ライブアーティストとしての出自を存分に発揮した、初の自主企画の模様をお届け!
キタニタツヤ | 2019.11.21
キタニタツヤはロックスターだ。エッジーな佇まい&クールなルックス、アグレッシブに熱いパフォーマンス、恐れるものを知らない若きダークヒーローな存在感(でも笑うとキュート!)。そんな突き抜けたライブを楽しませてくれた主催イベント『キタニタツヤ Presents “Hugs Vol.1”』が10月4日に渋谷WWW Xで開催された。
当日は、ゲストに自身が敬愛するバンドとしてodol、PELICAN FANCLUBを迎えた対バン形式となった。ネット発アーティストとして世に登場したキタニタツヤだが、自身のアイデンティティーはライブ・アーティストとしての両軸を持つ。人気沸騰のヨルシカではベースを担当し、sajou no hanaではメンバーとしてベース兼作詞作曲・編曲も担当しているスキルフルな逸材だ。イベントタイトル“Hugs”のとおり、「ロックな仲間が欲しかった」。そう語るキタニタツヤの目は輝いていた。
満員の会場、口火を切ったのは「行こうぜ渋谷!」とオーディエンスを扇情したPELICAN FANCLUBだ。ビートロック・チューン「Night Diver」で一気にフロアの空気を熱狂へ変えていく。後半には、雑誌『週刊少年ジャンプ』連載中の人気アニメ『Dr.STONE』2クール目の主題歌となるタイアップソング「三原色」をアグレッシブに披露。これでもかと百戦錬磨に強烈なステージを体感させてくれた。
続いて登場したのはodolだ。9月末、早川知輝(Gt)の脱退により新体制でのステージとなった。「眺め」「POSE」という暗闇から差し込む一筋の光を鳴らし続けるかのようなエレクトロ感覚を、バンドとして表現する魔法めいた音像のすごみ。「綺麗な人」ではキャンディのように甘くてポップなアッパーチューンによって会場を一体感で包み込む。音の良さに耳が喜ぶ、圧巻のライブを楽しませてくれた。
大トリはキタニタツヤ、満を持しての登場だ。9月25日にリリースした1stミニアルバム『Seven Girls’ H(e)avens』を軸にしつつも、これまでのキタニタツヤのヒストリーをまんべんなく披露するスペシャルなセットリストが繰り広げられていく。
ライブは、ファンキーな酔いどれナンバー「Stoned Child」からスタート。ターニングポイントとなった重要曲「Sad Girl」など、キタニタツヤはハンドマイク姿で颯爽と歌い上げていく。オルタナティブロックなスタイルから、ヒップホップやR&Bなどアーバンな嗜好性を取り入れた最旬ブラックミュージックへの傾倒。プロフェッショナルなソングライティングのセンスはもちろんのこと、「ライブはずっとメインとしてやっているので。作品もライブ前提で作っているし、一緒にお客さんと歌えたらうれしい」と以前インタビュー取材で語っていたように、彼らしい攻めのライブ空間を構築していく。
MCでは、「みなさんの心を全力でハグしにきました!」と第一声。黄色い声が湧く。いや、男性ファンも結構多い。皆、キタニタツヤの一挙手一投足から目が離せないようだ。
ネット発アーティストとして注目されながらも、バンドシーンとの接点を模索する葛藤。しかし、そんな違和感はすぐに解消されるだろう。ジャンルや枠を飛び越えていくバレアリックなステージを「きっとこの命に意味は無かった」「夢遊病者は此岸にて」、そしてラップパートがハードな「夜がこわれる」などでも聴かせてくれた。グランジロックとも溶け合う、海外ビルボードチャートTOP100ともシンクロする最旬アーバンなポップセンス。日本でまだ誰もやれていない新しいポップセンスを、キタニタツヤは自信に満ち溢れた笑みを浮かべて見せつけてくれる。
途中、「波に名前をつけること、僕らの呼吸に終りがあること。」ではベースを片手に流麗なビートを紡いでいく。「記憶の水槽」では、心の奥底に触れるメロウな優しさをポップかつ繊細に表現。メロディーに魂を注いだソングライティングの才能を感じられた1面だ。幅広い音楽センス、多くのアーティストに求められるプレイヤー&アレンジャー・センスは、現在23歳ながら実力も確証済みなのだ。
後半、跳ねるビートが心をざわめかせる「悪魔の踊り方」や、EDMセンスを感じる「トリガーハッピー」、心に響くメロディーが気持ちを掴んで離さないアンセム「I DO NOT LOVE YOU.」、そして新たなる代表曲となるであろうダンサブルなキタニ版“みんなのうた”「クラブ・アンリアリティ」など人気曲が続き、オーラスへと盛り上げていく。いやぁ、ホントいい曲が多いなぁ。
