藤井フミヤ、“復活!カウントダウンライブ青春「50日前夜祭」”を開催!
藤井フミヤ | 2013.11.20
現在、デビュー30周年アニバーサリーツアーを展開中の藤井フミヤが、11月12日、東京・SHIBUYA-AXでスペシャルライヴを行った。
9月からスタートした前述の全国ツアー「藤井フミヤ 30TH ANNIVERSARY TOUR vol.1 青春」は、バンド時代を思い出す懐かしい曲がズラリと並ぶ、アニバーサリーならではのセットリストだ。そのチケットは各地で軒並みソールドアウトし、プレミア化している。
そんな全国の“熱望”を受け取り、先日、5年ぶりとなる日本武道館でのカウントダウン・ライヴが発表されたばかりだが、このお祭りに先駆け、この日、前夜祭が開催された。
フロアは、ぎっしりとお客さんで埋め尽くされていた。ステージ上は、楽器とマイク、モニターやアンプだけ。そのシンプルなステージ・セットが、ライヴハウスならではのスペシャル感を証明していた。
会場が暗転する。まだ薄暗いステージに、藤井フミヤが歩み出てくる。歓声。ぐらりと人の波がゆれる。今日は客席の環境もスペシャル。スタンディングだ。
「ようこそ、SHIBUYA-AXへ。詰まってんな、大丈夫か?」とフミヤ。大丈夫という観客のレスポンスに「そうか、大丈夫だよな、近いしな」とひとこと。そして、フミヤの「ワン,ツー,スリー,フォー」というカウントから、ライヴはスタートした。
序盤。「Jim&Janeの伝説」のイントロとエンディングでは、この曲がリリースされた当時を彷彿させるアクションを披露。マイクスタンドの前で横を向き、両足を上下に開いて床にストンと落ちる。その直後、バネを使い逆モーションのように立ち上がり、マイクスタンドを握る……を瞬時に見せるしなやかなパフォーマンスだ。「WANDERRER」では、今回のツアーにバンドメンバーとして参加している弟・藤井尚之がコーラスをとる。二次元だった記憶が、五感を刺激しながら目の前でどんどん立体化していった。
全国ツアー中のスペシャル・ライヴということもあり、MCもいつもよりちょっと長目でリラックスしたムードで進行。ギュー詰めのフロアの様子に、本人から、こんなひとことが飛び出した。
「久しぶりのSHIBUYA-AXですけど、皆さん、頭だけ出てて、畑みたい(笑)」
観客の反応は様々。大笑いする人もいれば、ひどいーとつっこむ人もチラホラ。また、別ブロックでのMCでこの年末に復活するカウントダウン公演のことに触れると、客席からすかさず「来年はー?」と質問が飛び、本人が思わず「わからないよ、そんなの!」と本音でつっこむ場面も。こんなフレンドリーなやりとりの効果もあったのか、会場のムードがリラックスし、徐々に個々のテンションが解放されていく。この解放感が、ステージと観客のラインを無くしたのだろう。後半のライヴの一体感は、いつもフミヤが言っている「一緒に遊ぼうぜ」状態そのものだった。
後半。ステージ上のカラフルなライトが、高揚した客席を旋回する。ステージと一緒に明るくなるSHIBUYA-AX。熱気と笑顔がライヴハウスを駆け巡る。汗だくの本人。びしょ濡れの観客。フミヤが観客にマイクを向ければ、迷いなく出てくるメロディーと言葉。そのタイミングも言葉も、それぞれの身体に記憶されている。記憶が、自分の声で立体化されていく。フミヤと観客のシャウト合戦。観客の絶叫にノックアウトされたジェスチャーを挟み込み、客席を煽りながら、負けるか! と、さらに大声を張り上げるフミヤ。お互いのテンションに直結するような大声が何度も会場内を交差した。
ライヴはラストへ向かう。テンションもマックスの観客の中に、投げ込まれたのは「HEART IS GUN?ピストルを手に入れた夜?」。そして「おまえが嫌いだ」。両曲とも、テンポの速いロックンロールナンバーだ。バンド時代、ライヴの“ひとつの側面”をずっと担ってきた、前者アルバム曲、後者・シングルB面曲。スカビートとエイトビートの違いはあるが、両曲ともアッパーなロックンロールで、ライヴ映えする曲ということもあり、ファンに人気が高い曲である。
本ツアーでは演奏されていないこの日のスペシャルメニューに、イントロだけで大絶叫が起こる。間髪いれずビートに飛び乗り、一緒に歌い始める観客。フミヤも狭いステージを左右に動き、ステップを繰り返しながら、声を張り上げる。時に前かがみになり、全身を使い、ブレスも忘れて歌い続ける。レッドゾーンを振り切り、最後は「ウワーッ!」とシャウトしたフミヤは、「サンキュー!」という言葉とともに、ステージを後にした。
