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aiko、自身初となったさいたまスーパーアリーナでのライブの模様をレポート!

aiko | 2013.03.12

 昨年、4ヶ月半にわたって行われた全国ツアー『LOVE LIKE POP vol.15』の追加公演として開催された今回のアリーナツアー。aikoがさいたまスーパーアリーナでライヴをするのは意外にも初めてだということも新鮮味として加わりながら、本編とは内容も演出もガラリと変えた、盛りだくさんの約3時間。ライヴは会場が暗転すると赤い緞帳にまずはシルエットで登場し「ジェット」を歌い始めるところからスタート。観客全員に配られたLED内臓のリストバンドが一斉にカラフルな光を放つ、エネルギッシュでワクワクする幕開けだった。

 続く「白い道」ではやわらかなaikoの声が、オーディエンスの興奮をひとつにまとめあげていく。Tシャツにスキニーパンツのカジュアルな衣装でスポーティに動きまわる彼女だけれど、その歌声はとても上質。滑らかな艶としなやかな強さ溢れるこの声は、15年もの間、多くのファンを引きつけてきた魅力のひとつ。「猫」ではステージからアリーナ後方へ向かって伸びる片道64メートルの花道を歌いながら歩き、前に、後ろにと向きを変えながらサイドの観客にも真っ直ぐに歌いかけた。

 MCでは、シングル「カブトムシ」のジャケ写撮影に大遅刻してきた当時のマネージャーの話と、その時に撮った、まるで演歌歌手のようなaikoの写真を見せてみんなを笑わせたりもした。彼女のライブでのお客さんとのコミュニケーションの取り方は絶妙で、まるで十数年来の友達のような距離感で会話をする。デビューから15年、多くの楽曲を生み出し、その都度リスナーは彼女の歌と自分自身の心で会話をしてきたのと同じように、aiko本人ともこうして繋がれる場所がライヴなのだ。そんな彼女が「より道」を歌い出すと、ふと<誰かに想われている>ことの嬉しい感覚で心がいっぱいになった。この広い会場にいる全てのひとりひとりに歌を届けようとするaikoの想いは強くて温かい。

 ホーン・セクションの華やかさと手拍子の上にふんわりと乗るaikoの歌声が心地良かった「ココア」から「恋のスーパーボール」への流れも素晴らしかった。しかし「Aka」の終わりにステージの上部に十数名のストリングス隊が現れて見とれているうちに、花道の上には円柱状の布で覆われた空間が登場していたのにはびっくり! その布がはらりと取り払われると緑や赤や青の色使いがキュートなワンピースに着替えたaikoが登場するという演出が見どころ。小さなセンターステージにバンドのメンバーが円になって演奏を始めると、aikoの頭上にはまるで光の屋根が舞い降りてくるような照明の演出が。そして彼女がひとりきりになり、幻想的なムードの中でたっぷりと「カブトムシ」を堪能させてもらった。こうして満ち足りた気持ちが何度も何度も訪れる。

 そして後半は「相合傘」や「be master of life」といったアップナンバーの連発で更に盛り上げる。長い花道を全力で駆け抜け、お客さんを煽る。「桜の時」や「beat」を歌ったアンコールの最後の最後まで全力でこのライヴを楽しい時間にしようとするaikoの姿が胸を打つ。生声による「また遊ぼうね、遊んでやってくださーい!」という叫びも、きっと全員に届いたことだろう。デビュー15周年というアニバーサリー・イヤーを、たくさんの愛すべき曲達と、その曲達と一緒に生きてきたオーディエンスとの大切な繋がりと共に迎えた、aiko。その大きな歓声が彼女をステージへと駆り立て続ける原動力そのものなのだろう。

【取材・文:上野三樹】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル aiko

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リリース情報

15[DVD]

15[DVD]

2013年04月03日

ポニーキャニオン

2011年開催のライブハウスツアー『Love Like Rock vol.5』
2012年8月開催の野外ゲリラライブ『Love Like Aloha vol.4』
2013年開催のアリーナツアー『Love Like Pop vol.15add.』
と、3種の異なるライブ映像を収録したDVD3枚組BOX。
※初回限定封入特典:パスステッカー2枚

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セットリスト

aiko Live Tour「Love Like Pop vol.15 add.」
2013.2.23@さいたまスーパーアリーナ

  1. ジェット
  2. 白い道
  3. Power of Love
  4. より道
  5. ココア
  6. 恋のスーパーボール
  7. くちびる
  8. Aka
  9. 傷跡
  10. 二時頃
  11. カブトムシ
  12. ぬけがら
  13. 運命
  14. 相合傘
  15. キスする前に
  16. be master of life
  17. クラスメイト
ENCORE
  1. 自転車
  2. 桜の時
  3. beat

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