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THE BACK HORN、自身2度目となる日本武道館でのライヴの模様をレポート!

THE BACK HORN | 2013.01.21

 昨年6月にアルバム『リヴスコール』をリリースしたTHE BACK HORN。震災を受けて、今の自分達に何が出来るのか?と葛藤し続けた中で生まれた作品を引っさげ、9月から全国ツアーをスタートさせた。台湾や韓国といった海外での公演も含まれた今回のツアー、その35本目は1月6日、日本武道館。彼らにとって武道館公演は、これで2度目となる。

 客席の電気が落ちると、穏やかで柔らかい、しかしどこか切なさを帯びたSEが流れ始める。すると、真っ黒なスクリーンに白いラインが現れた。その白線がスクリーンの上をゆっくりと伸びて行き、木々や動物など豊かな自然を描いた生命力を感じさせる絵画となる。SEに合わせてオーディエンス達の手拍子が、4人の登場で歓迎の拍手へと変わり、ライヴは「トロイメライ」からスタート。緩やかな光が曲調と相まって徐々に力強くなり、会場中に広がって行く。「こんばんは、THE BACK HORNです」。山田将司(Vo.)の一言に大歓声が上がり、「シリウス」、そして「声」へとなだれ込み、ライブはそこから一気に疾走し始めた。
「全国各地で熱いライブを繰り広げてきて、素晴らしい瞬間を味わってきました。『リヴスコール』というタイトルには、生きている実感を味わいたいという想いも込められてます。濃密な空間を作って行きたいと思ってますので、最後までよろしくお願いします!」
熱の入った松田晋二(Dr.)のMCに、オーディエンス達が熱い歓声で応える。

 そして轟音。「墓石フィーバー」へ。真っ暗な中で赤い照明が激しく点滅しているため、メンバー達の姿はほとんど見えない。そんな怪しげな闇の中で、音達が凄まじい熱量を生み出しながら渦を巻いている。この日のセットリストは、アルバム『リヴスコール』を軸にして、そこに過去の曲を入れ込んでいくものだったが、アルバムの中でもヘヴィな雰囲気を持つ「超常現象」「グレイゾーン」といった楽曲達を立て続けに披露。「いつものドアを」では、岡峰光舟(Ba.)はひざまずきながら、身体を激しくしならせてベースを鳴らし、菅波栄純(Gt.)の痛烈な悲鳴にも似たシャウトが胸を締めつける。

 そんな重厚な空気の中で聴こえてきたのは「風の詩」。美しくも儚さを持った穏やかなバンドアンサンブルが、一気に世界を変える。そこから続けて披露された「美しい名前」は、会場を優しく、そして力強く包み上げ、先ほどまで会場全体を飲み込んでいた闇を浄化していくように思えた。

「なんか濃密な感じがしますね。皆様方どうですか?」と松田がメンバーに話をふると、そこからはMCタイムへ。菅波が結構早いタイミングから脇の下をつっていたことを暴露したり、柔道経験者である岡峰が、日本武道館が出来たキッカケでもある「東京オリンピック」の柔道の試合について熱弁したり、それを聞いていた山田が「バーン!って(受け身を)しなくていいの?」と尋ねてみたりと、オーディエンスの笑いを誘っていた。

 そんなアットホームな雰囲気から一気にギアを入れ、怒濤の後半戦に突入。ダンサブルな「星降る夜のビート」に続き、イントロで歓声が上がった「コバルトブルー」「戦う君よ」でオーディエンス達は大合唱。山田も客席に向かってマイクを向ける。立て続けに披露されたアッパーチューンに熱狂した客席から、メンバー達を呼ぶ声が止まらない。
「なかなか頻繁に会えないけど、THE BACK HORNはいつでもステージにいるから。いいことばっかじゃないけどさ、また“ワーッ!”ってやりにきてくれよ! 本当にありがとう!」
山田のMCの後、届けられたラストナンバーは「世界中に花束を」。震災直後にチャリティーシングルとして緊急配信したこの曲は、『リヴスコール』へと繋がる始まりの曲であり、THE BACK HORNが音楽を鳴らす意味が刻まれている。全てを照らし出すような圧倒的なまでの光を放ちながら、祈るように、そして誓うように全身全霊で音を奏でている4人と、一緒に声を張り上げているオーディエンス達の姿が印象的だった。

「なんだかんだ、音楽最高ですね!」

 そんな松田の一言で始まったアンコールで、アルバムのラストナンバーである「ミュージック」を披露。音楽への喜びや決意がみなぎった感動的なステージだった。2度目の武道館公演を大歓声の中で幕を降ろした彼らは、この旅を完結させるために宮古、大船渡、石巻での追加公演へと向かっていった。

 今回の武道館公演は、3月27日にライブDVDとしてリリースされる。それに先立ち、2月6日には今回のツアーで収録したライブCDも発売。彼らが巻き起こして来た生命の嵐を、再び感じて欲しい。

【取材・文:山口哲生】
【撮影:ほりたよしか】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル THE BACK HORN

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リリース情報

リヴスコール(初回限定盤)

リヴスコール(初回限定盤)

2012年06月06日

ビクターエンタテインメント

ディスク:1
1.トロイメライ
2.シリウス
3.シンフォニア
4.グレイゾーン
5.いつものドアを
6.風の詩
7.星降る夜のビート
8.超常現象
9.反撃の世代
10.自由
11.世界中に花束を
12.ラピスラズリ
13.ミュージック
ディスク:2
1.「シリウス」ビデオクリップ
2.「シンフォニア<1CutVer.>」ビデオクリップ
3.「世界中に花束を」ビデオクリップ
4.レコーディングドキュメント

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セットリスト

「KYO-MEIツアー」~リヴスコール~
2013.1.6@日本武道館

  1. トロイメライ
  2. シリウス
  3. 墓石フィーバー
  4. 超常現象
  5. グレイゾーン
  6. 閉ざされた世界
  7. いつものドアを
  8. 風の詩
  9. 美しい名前
  10. 自由
  11. 星降る夜のビート
  12. コバルトブルー
  13. 戦う君よ
  14. シンフォニア
  15. 世界中に花束を
ENCORE
  1. ミュージック
  2. ラピスラズリ
  3. サイレン

お知らせ

■ライブ情報

New Audiogram ver.6.1
2013/03/15(金)Shibuya O-EAST

HAPPY JACK 2013
2013/03/16(土)熊本DRUMBe-9V1,V2,V3,Django,ぺいあのPLUS’
2013/03/17(日)熊本DRUMBe-9V1,V2,V3,Django,ぺいあのPLUS’

SANUKI ROCK COLOSSEUM」
~BUSTA CUP 4th round~

※山田将司ソロでの出演です。
2013/03/20(水・祝)
【有料会場】高松オリーブホール、高松 DIME、高松 MONSTER、 高松 SUMUS Cafe、ジャンヌガーデン特設ステージ
【無料会場】瓦町駅地下広場(天地下ブリスク)、ジャンヌガーデン

ART-SCHOOL presents
「KINOSHITA NIGHT 2013」

2013/03/23(土)SHIBUYA-AX

MAN WITH A MISSION TOUR 2013
~あなたの街に19ヨツアー 完全版~

2013/04/26(金)山形Session
2013/04/24(水)郡山Hip Shot Japan
2013/04/23(火)つくば PARKDINER

ARABAKI ROCK FEST.13
2013/04/27(土)みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく※雨天決行
2013/04/28(日)みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく※雨天決行

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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