アンコールに応え、再びステージに登場した藤井フミヤ。その頬が、熱気で少し赤い。ホールツアーではなかなか気付かない、ライヴの顔か。バラードを1曲披露した後、この日、最後のMCへ。本編後半の盛り上がりに「そっちも疲れるかもしれないけど、こっちも疲れるんだから(笑)」と、軽く笑いをとった後、こう続けた。
「今日は集まっていただき、ありがとうございました。この間の日曜日(=11月10日)かな。私、ソロ20周年を迎えまして。チェッカーズで10年、ソロで20年、足して30年です。30年は長いよ、30ひくといくつ?何年?もう完全に昭和だよね(笑)」
会場から“イエーイ”という歓声と笑いが起こる。フミヤが、笑顔で告げる。
「ツアーのVol.2が決定しております」
この日1番の大歓声。フミヤがアナウンスする。
「2014年8月からスタートします。初日は8月16日となっております!」
客席、喧々諤々。え―っ!スタートがおそーい! 場所はどこ、何カ所、何カ月などと、思い思いの気持ちが乱れ飛ぶ。フミヤは、「そのリアクション、なんだよ!」と笑いながら、この日最後の曲を歌った。
エンディング。くるりと客席に背を向け、コンダクターの如く、バンドサウンドをまとめたフミヤは、正面に向きなおり、両手を広げると、深く一礼した。
「急(なライヴ)だったけど、集まってくれてありがとうございました。また、遊ぼうぜ!」
12月31日のカウントダウンライヴの向こうには、2014年のツアーが待っている。アニバーサリーツアーの第二弾となるこのツアーの詳細は、決定次第、順次、オフィシャルHPなどで発表されていくので、それまでしばらくお待ちを。
アニバーサリーは続く。遊びは、まだまだ終わらない。
【取材・文:伊藤亜希】
【撮影:三浦憲治】
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お知らせ
藤井フミヤ 30TH ANNIVERSARY TOUR
vol.1 青春
2013/09/21(土)神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール
2013/09/22(日)神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール
2013/09/26(木)大阪 岸和田市立浪切ホール
2013/09/28(土)香川 サンポートホール高松
2013/09/29(日)広島 広島アステールプラザ
2013/10/04(金)福岡 石橋文化ホール
2013/10/06(日)埼玉 狭山市市民会館
2013/10/11(金)秋田 大仙市大曲市民会館
2013/10/12(土)宮城 東京エレクトロンホール宮城
2013/10/14(月・祝)栃木 佐野市文化会館
2013/10/19(土)滋賀 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
2013/10/20(日)兵庫 神戸国際会館 こくさいホール
2013/10/23(水)埼玉 三郷市文化会館
2013/10/26(土)長野 塩尻市レザンホール
2013/10/27(日)静岡 静岡市清水文化会館 マリナート・大ホール
2013/10/31(木)東京 渋谷公会堂
2013/11/01(金)三重 三県総合文化センター
2013/11/03(日・祝)新潟 柏崎市文化会館アルフォーレ
2013/11/04(月・休)石川 本多の森ホール
2013/11/09(土)神奈川 伊勢原市民文化会館
2013/11/10(日)東京 中野サンプラザ
2013/11/16(土)兵庫 姫路市文化センター
2013/11/17(日)熊本 市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)
2013/11/23(土・祝)大阪 オリックス劇場
2013/11/24(日)大阪 オリックス劇場
2013/11/30(土)奈良 なら100年会館
2013/12/01(日)愛知 名古屋国際会議場 センチュリーホール
2013/12/05(木)山梨 コラニー文化ホール
2013/12/07(土)千葉 市川市文化会館
2013/12/08(日)千葉 市川市文化会館
2013/12/14(土)大阪 フェスティバルホール
2013/12/15(日)大阪 フェスティバルホール
2013/12/19(木)大阪 堺市民会館
2013/12/21(土)鹿児島 宝山ホール(県文化センター)
2013/12/22(日)福岡 福岡サンパレス
藤井フミヤ 30周年スペシャルカウントダウンライブ
2013/12/31(火)日本武道館
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。