UNISON SQUARE GARDENの自主企画イベントツアーのファイナル、東京の模様をレポート!!
UNISON SQUARE GARDEN | 2013.08.16
現在のUNISON SQUARE GARDEN(以下 : USG)の勢いと自信、そして、”ライヴって凄え楽しい!”そんな情趣が終始ほとばしるライヴであった。
2009年より、毎年行ってきた自主企画イベント『fun time HOLIDAY』。これまでに、THE BACK HORN、the pillows、BIGMAMA、ONE OK ROCK 、a flood of circle、THE NOVEMBERS、メレンゲ等と対バン形式で、東京を中心に、幾つかの都市にて繰り広げられてきた。今年は東名阪にて開催された同イベント。名古屋ではPeople In The Box、大阪ではPOLYSICS、東京では堂島孝平&A.C.Eを迎え敢行された。
各会場毎にセットリストも数曲づつ変えて行ってきた、この「fun time HOLIDAY 5」。リリースツアーやイベント、フェスとも趣きが違う分、楽曲の肝要は押さえつつも、この日、この場でしか楽しめない、そんな選曲や雰囲気が終始会場をFUNな気持ちにさせていた。
まずは堂島孝平が、ドラムに小松シゲル(NONA REEVES)、ベースに鹿島達也、ギターに奥田健介(NONA REEVES)、そして、トランペットに田澤麻美を迎えたバンド、A Crazy Ensemble(=A.C.E)と共に現れる。この時期にぴったりのスプラッシュ感やマジカルさを擁したポップナンバーを連発してくれた彼。『A.C.E.』『A.C.E.2』の2枚の最新アルバム収録曲を中心に、若干この日のUSGのファンに合わせるように、比較的スピーディでノリの良いナンバーが立て続けに放たれる。また、合間合間には、USGとリスペクトし合っている間柄や可愛い事務所の後輩具合がうかがえるMCも。
この日の彼の楽曲群のアクセントは、トランペットと言えよう。80年代のネオアコやブリティッシュポップスを彷彿させる、爽やかでメロディアス、ちょっと青いところもある音楽性やスイートな歌の中、どこか郷愁性を帯びた、トランペットの独特の音色が聴く者の胸をキュンとさせる。そんな青春性溢れる楽曲たちは、しっかりとUSGファンの心もグリップ。初見者が多かったにも関わらず、終演後の万雷の拍手はしばらく止むことがなかった。加え、この日は予定に無かった、アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のオープニングテーマであった「葛飾ラプソディー」も特別に披露。次のUSGへとしっかりとバトンを渡す。
続いてはUSGの登場だ。SEに乗ってメンバー3人がステージに...あれ? 現れたのはドラムの鈴木貴雄のみ。ドラムキットに座り、いきなりソロを叩き始める。全く予想外の展開だ。”やられた!!”と思う間もなく、鈴木の放つドラミングが高揚感と興奮を引き連れて襲ってくる。後半の超絶ドラムソロがクライマックスを告げる中、ボーカル&ギターの斎藤宏介とベースの田淵智也もステージに出現。そのまま1曲目の「23:25」に入る。「お待たせしました?! 東京?!!」と斎藤。頭からノリの良いナンバーが会場中を掌握にかかる。田淵も2ステップを交えたアクティブなアクションでベースをプレイ。楽曲はもとより、目の惹きどころ満載のライヴバンド・USGをいきなり大展開していく。続いて、ダンサブルだけどスリリングさとドライヴ感も魅力の「プロトラクト・カウントダウン」、乾いたギターカッティングが会場の熱狂度を上げた「デイライ協奏楽団」と、オープニングから会場も自分達なりの楽しみ方でリアクションしてくる。
「今日は俺達も好きにやるから、みんなも自由に楽しんで」との斎藤のMCの後、スカの裏打ちカッティングの軽快さが会場を軽やかな気持ちにさせた「チャイルドフッド・スーパーノヴァ」、田淵の声も時に重なり、歌にふくよかさを与えた「kid,I like quartet」、ロカビリーな雰囲気が会場をグッとステージに引き寄せた「like coffeeのおまじない」、そして、「リニアブルーを聴きながら」では、会場も”待ってました!!”と大驚喜。この曲を機に多くの新規ファンが増えたことを、会場を見回し改めて実感できた。
「花火大会(隅田川)を始め、他にも色々と楽しいことがある中、こんな自主企画のライヴを選んでくれるなんて、みんな物好きだよ(笑)」としゃべり出す斎藤。その言葉には、もちろん愛着と感謝が滲み出ていた。
そして、「USGのレパートリー中、1?2を争うおバカソングが出来ました」と新曲「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」を披露。歌詞の内容はともかく、会場中を熱くさせた情熱性たっぷりのラテンポップ調の同曲。すぐに覚えられそうなキャッチ―な楽曲で、新曲にも関わらず2番からは、既にみんなが一緒に歌っていたのも印象深い。ホーンとパーカッションも同期。会場に思い思いのおバカなダンスの花が咲いていく。
ここからは後半戦。ステージの熱気も会場のボルテージもグングン上がっていく。中でも田淵が狂ったように踊りまくりながらプレイし、鈴木もドラムを叩きまくった「カラクリカルカレ」、会場に楽しげなスイング感を行き渡らせた「シャンデリア・ワルツ」、そして、本編ラストの「to the CIDER ROAD」では、各人思いっ切りFUN TIMEを満喫。お互いがかけがえのないひと時を共有した。
