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クレイジーケンバンド、空飛ぶ円盤で横浜から世界へ!円熟のツアーファイナル

CRAZY KEN BAND | 2013.11.28

 空飛ぶ円盤をイメージしたステージ・セットから横山剣が登場し、アルバムのオープニング曲でもある「円盤 - Flying Saucer -」から、コンサートは元気にスタート。まずは空飛ぶ円盤に乗って、「Hey Que Pasa?」「旅客機」から始まる、クレイジーケンバンドによる音のアジア旅行へと出発だ。韓国・ソウルを舞台にした「ウォーカーヒルズ・ブーガルー」では、新宮虎児が韓国語アナウンスを披露(?)し、香港をイメージした「スージーウォンの世界」「Hong Kong Typhoon」「ランタン」「渾沌料理」では、オリエンタルなムード満載の、アジア歌謡ともいうべきサウンドを聴かせる。さらにタイをテーマにした「タイに行きたい」へと、次々とアジアの国を訪れたかと思えば、なぜか今度は箱根・芦ノ湖に向かい、「箱根スカイライン」が歌われるという、この決まり事のない、何でもありの感じが、彼ららしくて楽しい。そのめくるめく世界観と、バンドの気持ちのいいグルーブ、そして横山剣のボーカルの豊かな表現力で、観客をグイグイと、クレイジーケンバンドの世界へと引き込んでいく。

 さらに「SOUL FOOD」「秋になっちゃった」「シスター・リー」とバラエティに富んだナンバーを聴かせた後、観客からリクエストを募り、「亀」と「太陽のモンテカルロ」をその場で演奏したのだが、これぞライブ・バンドとしてのクレイジーケンバンドの本領発揮だといえるだろう。突然のリクエストを、メンバー全員が打ち合わせもせず、譜面や歌詞も見ずに、ちゃんと演奏してしまうというのは、ライブの回数を相当こなしていないとできないことだ。簡単にやっているようで、実はすごく難しいことなのである。それを涼しい顔してやってしまうのだから、まさにライブに命をかける彼らならではの、そして彼ららしいパフォーマンスだ。

 その後も、“小野瀬雅生ショー”として、彼のギターをフィーチャーしたインストゥルメンタル「UFO BOOGIE」があったり、新作から「廃車復活」「シフトチェンジ」と自動車ものを聴かせたり、“我々の中ヒット曲です”と言って「タイガー&ドラゴン」を歌ったり、ジェイムス・ブラウンの楽曲をメドレーで迫力満点に演奏して、客席が一気にダンス・フロアーと化すなど、次から次へとエンターテインメント性溢れるパフォーマンスが繰り出され、観客をまったく飽きさせず、自然に盛り上げていく。こういったステージ構成の上手さ、そして歌や演奏の充実ぶりなどは、彼らのライブの真骨頂だといえるだろう。メンバー全員、そして観客のみんなの表情が、本当に生き生きとしている。

 そしてラストは「香港グランプリ」から、横山剣がターンテーブルに乗って回転し、“逃げろ!”の一言で、メンバー全員がステージから逃げていく、というおなじみの展開で、コンサートは一旦終了。

 アンコールでは、まず横山剣とスモーキー・テツニのふたりが登場し、横浜の思い出話に花を咲かせつつ、ピアノを弾きながら、「悲しい酒」(美空ひばり)、「瞳のステラ、1962年夏・・・」(柳ジョージ)、「My Home Town?Songs Of Love」(チー坊)、「激しい恋」(西城秀樹)、「Careless Whisper/Wham!」などといった、横浜にまつわる曲や思い出の曲などをひとしきり歌った。その後、メンバー全員と、子供も含む“やるときゃダンサーズ、そして現在子育て休養中の菅原愛子も登場して「やるときやらなきゃ、ダメなのよ。」を披露して、コンサートはますます盛り上がっていく。「木彫りの龍」では、スモーキー・テツニが、“変なおじさん”に変奏したり、横山剣が本物のバイクに乗ってステージに登場するなど、圧巻のパフォーマンスでコンサートは最高潮に達した。

