ユニゾン流バラード!? タイバニと3度目のタッグを組んだ「harmonized finale」
UNISON SQUARE GARDEN | 2014.02.04
- EMTG:もはやUNISON SQUARE GARDENと『TIGER & BUNNY』は、切っても切れない関係性ですけど、どうしてそうなれたと思いますか?
- 鈴木貴雄(Dr):理念みたいなものが共通しているんですよね。僕は特に共感するのは、タイバニの、本来は弱い人が涙を隠して、笑顔を見せながら努力しているヒーロー像と、僕がいち人間としてなりたい理想像が一致しているところで。だから、バンドがタイバニに寄せて曲を書くのではなく、バンドがあるべき姿を追求していったら、僕が理想とする人間を追求していったら、タイバニとリンクしていったんだと思います。
- EMTG:それだけ理念がリンクしている中で、今回の『harmonized finale』を作る時には、どういうことを考えていたんでしょう。
- 田淵智也(B):「使っていただいて説得力があるもの」っていうのは念頭に置いていたと思います。タイアップをやる時って、ファンから見てバンドの軸がブレて見えないように考えているんですね。(初めて『TIGER & BUNNY』のタイアップとなった)『オリオンをなぞる』の時に、ある程度バンドの形が出来上がっていたからこそ、そんなにブレて見えてなかったと思うんです。『オリオンをなぞる』の時には、話さえくれればホームランは打てるっていう準備はしていて、そのタイミングで運良く来た話が『TIGER & BUNNY』だったから。
- EMTG:ストーリーそのものを意識したところはありました?
- 田淵:ストーリーはそんなに聞いていなかったんですけど、曲が流れて終わった時に、作品を含めて、「あ、終わったんだっていう感じが出ればいいなって。テレビアニメから続いて映画になって、その終着点を歌で押し出せればいいかなって思いましたね。
- EMTG:終わった感じを出すとはいえ、単純にバラードとかではないところがユニゾンらしいというか。
- 田淵:今までの(タイアップとなった)2曲があるから、ある程度間違いないっていう予想はされていなきゃいけないし、そういう中で壮大なバラードは出せないですよね(笑)。バラードをシングルにするっていう覚悟もそんなについていないので。
- EMTG:そう言えば、ユニゾンのバラードのシングルってないですね。
- 田淵:「やりたい!」って言っていた時期はあったんですけど、「ダメ!」って言われて、だんだんどうでも良くなってきました(笑)。
- 鈴木:でも、今、聞いていて思ったんですけど、『harmonized finale』はユニゾンのバラードかもしれないですね。いわゆるバラードというと、テンポが遅くて聴いていると歌詞が入ってくると思うんですけど。例を出すなら槇原(敬之)さんや、バンドならback numberがやっているもの。ああいうスタイルをユニゾンがやったとしたら、今の武器では彼らに勝るものはできないと思うんですね、僕は正直。でも、そのユニゾンがバラードっぽい曲を作って勝負するならこういう曲なんじゃないかなって。バンド感が出た上でメロディが切なくて、歌詞もいつもに比べればちょっと隙間があって。
- EMTG:各々によってバラードには様々な形がある、って面白いですね。
- 鈴木:そうですね。数多バンドがいる中で、戦える武器を持ってバラード業界に乗り込んでいかないといけないと思うので(笑)。
- EMTG:バラード業界は、鉄壁なところがありますからね(笑)。斎藤さんの歌が真っ直ぐに聴こえてくるというところでも、所謂バラードに勝るとも劣らない魅力が出ていると思います。
- 斎藤宏介(Vo):今までのシングルでは使っていない自分の中での表現方法がようやく使える感覚があって。隙間まで使える感じを楽しみながらできたと思います。曲が持っている雰囲気をより強くできる歌が歌えたかな、と。
- EMTG:使ってみたい表現方法ではあったんですか?
- 斎藤:第一には、曲に合うやり方を考えるので、使えないことが嫌だったっていうわけでは全然ないんですけど、自分の中の引き出しにあるけど、なかなか使う機会がないって思っていたところは確かにあったので、そういう部分を今回は多分に使えたっていう感覚ですね。
- EMTG:歌詞に関しては《今日が今日で続いていきますように》っていう一節が気になったんですけど、普段から田淵さんが考えていることだったりするんですか?
- 田淵:やっぱり、一秒後にいきなり大金持ちになるわけじゃないし、大きい変化ってそう簡単に起こらないと思うんですよね。そういう現実感のある話ですって言いたかったのかな。やっぱり、よくある夢や希望を見せるものにしないっていう、リアリズム的なものが自分の大元にある気がして。夢を見るために音楽を聴いている人たちばかりじゃないし、音楽がなくても生きていけるけど、あったらそれなりによかったっていう人にも伝えられればいいかなって。そういう中で出てきた答えが、現実は現実であり続けるっていうことだったと思うんですよね。その歌詞を無理矢理読み解くとするなら。
- EMTG:ポップソングは、ロックバンドは夢を見せるべき、っていう考え方もあるとは思うんですけど、そこには囚われていないと。
- 田淵:お客さんが勝手に見るのはいいですけど、こっちが「夢を見せるぞ!」っていうのは、そんな荷物重いのはちょっとしんどいですね。
- EMTG:斎藤さんは、そのへんについてどう思います?