アンコールでは、自ら監修したロングTシャツやキャップなどグッズをステージに持参。「値段は上がっちゃったけど、いいモノにしたかった」という、今の時代に大切なこだわりの強さにも感銘を受けた。実際、アーティストグッズを超えて普段使いできるセンスだ。さらにネクストとして、最新ミニアルバム『Seven Girls’ H(e)avens』をテーマとした東名阪を巡る「キタニタツヤ TOUR 2020 “Seven Girls’ H(e)avens”」の開催も発表された。2020年1月に開催される。
ラストは、ベースを片手にバンドスタイルでアッパーなビートを奏でるダンサブルなロックチューン「芥の部屋は錆色に沈む」をぶちかます。音楽的に様々なバックボーンが垣間見れつつも最終的な印象はキタニタツヤのオリジナルなポップセンスへと至ったライブだった。2020年へと突き抜けていく次世代ロックスター、キタニタツヤから目が離せない。そう、確信した主催イベントとなった。
【撮影:後藤壮太郎】
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リリース情報
Seven Girls’ H(e)avens
2019年09月25日
Emo,Alternative&Cool.
02.花の香
03.トリガーハッピー
04.Sad Girl
05.君のつづき
06.穴の空いた生活
07.クラブ・アンリアリティ
セットリスト
自主企画“Hugs Vol.1”
2019.10.4@渋谷WWW X
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■PELICAN FANCLUB
- 01.Night Diver
- 02.Dali
- 03.Telepath Telepath
- 04.ハッキング・ハックイーン
- 05.ハイネ
- 06.7071
- 07.三原色
- 08.ノン・メリー
-
■odol
- 01.眺め
- 02.POSE
- 03.綺麗な人
- 04.愛している
- 05.声
- 06.夜を抜ければ
- 07.退屈
- 08.生活
-
■キタニタツヤ
- 01.Stoned Child
- 02.きっとこの命に意味は無かった
- 03.夢遊病者は此岸にて
- 04.Sad Girl
- 05.夜がこわれる
- 06.君が夜の海に還るまで
- 07.波に名前をつけること、僕らの呼吸に終りがあること。
- 08.記憶の水槽
- 09.悪魔の踊り方
- 10.トリガーハッピー
- 11.I DO NOT LOVE YOU.
- 12.クラブ・アンリアリティ
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【ENCORE】
- 芥の部屋は錆色に沈む
お知らせ
[キタニタツヤ]
キタニタツヤ TOUR 2020
“Seven Girls’ H(e)avens”
2020/01/16(木) 大阪 福島LIVE SQUARE 2nd LINE
2020/01/17(金) 愛知 名古屋 大須ell.SIZE
2020/01/19(日) 東京 下北沢SHELTER
※全公演ワンマン、SOLD OUT
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ササクレクト × WOMB LIVE“THREEMAN”
2019/11/26(火) 東京 渋谷WOMB LIVE
w) 4s4ki/Ghost like girlfriend
RADIO GIGA令和01
2019/12/29(日) 宮城 仙台PIT
w) SIRUP/DATS/TENDRE/LUCKY TAPES/chelmico/RALLYE’S JAM(LUCKY TAPES、DATS、TENDRE)/土岐麻子/Lucky Kilimanjaro
[PELICAN FANCLUB]
PELICAN FANCLUB TOUR 2020 “三原色”
-イエロー- 2020/01/15(水) 愛知 名古屋ell.SIZE
-レッド- 2020/01/16(木) 大阪 心斎橋CONPASS
-ブルー- 2020/01/23(木) 東京 表参道WALL&WALL
※全公演ワンマン
[odol]
odol ONE-MAN LIVE 2019 “individuals”
2019/12/19(木) 大阪 FANJ twice
2019/12/22(日) 東京 渋谷WWW
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。