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ケラケラ、東名阪ファイナルはチャレンジ満載のイィ~~ライブ!

ケラケラ | 2015.01.13

 くま、ぞう、いぬ、うま。ステージに置かれた動物のモチーフが、まず私たちを、『ケラケランド』というアルバムの世界へと迎え入れてくれた。そして、RPGのオープニングのような勇ましいSEがピアノの旋律に切り替わると、ステージにメンバーが登場。アコースティックギターを弾くふるっぺ(B)、カホン&シェイカーを担当する森さん(Dr)に続き、MEME(Vo)がゆっくりとスタンバイ。静かに歌い上げたのが「STATION」だった。いつもは元気いっぱいにスタート、が定番なケラケラのライブだが、この日、「ケラケランドツアー」のファイナル公演=O-EASTは、あまりにも意外なかたちで幕を開けた。

 「東京のみなさん!ケラケランドへようこそ。夢の世界がはじまります」というMEMEの元気なあいさつを合図に、明るくポジティブなポップナンバー「ハジマリ」。ステージにはさらに1段高い台が設(しつら)えてあり、森さん、ふるっぺの表情もよく見える。続く「ひとつだけ」では、テンションがあがりすぎて歌いながらステージから落ちそうになったり、モニターに足をひっかけて躓くMEME。「今日はケガしないように盛り上がりましょう!私が一番危ないかもしれないけど(笑)」なんて言いながら、「キズナジャンプ」では、会場みんなでジャンプをして大盛り上がりだ。

 そんなノリノリな流れが一変したのは「本当の私」だった。『ケラケランド』でMEMEが作詞を手がけたこの曲。いつも笑顔いっぱいのMEMEが、嫌われたくないと思う自分、人に頼ることが苦手な自分がイヤだという本音を曝け出した歌だ。《本当の私を生きていこう》と強く願いを込めたその歌声に、お客さんは小さく揺れながらじっと聴き入っていた。続く「アンサー」は鋭いシンセサイザーの音色と共に激しいロックパフォーマンスを展開。鋭い目力で挑発的に歌うMEMEがかっこいい。
 そもそも『ケラケランド』というアルバムは、これまでのケラケラの音楽に足りないものは何か。それを突き詰めて制作された作品だった。その幅広い音楽性が、今回のライブに、より豊かなストーリー性を与え、刺激的なライブへと進化させているのだ。

 中盤。ステージの前方に3人が並んだ。ふるっぺが、「3人でギターを練習してきたので聴いてください」と言うと、全員がアコースティックギターを弾きながら歌うという、これまた今までにない挑戦的なコーナーへ。ここで森さんがイィ~~と音程を確認すると、会場からはクスクスと笑いが。本人はいたって真剣なのに、ちょっと不安定な歌声が可笑しい。がんばれ、森さん!それでも、MEMEがリードボーカルをとり、3人のハーモニーで聴かせた「友達のフリ」は、路上時代の彼らを想わせる素朴で温かな演奏だった。

 ふるっぺがメインボーカルをとった「ミュウ」のあとは、お待ちかねの「ケラケラじゃんけん」。ダンスコンテストで最優秀じゃんけん賞に輝いたキッズたちに加えて、チャンカワイ率いる「ミュージックランチャー」チームがスペシャルゲストとして登場。番組でライブに誘われたことについて、「あんなの社交辞令かと思うやないですか。本当に呼んでもらってうれしいです!」とチャン。総勢13名ものダンサーに囲まれた、白熱のじゃんけん大会を繰り広げた。しかしこの曲。ケラケラのライブではすっかり盛り上げ役として定番化したけれど、実はけっこう歌詞がぐっと来る。改めて良い曲だな、と思った。

 そこからは「スターラブレイション」を皮切りにラストに向けてアッパーな楽曲を惜しげもなく披露していく。ソロ回し&メンバー紹介をしながらの「ピッピッピッ」。これもライブでは欠かせない曲のひとつだ。♪まわるまわる~に合わせてタオル回しをした「ろーりんぐでいず」では、森さん&ふるっぺがそれぞれオリジナルのコール&レスポンスで盛り上げた。ちなみに、ふるっぺは“ダメよ~ダメダメ”で、森さんは“イィ~~”(さっきの「友達のフリ」で波紋を呼んだアレ)。そうやってライブが最高潮に達したところで、ラストは「さよなら大好きだったよ」をMEMEが力強く歌い上げて、本編は終了した。

 会場からは「ケラケラ!MEMEちゃん!森さん!ふるっぺ!」と、順番にメンバーの名前を呼ぶ熱烈なアンコール。ツアーTシャツに着替えた3人が登場すると、まずは写真撮影。ハイチーズの代わりに、「ケラケランド!イィ~~!」という掛け声でパシャリ。そして未発表の新曲「幸せ」を披露した。ふるっぺいわく、ケラケラが初めて家族愛をテーマに歌った曲だという。ひとりでは決して手にはできない幸せの在り処を歌う、その等身大の歌詞が印象的だった。
 「この曲の歌詞に、《君に会えてよかった 君が生まれてよかった》と歌っています。それは今日みんなに出会えてよかったという意味も込められています」と、MEME。
 そして、ラストは「夢コンシェルジュ」と「虹色ハートビート」で、会場に集まった1,000人のお客さんと共に最高にハッピーなムードを作り上げてライブは幕を閉じた。

 そういえば、以前、MEMEはライブで「友達のようなバンドになりたい」と言っていた。メジャーデビューをしてもうすぐ3年。新しいことにも果敢に取り組むことで、三者三様の持ち味を発揮し始めた彼らは、そんなバンド像にぐっと近づいてきたように思う。
 2015年はバンド史上最大となる全国18公演のツアーが決定。きっとケラケラはまた友達の距離で私たちの心に新しいドキドキを届けてくれるだろう。

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル ケラケラ

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リリース情報

ケラケランド(初回盤)[CD+DVD]

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2014年10月29日

ユニバーサルミュージック

01.マシュマロ
02.ケラケラじゃんけん
03.夢コンシェルジュ
04.STATION
05.本当の私
06.キズナジャンプ
07.ひとつだけ
08.アンサー
09.ドラマチック
10.ミュウ
11.MAKE UP
12.キミと、ずっと。
13.スターラブレイション(Jazzin’park wedding remix)

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お知らせ

■ライブ情報

ケラケラ ワンマンツアー2015
2015/04/11(土)[京都]KYOTO MUSE
2015/04/12(日)[兵庫]神戸VARIT.
2015/04/18(土)[広島]CAVE-BE
2015/04/19(日)[岡山]IMAGE
2015/04/25(土)[新潟]GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2015/04/26(日)[長野]LIVE HOUSE J
2015/04/29(水・祝)[石川]金沢vanvan V4
2015/05/04(月・祝)[大阪]心斎橋 BIGCAT
2015/05/06(水・祝)[北海道]札幌 cube garden
2015/05/08(金)[東京]TSUTAYA O-EAST
2015/05/10(日)[宮城]仙台 MACANA
2015/05/23(土)[愛知]THE BOTTOM LINE NAGOYA
2015/05/30(土)[静岡]浜松FORCE
2015/05/31(日)[静岡]Sunash
2015/06/13(土)[茨城]club SONIC mito
2015/06/14(日)[栃木]宇都宮 HELLO DOLLY
2015/06/19(金)[熊本]B9 V2
2015/06/20(土)[福岡]DRUM Be-1

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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