the telephones、日本武道館公演で見せつけた圧倒的な存在感
the telephones | 2015.06.02
the telephonesが5月21日、結成10周年を記念した単独ライブ「武道館 DE DISCO!!! ~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」を日本武道館で開催した。2015年をもって活動休止に入る彼ら。活動休止前、最後のワンマンライブとなるこの公演で4人は、特設サイトで受け付けたリクエストをもとにしたセットリスとともに、その圧倒的な個性と存在感をはっきりと見せつけた。
ライブはまず、the telephonesのキャリアを辿る映像からスタート。ちょうど10年前、2005年5月21日に彼らの地元である埼玉県北浦和のライブハウス「Livehouse KYARA」で行われた初ライブをはじめ、これまでに開催された主要なライブの模様がビジョンに映され、大きな歓声が上がる。そして、ミラーボールが煌びやかな光を放つなか、メンバー4人――石毛輝(V/G/ Syn)、長島涼平(Ba)、岡本伸明(Syn)、松本誠治(Dr)――がステージに登場。ドラムの周りで円陣を組んで気合いを入れた後、「いろんな先人が“ライブハウス武道館”と言ってきた。でも、俺たちはthe telephones。ここはライブハウス武道館じゃない! “ディスコ・武道館”だ!!」「ラストワンマン、お互い悔いのないように最後まで踊ろうぜ!!」(石毛)という宣言とオープニングナンバー「D.A.N.C.E. to the telephones」によってついにパーティーがスタートした。そのまま「Keep Your Disco!!!」「sick rocks」などのアッパーチューンを連発し、オーディエンスは思い切り踊りまくる(アリーナには座席があるのだが、全員が自由に体を動かしているので、まるでオールスタンディングのように見える)。「10年前に北浦和のKYARAから始まって、ここ武道館まで来ました」という石毛も感慨深そうだ。
さらに「Hyper Jump」「Say DISCO」といったライブアンセムが次々と放たれ、会場の高揚感は確実に上がっていく。いまさら言うまでもないが、the telephonesの音楽性は日本のシーンにおいて、際立った個性を発揮してきた。ディスコパンク、ニューウェイブ、オルタナティブ、エレクトロなどの要素を貪欲に取り入れながら、踊れるロックのオリジネイターとしての存在感を示し続け、下の世代のバンドに多大な影響を与えてきた4人。the telephonesは確実にシーンのトレンドを変革した――熱狂的に踊りまくる観客を見ていると、その圧倒的な事実が改めて伝わってくる。
「いい曲、いっぱいあるな。血ヘドを吐きながら作った甲斐があるよ」「1曲として嫌いな曲なんてないんですよ。今日はオールリクエストなんだけど、順位が低かった曲をやっていい?」(石毛)というMCに導かれた「sleep,sleep、sleep」(ダークなグルーヴが強烈!)、ギターロックバンドとしての魅力が反映されたサウンド、どこか陰鬱な雰囲気のメロディが印象的だった「Homunculus」などのレアな楽曲を挟み、the telephonesは持ち前の高いエンターテインメント性を発揮していく。まずは松本のダイナミックかつテクニカルなドラムソロ、「これ、言いたかったんだよね。“ライブハウス武道館へようこそ!”」と「武道館 DE DISCO!!!」というタイトルを台無しにするような(?)MCとともに披露された「Pa Pa Pa La Pa」。さらに医者、和尚、総勢10名のチアガールが登場し、サビのフレーズを全員で大合唱した「A A U U O O O」、石毛と長島がステージの両端まで移動し、ギターとベースのソロをぶつけ合った「I Hate DISCOOOOOOO!!!」。そして極め付けは、岡本が宙づりとなり、コミカルな振付とともに空中を浮遊した「Baby,Baby,Baby」。“とにかく目の前にいるオーディエンスといっしょにブチ上がりたい”という強いモチベーションに貫かれた、すべての憂鬱、葛藤、悩みを吹き飛ばしてしまうようなステージングもまた、このバンドの大きな魅力なのだ。
バンドのセルフタイトルチューンとも言える「D.E.N.W.A」によって、ライブはクライマックスへと突入。the telephonesのコンセプトをそのまま体現した「Don’t Stop The Move, Keep On Dancing」、理性をかなぐり捨てるような4人のステージングも鮮烈だった「Monkey Discooooooo」によって、武道館全体が熱狂のダンスフロアへと変貌していった。本編ラストは「儚い夢が4つ集まった/この場所でしか生まれない奇跡さ」というフレーズを持つミディアムチューン「Odoru-朝が来ても-」。エンディングではスタッフの発案、オーディエンスの協力により、客席に「DISCO」「THANK YOU 10」「(ハート)」のコレオグラフが描かれ、大きな感動へとつながった。
アンコールでは、活動休止前ラストのアルバム『Bye Bye Hello』のリリース(7月22日)、休止前のラストライブとなる自主企画「the telephones Presents "Last Party ~We are DISCO!!!~"」をさいたまスーパーアリーナ(11月3日)で開催することを告知。アルバムの収録曲「Amber Romance」も披露されたのだが、エレクトロポップの進化型とも言えるサウンドスケープからは、このバンドの音楽がいまも前進していることが真っ直ぐに伝わってきた。ラストはダブルアンコールの「Urban Disco」。オーディエンスの「I am DISCO!」というシャウト、そして、「俺たちの10周年を祝いに来てくれて、ありがとうございました」(石毛)という感謝の言葉によって、この記念すべきワンマンライブは幕を閉じた。
the telephonesはこの後、夏フェスシーズンに突入。そして、11月3日の“Last Party”へと向かう。“DISCO!”を軸にした彼らのダンスナンバーを体感できるのは(いまのところ)あとわずか。アルバム「Bye Bye Hello」を含め、4人の音楽を心ゆくまで味わい尽くしてほしいと思う。
【取材・文:森 朋之】
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リリース情報
Bye Bye Hello(初回限定盤/紙ジャケット仕様)[CD+DVD]
2015年07月22日
ユニバーサル ミュージック
1. Amber Romance
2. Something Good
3. Last Night
4. When The Zombies Come
5. Pretty Pretty Pretty
6. Never Say No
7. Thank You DISCO!!!
8. Relationships
9. My Hero
10. Let’s Talk About Music
11. Jesus
12. Love Is All
13. Evergreen
[DVD]
2008年12月6日にラフォーレミュージアム原宿で開催した「SUPER DISCO Hits!!! the telephones ONE-MAN SHOW!!!」からスタートし、2015年5月21日「武道館 DE DISCO!!! ~SUPER DISCO Hits 10!!! the telephones 10th Anniversary~」で通算10回目となる"SUPER DISCO Hits!!!"シリーズの中から選りすぐりの映像BESTをコンパイル。
お知らせ
the telephones presents Last Party
~We are DISCO!!!~
2015/11/03(火・祝)さいたまスーパーアリーナ
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。