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FTISLAND 10月29日の日本武道館をレポート

FTISLAND | 2015.11.09

 2011年に初めての武道館ライブを成功させてから4年。あの時、ホンギは“また戻ってくるから”とファンと約束をした。その後の彼らは周知のとおり、韓国だけでなく、アジア中で人気が過熱。スケジュールが取れない程のスターへと上り詰めていた。
 しかし、彼らは嘘をつかない。“戻ってくる”という言葉を実現させるために、日本デビュー5周年となる2015年、日本全国を回るロングツアーを決行してくれたのだ。
 そのツアーファイナルとなる日本武道館、この約束の地に、日本全国からファンが駆けつけた。ステージを360°ぐるりと観客席が見渡せる、ステージ構成。ステージの後方席も開放し、できるだけ多くのファンが入場できるようにしたステージは、超満員。このツアーのために作られた黄色くてキュートなサイリウムを持ったファンたちがズラリと並び、開演前から熱気で満ちていた。

 開演時刻になると、暗転したステージに釣り下がった照明から青い光が放たれ、美しく光る。そこにサングラスをかけたホンギが登場し、「武道館! お久しぶりです!」とひと言を放ち、メンバーが揃うと、ドラマティックに「Hourglass」を演奏し始める。割れんばかりのフロアの声をかき消すかのようなギターの音色が徐々に大きくなり、1曲目ですでに惹きつけられる。間髪入れずに「Everybody Put Your Hands Up!! 」の掛け声から疾走感あふれるロックチューン「Orange Days」が始まり、一気にフロアの熱が上がる。武道館が揺れ始めると同時に赤いライトに包み込まれ、力強ジェジンのベースの低音が心臓を突く「Yes or No」、ジョンフンの歪ませるギターに、負けじとかき鳴らすスンヒョンのギターが響き渡るダイナミックな「Cycle」と、とにかく休む暇を与えない。

 MCではホンギが「4年ぶりに戻りました! 武道館にしかない力をもらいたくて戻りました」と宣言。さらに「今日は長いおしゃべりはやめてと言われた」とボソッと言い、広島のライブでは2時間45分のうち50分はMCだったことを暴露。その時間に歌ったらいいのではとスタッフさんに言われたところ、「休むためにしゃべってんだよ」と毒づくいつも通りのお茶目なホンギにファンは爆笑。あんなにもクールでエモーショナルなライブを見せた後、いきなり“お茶目な男子”を出してくるこのギャップもたまらない。360°に囲まれたステージだからこそ、ドラムのミンファンは「後ろから見られるのは、恥ずかしい」とコメント。その後、ホンギはメンバーの衣装などを一通りいじった後、「今からもうちょっと大人になっていくので、みなさん一緒に歌ってください」とひと言。「BPM69」「Do You Know Why?」「Parallel World」とこれまでにないシリアスな表情で歌い、ロックバラードを熱唱。ファンに手を必死に伸ばしながら懇願するように歌う姿に、引き込まれずにいられない。

 「ちょっとだけ大人に見えた?」と首をかしげながらホンギが聴いた後は、アコースティックに転換。エレキギターをアコギに持ち替えた「To The Light」は、原曲とは全く雰囲気の異なる温かさを持つバラードに変換された。ファンも一緒になって歌い始め、会場は大合唱の渦に。その一体感は他に類を見ない程、愛に満ちていて、鳥肌が止まらない。その後、ホンギが人差し指を口に当てて“しっ”という声から始まり、ジェジンの歌声から始まる「PAPER PLANE」ではさらにロマンティックな気分に…と思いきや、なぜかメンバーで笑い出すというコミカルな雰囲気に。決まり切らないところも彼らのライブの魅力。とてもアットホームな瞬間だった。

