ニューアルバム『NEW PAGE』を引っ提げたFTISLAND ARENA TOUR 2014 - The Passion -のさいたまスーパーアリーナ公演２日目。センターステージから360度見渡す限り大勢のファンに埋め尽くされた会場に、心臓の鼓動と共にステージ上方のスクリーンに映ったハートが伸縮。ファンの高鳴る鼓動と緊張感がリンクする。そこへ黄色い歓声を浴びながら、センターステージから四方向に伸びた花道の端から歩いてメンバーが登場。イ・ホンギの“FTISLAND、飛ばすぞ！”で『NEW PAGE』のオープニングナンバー同様、「BE FREE」でスタートした。バンド感あふれる演奏で疾走する中、ホンギの“カモン！”でBメロの“All my life”を合唱、さらに“Be free”からのサビを一緒に大きな声で歌うファン。早くも一体感あるライブを作り上げた。

　 “みんな元気？ 新曲の勉強は？”の問いかけに、“したー!!”と大きな声で答えるファン。“じゃあいきますか！”と言ってアッパーなロックチューン「NEVERLAND」、“Catch a falling star!”のコール＆レスポンスから「Falling star」と続けて演奏。メンバーが四方面や花道に移動する度、ファンは歓声をあげた。予習ばっちりのファンとの息もぴったり。FTISLANDの新しい音世界の中でメンバーとファンは思いっきり遊ぶ。雰囲気は一転、「beautiful」では、定位置でシリアスな表情のままドラマチックなバンドサウンドと、歌詞に込めた想いを力強いボーカルで聴かせた。

　“暑い、やべえ！ どうですか？”とホンギが問いかけると、大きな声援で応えるファン。ツアータイトル“Passion”の日本語での発音が難しくよく間違ったという話に対して、“今も間違ってるんじゃない？”とイ・ジェジンがツッコむと、“（ジェジンは）いつもほんと面倒くさい”とホンギ。そんなメンバーたちの仲の良さが感じられるやり取りに、ファンは“かわいい！”と声をあげながら爆笑した。そして、チェ・ジョンフンはギターをピアノに、ホンギは通常のマイクをレトロなマイクに持ち替えての「Last Love Song」、チェ・ミンファン以外、全員がボーカルをとる「この歌に願いを込めて」と、バラード曲を感情を込めて歌い上げた。

　“今、準備してる曲を……”と言って、なんと韓国でリリースされるアルバムに収録予定の曲をアカペラで歌い始めたホンギ。一瞬で聴き手の心を掴むメロディを歌う伸びやかな歌声が静まり返った場内に響き渡る。そんなサービス精神旺盛の彼ららしいパフォーマンスにファンは大喜びだった。そして「LIFE」を演奏後、３年前、辛かった時にできた曲であると制作時のエピソードを話し始めたホンギ。最近のFTISLANDは気持ちや考え方が変わり、“夢や目標は一緒だけど、いろんな道がある。その道をちゃんと選ばないといけない。僕らは何やっても、どうなってもいい。でも５人で一緒にやろう、と約束をもう一度しました”と語ると、ファンはあたたかい拍手を贈った。

　本編ラストは「On My Way」。中盤に披露した、３年前の彼らの想いが詰まった「LIFE」に対して、“これは最近の僕らの人生です！”と言って演奏された。“ぼくたちはこの道 go my own way 進んでゆけばいいんだ”と力強く歌う歌声と前向きなサウンドには彼らの意志表明と誇りが溢れていた。

　アンコールではFTISLANDの後輩グループ、S.F.HEROESに扮したメンバーが登場。“今日はFTISLAND先輩のステージを借りて先輩の曲をやります”と言って「未体験Future」を演奏、サビではジャンプしながら合唱した。続く「FREEDOM」ではホンギがステージを降り、アリーナ席とスタンド席の間を歌いながら歩くとファンは大熱狂。FTISLANDに戻ってからも予定外のアンコールも飛び出すほど大盛り上がり。最後はステージ前で手を繋いでバンザイ。ファンは大きな拍手を贈った。ツアータイトル通りFTISLANDメンバーの音楽、バンド、そして夢へのPassion、情熱溢れるステージを観せた。

【取材・文：牧野りえ】