 ダブル・アンコールになり、ステージ後方の幕が上がると、そこにはオーケストラが。そして歌い上げられた「7時77分」「男の滑走路」「地球が一回転する間に」は、ゴージャスでスケールの大きなオーケストラ・サウンドと、ソウルフルなクレイジーケンバンド・サウンドが絶妙に合体し、とても感動的だった。

 終わってみれば、クレイジーケンバンドのライブ・バンドとしての実力の高さと、彼らのライブにかける情熱の熱さ、横山剣のエンターティナーとしての素晴らしさ、そして彼らの横浜という街に対する愛情も感じられた、熱く、楽しく、エネルギッシュなコンサートだった。デビューから15年経った今も、彼らのライブは進化し続けている。

【取材・文:熊谷美広】
【写真提供:ダブルジョイレコーズ】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル CRAZY KEN BAND

リリース情報

FLYING SAUCER(初回限定盤) [CD+DVD]

FLYING SAUCER(初回限定盤) [CD+DVD]

2013年05月22日

ユニバーサル シグマ

1. 円盤 -Flying Saucer-
2. 地球が一回転する間に
3. 太陽 -Sunbeam-
4. Hey Que Pasa?
5. 旅客機
6. 幻灯機 -Magic Lantern-
7. eye catch -Magic Lantern part 2-
8. 7月14日
9. 箱根スカイライン
10. SOUL FOOD
11. eye catch -Platinum tunnel-
12. UFO BOOGIE
13. 宇宙旅行の渡り鳥
14. タイに行きたい
15. 廃車復活
16. インターチェンジ
17. シフト・チェンジ
18. eye catch -Beginning of the End-
19. 興奮
20. SOUL BROTHER 「やさぐれファンク“渋谷路地裏編”」 (Remixed by MURO)
21. ま、いいや

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セットリスト

CRAZY KEN BAND TOUR
"Flying Saucer 2013"
2013.11.14@神奈川県民ホール大ホール

  1. 円盤 -Flying Saucer -
  2. Hey Que Pasa?
  3. 旅客機
  4. ウォーカーヒルズ・ブーガルー
  5. スージー・ウォンの世界
  6. Hong Kong Typhoon
  7. ランタン
  8. 混沌料理
  9. タイに行きたい
  10. 箱根スカイライン
  11. SOUL FOOD
  12. 秋になっちゃった
  13. シスター李
  14. 亀(リクエスト)
  15. 太陽のモンテカルロ(リクエスト)
  16. UFO BOOGIE
  17. 廃車復活
  18. シフトチェンジ
  19. タイガー&ドラゴン
  20. 不良倶楽部
  21. レディ・ムスタング~JBメドレー
  22. 香港グランプリ
Encore 1
クレイジー鍵盤コーナー
(横山剣/スモーキー・テツニ)
  1. あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。
  2. 木彫りの龍
Encore 2
  1. 7時77分
  2. 男の滑走路
  3. 地球が一回転する間に

お知らせ

■ライブ情報

GC グランドフェスティバル 0
2013/12/07(土)横浜港大さん橋ホール

CRAZY KEN BAND SUITE 2013
X’mas Dinner Show

2013/12/22(日)ANAインターコンチネンタルホテル東京 プロミネンス

横浜長者町FRIDAY
※クレイジーケンバンドCLASSIX(※6人編成)
2013/12/09(月)FRIDAY
2013/12/10(火)FRIDAY

カウントダウンライブ
SAYANARA2013 CRAZY KEN BAND SHOW

2013/12/31(火)赤坂BLITZ

ビルボード大阪のクレイジーケンバンド
2014/01/30(木)ビルボードライブ大阪

モーション・ブルーのクレイジーケンバンド
2014/02/01(土)モーション・ブルー・ヨコハマ
2014/02/02(日)モーション・ブルー・ヨコハマ

CRAZY KEN BAND TOUR Flying Saucer 2014
2014/02/07(金)町田市民ホール
2014/03/07(金)パティオ池鯉鮒(知立市文化会館)
2014/03/21(金・祝)府中の森芸術劇場 どりーむホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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