋。「毎日コツコツやるって難しい。そういうコツコツと逆の気持ちを追求するとどうなる?というのを考えたら、曲ができました。今日初めてやります」。披露されたのは「ボーリング」。繰り返される《面倒臭ぇ》というフレーズが、印象に残る曲だった。
「虹と記念日」と「卒業」を歌った後、再びMC。「昨日の夜の話です。ツアーが始まるので気合を入れたくて、スーパーへ出かけました。神奈川から初日が始まるので、全部神奈川県産の材料で生姜焼きを作ろうと。でも神奈川の生姜が見つからず……」。その他、テルテル坊主の顔を描き損じ、不気味な笑みを浮かべた仕上がりとなったエピソードも語られ、観客の間に和やかな笑い声が広がる。「こういう出来事は、些細なことのようでショックなんです。でも、こうして皆さんにお話して立ち直れたりもする。そんな自分の日常を歌いました」。曲の背景を説明し、新曲「昨日の涙と、今日のハミング」へ。続いてバンドメンバーの紹介も織り交ぜて演奏した「今、君に会いにいく」、温かい想いに満ちた「少年であれ」……「ボーリング」からここまでの全6曲は、席に座ってゆっくりと高橋の歌を聴くコーナー。曲にこめられた想いをじっくり噛み締めるひと時となった。
「ここからは皆様と一緒に微笑んで参りたいと思います! お元気は残っているでしょうか? 次の曲は、まさに微笑みながら1つのリズムを刻むことを思い描いて作った曲です」という言葉を添えて「微笑みのリズム」。座っていた観客が一斉に立ち上がり、手拍子で曲を彩る。この曲を皮切りに「福笑い」「蓋」「頭ん中そればっかり」「こどものうた」「想いよ、届け」……エネルギッシュな曲が立て続けに演奏された。「同じ時間を過ごせるのが最高の宝物です。日々の中には思い通りに行かないことがたくさんあります。でも、こうして今日、皆さんに会えたことが全部未来に繋がるんです。同じ時代に生まれて、過ごせていることが本当に嬉しいです。勝手な想いだけど、ありがとうございます! また会いに来ます。“皆さんにもっと幸あれ!”っていう歌をいっぱい歌っていきますから。貴い時間をありがとうございました」。そして、本編を締めくくったのは「陽はまた昇る」。ステージの背景が朝焼けのように真っ赤に染まる中、歌声と演奏がエモーショナルに高鳴っていった。
アンコールを求める観客の声に応え、ステージに戻ってきた高橋とバンドメンバー達。「今日は最高の気持ちです。曇り空バンザイ! 報告があります。この度、高橋優は入れ歯を外すことになりました!」……あまりにも唐突なボケがかまされ、観客の間から「えーっ!」という声が上がる。「ツアー中、毎回ここでボケようかと(笑)。 本当に報告があります。12月にCDを出すことが決定しました。シングルのつもりだったんですけど、思うこと、届けたいことが次々出てきまして。7曲入りのCDをリリースすることになりました。タイトルは『僕らの平成ロックンロール2』。同じ日に前回のツアーファイナルの渋谷公会堂でのLIVE DVDも出ます。初の同時リリースです。今日は折角なので、『僕らの平成ロックンロール2』に入る新曲を聴いて頂こうと思います」。披露されたのは「夜明けを待っている」。光溢れるかのように壮大に響き渡ったメロディ。胸に深く迫って止まない瑞々しい曲であった。続いて「駱駝」。温かい手拍子の輪が場内一杯に広がっていく。「僕の地元の秋田の人は、“へばまんつ”と言ってお別れします。へばまんつ!」。そして、ラストを飾ったのは「友へ」。全力の歌声と演奏に刺激され、観客も激しく手拍子しながら身体を揺らした。
「最高の時間を過ごしました。初日に皆さんと会えて、幸せ者です。行ってきます!」。全曲を演奏し終えた高橋は清々しい笑顔を浮かべて挨拶。そして、ステージの隅々を巡り、マイクを通さない生声で「ありがとうございました」と深々と一礼。すると一際高まった観客の拍手と歓声。爽やかな幸福感が漂う全国ツアー初日となった。
【取材・文:田中 大】
リリース情報
リリース情報
高橋優LIVE TOUR~この声って誰?高橋優じゃなぁい?2012 at 渋谷公会堂2012.7.1
2012年12月26日
ワーナーミュージック・ジャパン
ディスク:1
1. 序曲
2. 蛍
3. 終焉のディープキス
4. 誰がために鐘は鳴る
5. 雑踏の片隅で
6. HITO-TO-HITO
7. 気ままラブソング
8. 福笑い
9. あなたとだから歩める道
10. 8月6日
11. ほんとのきもち
12. 一人暮らし
13. サンドイッチ
14. 誰もいない台所
15. 絶頂は今
16. 蓋
17. 頭ん中そればっかり
18. 現実という名の怪物と戦う者たち
19. こどものうた
20. 想いよ、届け
21. 卒業
ディスク:2
1. 陽はまた昇る
2. 花のように
3. セピア
4. 素晴らしき日常 (弾き語り)
このアルバムを購入
お知らせ
unBORDE X’mas PARTY!
2012/12/24(月・祝)ZEPP DiverCity Tokyo
COUNTDOWN JAPAN 12/13
2012/12/29(土) 幕張メッセ国際展示場1〜8ホール、イベントホール
NAGASHIMA COUNTDOWN&NEW YEAR’S PARTY 2013
2012/12/31(月) ナガシマスパーランド内 大観覧車前特設ステージ
風とロック福島 LIVE福島 CARAVAN日本
〜Merry X’mas to ふくしま〜
2012/12/22(土)郡山ユラックス熱海
2012/12/23(日)郡山ユラックス熱海
〜おきなわはもう桜まつり〜
2013/01/20(日) ミュージックタウン音市場
〜さっぽろ雪まつり直前 Special〜
2013/02/03(日)札幌市教育文化会館(大ホール)
LIVE SDD 2013
2012/02/17(日)大阪城ホール
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。