アンコール。と、その前に、まずは田淵が、「USGのライヴは<さぁ、みんなで一緒に>的な一体感の強要がなくても充分楽しめると自負してる。だからみんなはステージだけを観て、安心して楽しんでくれればいい。そんな中、もし、『ステージを観ていても全然楽しくなかった』という人がいたら、それは僕たちの力不足であり、どうぞUSGのせいにして下さい。でも、ステージを観ていて、どうしても楽しくて楽しくてしかたないと思ったら、その時は、どうかUSGのせいにして下さい!」との名言を残す。これに賛同するように、ステージに向けて、”今日も楽しいステージをありがとう!!”的な拍手が、しばらくの間、贈られた。
アンコールは3曲。その1曲目は新曲「桜のあと」だった。タイトルから、しんみりした内容を想像していたが、こちらはまことにUSGらしい勢いのある中に幾つものフックを隠し持っているナンバー。ハミングも印象的で、転調して大サビに入るところではかなりグッときた。そして、「crazy birthday」が会場をパーティ場へと急変させ、ラストの「場違いハミングバード」では、鈴木もスタンディングドラム、斎藤もギターソロをこれでもかと放ち、最後の最後まで会場を高見へと引き上げていく。
普段あまり披露しないナンバーが比較的ふんだんに盛り込まれていた、この日のセットリスト。にも関わらず、キチンと終始盛り上がりをキープし、客席の一人ひとりに楽しく踊り出したくさせる時間を与えてくれたところは、”さすがはUSG!!”と膝を打った。そんな、彼らのその真骨頂が、より体感出来、それらが非常に心強く思えた、この1時間半。彼らはこの夏、各地様々なロックフェスに出演する。今のUSGなら、間違いなくファン/一見さん関係なく、観ていて楽しくって、踊りたくてどうしようもない気持ちにさせてくれることだろう。そう、そんな時は、”こんなに楽しくて楽しくて、忘れられないライヴにしやがって、この野郎!!”と、思いっ切りUSGのせいにしてしまおう。もちろん、嬉しそうな顔をしながら。
【取材・文 池田スカオ和宏】
【撮影 森 久(Hisashi Mori)】
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リリース情報
CIDER ROAD(初回盤)
2013年02月06日
トイズファクトリー
2. ため息 shooting the MOON
3. リニアブルーを聴きながら
4. like coffeeのおまじない
5. お人好しカメレオン
6. 光のどけき春の日に
7. クロスハート1号線(advantage in a long time)
8. セレナーデが止まらない
9. 流星のスコール
10. Miss.サンディ
11. crazy birthday
12. 君はともだち
13. シャンデリア・ワルツ
ディスク:2
1. シャンデリア・ワルツ
2. クロスハート1号線(advantage in a long time)
3. リニアブルーを聴きながら
4. ガリレオのショーケース
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リリース情報
UNISON SQUARE GARDEN ONEMAN TOUR2012 SPECIAL~Spring Spring Spring~at ZEPP TOKYO 20120421 [DVD]
2013年02月06日
トイズファクトリー
2. フルカラープログラム
3. プロトラクト・カウントダウン
4. 23:25
5. 空の飛び方
6. デイライ協奏楽団
7. スカースデイル
8. 誰かが忘れているかも知れない僕らに大事な001の事
9. マスターボリューム
10. スペシャルメドレー(ライドオンタイム~等身大の地球〜MR.アンディ〜CAPACITY超える ~ワールドワイド~スーパーガ―ル〜コーヒーカップシンドローム〜センチメンタルピリオド~ドラムsolo〜ガリレオのショーケース)
11. シャンデリア・ワルツ
12. クローバー
13. シュプレヒコール〜世界が終わる前に〜
14. cody beats
15. オリオンをなぞる
16. 場違いハミングバード
17. アイラブニージュー
18. サンポサキマイライフ
19. kid,I like quartet
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セットリスト
fun time HOLIDAY 5
2013.7.27@五反田ゆうぽうとホール
w/堂島孝平
- 23:25
- プロトラクト・カウントダウン
- デイライ協奏楽団
- チャイルドフッド・スーパーノヴァ
- kid,I like quartet
- like coffeeのおまじない
- リニアブルーを聴きながら
- 僕は君になりたい
- 徹頭徹尾夜な夜なドライブ(新曲)
- さよならサマータイムマシン
- カラクリカルカレ
- シャンデリア・ワルツ
- to the CIDER ROAD
- 桜のあと(all quartet lead to the?)(新曲)
- crazy birthday
- 場違いハミングバード
お知らせ
UKFC on the Road 2013
2013/08/20(火)新木場スタジオコースト
Re:mix 2013
2013/08/24(土)名古屋 新栄CLUB Diamond Hall & APOLLO THEATER
TREASURE05X 〜sweet 10 treasures〜
2013/08/31(土)愛知 蒲郡ラグーナビーチ
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LIQUIDROOM 9th ANNIVERSARY presents "UNDER THE INFLUENCE"
2013/09/19(木)恵比寿 LIQUIDROOM
イナズマロック フェス 2013
2013/09/22(日)滋賀県草津市 烏丸半島芝生広場
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。