ハロがバンド誕生の地=佐倉に凱旋! メモリアルな一夜の模様を徹底レポート!
Halo at 四畳半 | 2019.12.19
7月には史上最大規模のワンマンライブとなる「NOVEL LAND LANDING」を開催し、各地の夏フェスを巡ってきたHalo at 四畳半が、今秋に全国5公演のスケジュールで繰り広げてきた「2MAN TOUR ARK“WANDER LIGHTS”TOUR 2019」。札幌、福岡、大阪、名古屋ときて、メジャーデビューアルバム『swanflight』リリースからちょうど1年に当たる10月17日、ファイナル公演の舞台は、バンド誕生の地=千葉県佐倉市のSound Stream sakuraである。熱く濃い、そして親密なバイブレーションに包まれた一夜の模様を、レポートしたい。
2マンと銘打たれながらも、各地でオープニングアクトを加え、3組のライブを繰り広げてきた今回のツアーだが、この日はまず地元・佐倉市出身の4ピースバンドであるCULTURES!!!(ex. Damn Drive)が登場。15分という限られた持ち時間の中で、剥き出しの表現衝動を骨太な歌に変換するパフォーマンスが深いインパクトを残す。佐藤駆(Vo/Gt)の息遣いを軸に、生々しく緩急を付けながらバンド一体の躍動感を生み、歌心を共有するさまが素晴らしい。最後には「いつか絶対、俺らのツアーでHaloを呼びます!」という頼もしい宣言を残していった。
約50分間に全10曲の熱演を繰り広げたこの日のゲストアクトは、サイダーガール。恋い焦がれながらキラキラとサウンドを振りまいて疾走する「エバーグリーン」を皮切りに、Yurin(Vo/Gt)、知(Gt)、フジムラ(Ba)という3人の優れたソングライターを擁する強みを発揮。絶対的にポップでありながら捻りを利かせた楽曲群は、フロアに魔法をかけるようにいつしか歌声を誘う。MCでは、Halo at 四畳半との4年越しの交流をユーモラスに振り返りつつ、YurinとHaloの渡井がそっくり、という話題も飛び出す。言われてみれば、たしかに似ている。最後には、ひしゃげたギターサウンドとともに切なる願いを熱く歌い上げる「クローバー」で、今回のパフォーマンスを締めくくった。
そして、渡井翔汰(Vo/Gt)、齋木孝平(Gt/Cho)、白井將人(Ba)、片山僚(Dr/Cho)の4人がオンステージ、いよいよ主役のHalo at 四畳半である。ミラーボールが柔らかく光を乱反射するなか、渡井は「リビングデッド・スイマー」を優しい節回しで歌い出し、一節歌ったところで「佐倉、ただいま!!」と告げると、4人の鮮やかなサウンドスケープが立ち上がってくる。歌心に沿って音のフレーズがくっきりと浮かび上がり、揺れる様子も素晴らしく、この音響はさすがにホームグラウンドといったところだろうか。続く「スプートニク」では、あたかもバンドがひとつの肉体と化すように、イマジネーションに支えられた物語も引っくるめて“音楽を語り出している”。そんな錯覚さえおぼえるほどだ。
「各地で一対一を繰り広げ、どうにかこうにかここに帰ってきました」「佐倉という場所があったからこそ、この足で立っていられるバンドでございます」。各地でライブを繰り広げるたびに、千葉県佐倉市出身、と名乗りを上げる彼らの、地元に対する思い入れは深い。トロピカルなリズムを絡めて熱をキープしたままオーディエンスに歌声を預ける「アメイジア」の高揚感が気持ちよく、「アンドロイドと青い星の街」ではSF的な歌詞の情景の中から人間くさい情緒を引き出してゆく。息苦しさと生きる意志を詩的に紡いだ「水槽」は、ひときわじっくりと、語りかけるように歌われていた。インディーズ時代からのレパートリーも含めた、自由度の高い選曲だ。
白井が掌をかざすようにジェスチャーで導く「アルストロメリア」はオーディエンスの歌声にも満たされ盛り上がったが、その直後に渡井と白井は、サイダーガールのMCをネタにひとしきりイジリ始める。まあそれも、バンド同士の信頼感があればこそだろう。そしてCULTURES!!!については、6年前(当時CULTURES!!!のメンバーは高校1年生だったらしい)に初めてライブ出演をオファーしたことを振り返り、渡井は自分のことのように熱を込めて後輩バンドのことを語っていた。
「地元に甘えるようなライブをするわけにはいかない」と、意気込みごとロマンを燃え盛らせる「飛行船」、そして「悲しみもいつかは」のエモーションのほとばしりへとつなぐ。歌心が高ぶれば高ぶるほど、4人の演奏は歌の輪郭を明瞭に伝える、研ぎ澄まされたコンビネーションになっていった。渡井は、メジャーデビュー1周年を迎えたこの日に、喜びと不安を抱き続けた1年であったことを告白し、そのうえで「まだまだ夢があるんです。こんなところで立ち止まっているわけにはいかないんです」と覚悟を語る。
