2013年。デビュー30周年を迎える藤井フミヤ。

　今から4年前の年明け。「この数年は、真剣に音楽と向き合う。音楽以外のことは、あまり考えないようにしようと思う」と明言した彼。曲を作るための機材を揃え音楽制作の環境を整えるところからスタートした“藤井フミヤのミュージック・ライフ”。彼はこの意志を貫き、コツコツと曲を積み重ね、昨年、約3年ぶりのオリジナルアルバム『Life is Beautiful』を完成させた。

　今、このアルバムを、改めて繰り返し聴いてみて思う。懐かしさの中に透けてくる新しさが眩しい。虹の、涙の、空の、雲の、月の……様々な輝きが、キラキラと木漏れ日のように乱反射する。自然光にも似た、柔らかで確かな輝きは、今の彼だからこそ出せた輝きではあるまいか。

　アルバム『Life is Beautiful』は、藤井フミヤのルーツとスター性、そして長い歴史を無理なくポップ・ミュージックに昇華し、藤井フミヤ・ポップスの金字塔と呼ぶに相応しい作品になった。

　ポップスは、輝いていなければいけない。キラキラしてなくちゃ、やだ。
　そんな、ポップスの絶対必要条件を、藤井フミヤは人生をかけてこれからも体現していくのではなかろうか。　

　2012年9月から、期間限定でお届けしてきたこの集中連載「Life is Beautiful」も今回が最終回。30周年のことを中心に、今後の藤井フミヤについて語ってもらった。

―2013年はデビュー30周年。ご自分の中での構想は出て来ているんですか？

―9月21日。チェッカーズとしてデビューした日ですね。

―その期間で、具体的にアイデアを練っていく、と。

―アイデア段階という前提で伺いますが、今おっしゃった“前半と後半”っていうのは、ツアーにも関わってきたりも？

―なるほど。では、今、音楽に対して“もっと欲しい、もっとこうしたい”と思うことは何ですか？

―そこを実現させるためには、どんな自分でいることがベストだと思います？

―どうして3曲なんですか？（笑）

―（笑）どこかまだ、他人ごとですね。

―でも、フミヤさんは、こうやって言っちゃうと、やっちゃう人じゃないですか？

―過去にそういうことがあったんでしょうか？

―例えば、ピアノでもギターでもいいんですけど、弾き語りというスタイルをライヴのパフォーマンスのひとつと考えてたり？

―あぁ、なるほど。それよりも必要な要素は、ダンスや動きになりますよね。前回の「Life is Beautiful」ツアーで言ったら、パントマイム。

―では、2013年、プライベートも含めて、どんな年になったらいいなと思ってます？

―去年のツアーで、実感できた、手ごたえがあったということですね？

―プライベートを…と話をふっても、音楽の話になりますね。

―それが今のフミヤさんのスタンスなんでしょうね。でもしつこく伺います。2013年、プライベートでの目標、抱負。よろしくお願いします！

―え？　雪山の経験は？

―それは……30周年が終わってから……再考してください（一同爆笑）。

―去年のツアー中も、地方で山に出向かれたそうで。八甲田山に行かれたとか？

―ツアー中、合間をぬってってことですよね？

―そうですか。日本は山が多いから、調整も大変ですね（←半分思考停止）

―頂上で必ずすることは（←続・思考停止）

―は？　どういうことですか？

―理由があるんですか？

―あははは（笑）。つまり、ゆっくりできないってことですか？

―では最後の質問です。デビュー30周年を迎える自分を、デビュー当時、想像できていましたか？

―わかりました。2013年の藤井フミヤも楽しみにしてます。

【取材・文・構成：伊藤亜希】