KEYTALK、攻めに攻めた熱気マックスのクアトロ・ツアー!
KEYTALK | 2016.04.26
「まるで夏ですわ!! まるで夏ですわ!!」と小野武正(G・MC・Cho)は2回叫んだ。噴き出した汗が瞬く間に蒸発して、熱い空気を作る。それによって、また汗が噴き出す。この循環が途切れることなく繰り返される。武正の言う通り、これはもう夏だ。
4月15日。KEYTALKが渋谷CLUB QUATTROで東名阪を回るクアトロ・ツアーをスタートさせた。チケットは激烈な争奪戦だったはず。何しろ去年(2015年)10月の日本武道館公演を即完させた彼らだ。運良くチケットを勝ち取ったファンは、SEで流れたKEYTALKの曲に早くも反応する。踊る気満々。もう待ち切れないのである。
その熱気はライヴ開始の瞬間から爆発した。悲鳴が上がり、全員が飛び上がり、クアトロのフロアが波打つ。右に左に手が振られ、手拍子が起こり、声を揃えて大合唱。マックス状態のテンションが延々と続いていく。その熱さに「まるで夏ですわ!!」と叫んだ小野は、「過酷な空間を作り上げようと思ってるんで。両脇に過酷な人がいたら助けてあげてね」と安全対策付きの宣言をする。
KEYTALKの曲はまさに過酷だ。2番でレゲエ調になったりと、曲のテイストが突如変わるのは当たり前。1曲の中に2曲分、いや、時には3曲分の要素を入れてくる。追い打ちをかけるように、掛け声、クラップなど、細かいフックも盛りだくさん。恐ろしいことに、ファンはそのすべてに対応する。代表曲だけではない。インディーズ時代の曲、アルバム収録の曲、そのすべてにだ。
その神対応は最新シングル「HELLO WONDERLAND」でも証明された。この曲はAメロが3パターンあるという衝撃ナンバー。その大サビの「オオッ、オッオッ、オオオオ~!」が普通に大合唱となったのだ。シングル発売は4月13日、ライヴ当日は4月15日なのに! おそらく、あらゆるメディアで予習してきたのだろう。これがKEYTALKのファンなのか!
ライヴ途中、首藤義勝(Vo・B)が驚くべき技を披露した。中指と薬指を内側に折り、人差し指と小指をサッとくっつけたのだ。それを見た巨匠こと寺中友将(Vo・G)が「うわあぁぁ~~!!」と震えあがる。「今日から流行らそう、そのポーズ。知らない人でも友達になれる」と小野も感心する。
しかしこれが超難しい。フロアでも断念する人が続出。八木優樹(Dr・Cho)も「自分もくっつきません!」と手を挙げた。すると巨匠が八木のその手をギュッとつかみ、無理矢理くっつけさせた。「痛えぇぇぇ~ッ!!」と八木が叫んで場内爆笑。ノン・ストップで踊り続けてきたフロアが、大いに癒される。
まだツアー中のため、曲を明記するのは控えるが、この日のKEYTALKは攻めに攻めた。首藤はのけぞって歌い、ベースを弾きながらくるくると回った。巨匠は雄々しく歌い上げ、ドラム・セットに足を掛けてジャンプ。小野は「僕のヤキソバ・ヘア」をガツガツと振り、舌を出してソロを弾きまくった。八木は七変化のリズムを刻み、「愛してるぜ。ありがとう――ッ!!」と絶叫した。
『クアトロ灼熱の小旅行~燻らせ肉の雫~』のツアー・タイトル通り、灼熱の夜はこうして過ぎていった。それでもこれが限界じゃない。まだまだ行ける。どこまでも行ける。秋には東名阪のZeppを回るツアーも決定。その名も『KEYTALK秋の収穫祭~そなたが落としたのは金の松茸か? 銀の椎茸か? それとも白いしめじか?~』。「今年もKEYTALK、攻めていきますんで」という小野の言葉は嘘じゃない。
終演後、クアトロ前には黒のツアーTにハーフ・パンツのファンが溢れている。本当にもう夏が来たんじゃないかと錯覚してしまう。きっと、KEYTALKも、ファンも、限界を知らない真夏の季節を生きているのだ。そしてその季節はまだ始まったばかりなのである。
【取材・文:柳村 睦子】
【撮影:後藤壮太郎】
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リリース情報
MATSURI BAYASHI
2016年05月18日
ビクターエンタテインメント
2. boys & girls
3. wasted
4. 赤いサイコロのMAYAKASHI
セットリスト
KEYTALK『クアトロ灼熱の小旅行~燻らせ肉の雫~』
2016/04/15@渋谷CULB QUATTRO
- MONSTER DANCE
- sympathy
- サイクル
- MABOROSHI SUMMER
- HELLO WONDERLAND
- YURAMEKI SUMMER
- coler
- S.H.S.S.
- KARAKURI夢ドキュメント
- a picture book
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2016/07/13 新木場STUDIO COAST
2016/07/14 新木場STUDIO COAST
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