 ファンの大合唱から始まる「beautiful」は、静かに爆発し続ける感情をぶつけ、「Moonlight」では、ホンギはマイクを持ったままステージのそでまで駆け寄り、ファンとハイタッチをしたり、今日の為に作られた後方のステージを練り歩いたりと後ろのファンたちに気配りを見せる。この優しさもまた、多くの人の心を惹きつける所以だ。

 その後のMCではメンバーがそれぞれ、様々な指令のもと「Moonlight」を歌うというミニコーナーが始まり、スンヒョンがオペラ調で最高に上手に披露しプレッシャーをかけたあと、ジェジンが見事にミュージカル調で演技を含めて披露したり、最後にホンギがかわいくという指令にふざけたところ、ジョンフンが途中で演奏をやめて激しく突っ込むなど、まるでミニコントのようなステージまで見せてくれた。

 気を取り直して演奏された「CRYING IN THE RAIN」では、ジョンフンの力強く美しいピアノの音色から始まり、真っ直ぐに前を見つめたホンギが歌声を乗せた瞬間、空気を変える。息をするのも忘れるほどドラマティックな曲の後、「PLAY」でファンのほとんどが右手の人差し指を上げ、ピアノの音色が優しく響き渡る「Hikari」とエモーショナルに歌い上げる。
 ラストスパートで「FREEDOM」が始まると、武道館は一気にクラブへと大変身!ダオルを振り回し、みんながジャンプ、ジャンプ! その勢いがやまないまま、「Shinin’ On」、そして本編のラストとして「PUPPY」が投下された。世代年齢性別問わず、心の底から盛り上げてくれる最高のダンス曲は、他にはない。

 アンコールでは「Tresure」「Primavera」を、ファンと一緒にダイナミックに歌い上げ、Wアンコールでは、ライブ開催日がハロウィン付近だったこともあり、ゾンビに扮したホンギ、ハリーポッターになったジェジン、スーパーマリオになり、モノマネまで披露したミンファン、顔まで隠しスパイダーマンになりきったスンヒョン、トランスフォーマーに扮したジョンフンが登場。その仮装のまま「Falling Star」「未体験Future」で走り切った。

 これまでにないパワフルでエモーショナル、さらにコミカルなステージで盛り上げたFTISLAND。またこの武道館で会える日を、また楽しみにしていよう。

【取材・文:吉田可奈】
【写真提供:(c)FNC MUSIC JAPAN INC.】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル 韓国 FTISLAND

リリース情報

PUPPY(初回限定盤A)[CD+DVD]

PUPPY(初回限定盤A)[CD+DVD]

2015年09月16日

ワーナーミュージック・ジャパン

[CD]
1.PUPPY
2.Cycle
3.パラレルワールド
4.Cycle(Instrumental)

[DVD]
PUPPY [Music Video]
PUPPY [In the Studio]
PUPPY [Behind The Scene of MV Shooting and Photo Session]

セットリスト

5th Anniversary Autumn Tour 2015
“Where’s my PUPPY?”
2015.10.29@日本武道館

  1. Hourglass
  2. Orange Days
  3. YES or NO
  4. Cycle
  5.  
  6. BPM69
  7. Do You Know Why?
  8. Parallel World
  9. To The Light
  10. PAPER PLANE
  11. beautiful
  12. Moonlight
  13. CRYING IN THE RAIN
  14. intro(from I will)
  15. PRAY
  16. Hikari
  17. FREEDOM
  18. Shinin’ On
  19. PUPPY
アンコール
  1. Treasure
  2. Primavera
ダブルアンコール
  1. Falling Star
  2. 未体験Future

お知らせ

■ライブ情報

2015 FNC KINGDOM IN JAPAN
2015/12/12(土)幕張メッセ
2015/12/13(日)幕張メッセ

イ・ホンギ(from FTISLAND)ファーストソロコンサート
2015/12/16(水)パシフィコ横浜国立大ホール
2015/12/17(木)パシフィコ横浜国立大ホール
2015/12/24(木)グランキューブ大阪
2015/12/25(金)グランキューブ大阪

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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