- 斎藤:難しいですけどね……どっちにも良さがあると思うんですけど。物凄いイケメンが「永遠に一緒だよって言ってくれたら嬉しいと思うし(笑)、僕らの中にそういう要素がなかったので。これが僕らのできるベストではあるなって。自分たちの好きなバンドが大切なものを楽しそうにやっている様子を焼き付けてもらって、自分はどうするかっていう自立した考え方を持ってもらえるなら嬉しいですね。
- EMTG:また、シングル全体としてもバランスがいい仕上がりになりましたよね。
- 田淵:今回は最近の中では一番バランスいいと思うんですよね。ここ数作は、もう一人くらい気に入ってくれる人がいたらシングルになったのかなって、泣く泣くカップリングに入れた曲もあったので。カップリングにカップリングらしいものを入れられるのは、ここ最近なかったから。表題曲に対して戦おうとしていない、なのにカッコいいものが入っている方が理想のシングルになるんじゃないかな。そういう意味で、いいバランスだと思います。
UNISON SQUARE GARDENが、ニューシングル『harmonized finale』を完成させた。映画『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-』の主題歌であり、彼らがこのアニメのタイアップを務めるのは3作目となる。彼らの名と音をより知らしめるキッカケにもなったアニメが、一区切りを迎える機会に届けられたのは、冒頭からピアノがきらめく、伸びやかな歌と爽快なスピード感が心地好いナンバー。切なさを仕舞い込んで立ち上がるような歌詞もリアルだ。カップリングも、ライヴが楽しみになる激しい楽曲から、春を描いたバラードまで、実に多彩。2月からはじまる、約1年ぶりのワンマンツアーも楽しみになる。
【取材・文:高橋美穂】
関連記事
-
UNISON SQUARE GARDEN
-
UNISON SQUARE GARDEN
「ユニゾンのライブは余計なことはいらない。いい曲を届けるだけ……これからもよろしくお願いします」と斎藤は言う。リスナー側に必要以上に迎合せず、自分たちの美学を突き詰める姿は実に眩しく、魅力的だ。
-
UNISON SQUARE GARDEN
-
UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDEN、来年のバンド結成日に初日本武道館ワンマン「fun time 724」の開催発表!
-
UNISON SQUARE GARDEN
-
UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDENニューアルバム『Catcher In The Spy』発売記念、歴代MV一挙フルサイズ公開
-
UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDENニューアルバム「Catcher In The Spy」iTunes予約スタート、「ROCK IN JAPAN FES. 2014」でも新曲を披露!
-
UNISON SQUARE GARDEN
-
UNISON SQUARE GARDEN
-
UNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDEN斎藤宏介復活!「METROCK」ライブ大成功&6月に自主企画イベント「fun time ACCIDENT」開催決定!
リリース情報
お知らせ
●田淵智也(B)
風邪 喉 治らない
この一ヶ月、ずっと検索し続けてます。人生で初めてくらい、こんなに引きずってます。喉が治らなくて、喋りづらい。ありとあらゆる手段を試してます。はちみつ大根まで作ったのに、ダメでした。これが公開される時までに治ってなかったら、別の病気ですね(苦笑)。精神的にもボロボロです……毎朝起きて、「ああ治ってない」。もともと慢性鼻炎持ちなんで、そこからまず治していきたいなと。
●斎藤宏介(Vo&G)
fuelband
[Champagne]のイベントに出た時に、スポンサーのNIKEさんにいただきました。1日にどれくらい体を動かしたかがわかる。万歩計とも消費カロリーとも違うんですけど、1日腕に着けていると、自分が一番生活している時間帯がわかる。僕の年の成人男性は1日2,500fuel使うみたいですけど、昨日丸1日初めて着けたら、1,700だったんです。ダメだなって思って、今日はエスカレーター使わずに階段を使ってきました(笑)。ツアーに向けての体作りということで。
●鈴木貴雄(Dr)
ボルダリング
最近スポーツマンになりました(笑)、中高で部活も入っていなかったのに、ドラムのためですね。前は水泳とジムだったんですけど、今はジムとボルダリング。楽しいですよ。意外とやれるところがあって、渋谷、新宿、池袋、恵比寿、中野、下北、経堂……。登り方も調べていて。立ち方ひとつでも奥深いんです。体幹に一番効くから、ドラムやってる時の姿勢も良くなりましたね。
■ライブ情報
UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2014 “桜のまえ”
2014/2/09(日)高知県 X-pt.
2014/2/11(火・祝)福岡県 福岡DRUM LOGOS
2014/2/15(土)岡山県 岡山CRAZY MAMA KINGDOM
2014/2/22(土)石川県 金沢EIGHT HALL
2014/3/02(日)北海道 札幌PENNY LANE24
2014/3/07(金)新潟県 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2014/3/09(日)宮城県 仙台Rensa
2014/3/15(土)愛知県 Zepp Nagoya
2014/3/16(日)大阪府 Zepp Namba
2014/3/21(金・祝)東京都 Zepp Tokyo
2014/3/22(土)東京都 Zepp Tokyo
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。