そんな思いとともにライブ本編を締めくくるナンバーは、不安定な無重力空間でさえもコントロールしてやろうとする意志の音塊「スイング・バイ」だ。不安を振り払い、未来の方向を理知的に捕まえようとするHalo at 四畳半の壮大なロックは、オーディエンスの盛大な手拍子にも援護されながら、最後のコーラスへと突き抜けていった。
さて、アンコールに応えると、この日めでたく誕生日を迎えた会場の照明スタッフ氏に向け、祝福を促す渡井。そして、キャリア初のTVアニメ主題歌となった「ナラク」、さらに「シャロン」へと至る流れの中では、齊木のギタープレイが雷鳴のように轟いて、この夜の最高潮を生み出してゆくさまが痛快であった。温かなホームグラウンドに立ち、これから向かう未来を確認するステージだ。10月27日の新曲「花飾りのうた」配信リリースを経て、2020年1月29日には2作目のフルアルバムが届けられる。Halo at 四畳半が切り開く未来は、どんな風景をしているだろう。楽しみだ。
【取材・文:小池宏和】
【撮影:落合由夏】
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バンド史上最大規模のワンマンライブとなった「NOVEL LAND LANDING」@Zepp DiverCity(TOKYO)公演をレポート!
リリース情報
ANATOMIES
2020年01月29日
日本コロムビア
02.ナラク
03.クレイドル
04.Ghost Apple
05.百鬼夜行
06.レプリカ
07.月と獣
08.疾走
09.アンチ・グラヴィティーズ
10.花飾りのうた
11.ヘヴン
12.蘇生
セットリスト
2MAN TOUR ARK“WANDER LIGHTS”TOUR 2019
2019.10.17@Sound Stream sakura
-
CULTURES!!!(ex. Damn Drive)
- 1.ドリーマーズブルース
- 2.good bye my drive
- 3.2017
-
サイダーガール
- 1.エバーグリーン
- 2.メッセンジャー
- 3.パレット
- 4.化物
- 5.なまけもの
- 6.ドラマチック
- 7.メランコリー
- 8.オーバードライブ
- 9.約束
- 10.クローバー
-
Halo at 四畳半
- 1.リビングデッド・スイマー
- 2.スプートニク
- 3.アメイジア
- 4.アンドロイドと青い星の街
- 5.水槽
- 6.アルストロメリア
- 7.飛行船
- 8.悲しみもいつかは
- 9.スイング・バイ 【ENCORE】
- 1.ナラク
- 2.シャロン
お知らせ
Halo at 四畳半
ワンマンツアー2020 “無垢なる祈りの宿し方"
2020/02/22(土)北海道 札幌cube garden
2020/02/29(土)香川 高松DIME
2020/03/07(土)広島 SECOND CRUTCH
2020/03/08(日)福岡 BEAT STATION
2020/03/14(土)宮城 仙台MACANA
2020/03/15(日)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
2020/03/22(日)大阪 BIGCAT
2020/03/29(日)愛知 名古屋CLUB QUATTRO
2020/04/25(土)東京 Zepp DiverCity(TOKYO)
サイダーガール
TOUR 2020「サイダーのゆくえ-SPRING HAS COME-」
2020/03/14(土)大分 club SPOT
2020/03/15(日)山口 LIVE rise SHUNAN
2020/03/21(土)北海道 札幌PENNY LANE24
2020/03/28(土)高知 X-pt.
2020/03/29(日)香川 高松DIME
2020/04/04(土)宮城 仙台darwin
2020/04/05(日)岩手 盛岡CLUB CHANGE WAVE
2020/04/11(土)石川 金沢EIGHT HALL
2020/04/12(日)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
2020/04/18(土)福岡 スカラエスパシオ
2020/04/19(日)広島 LIVE VANQUISH
2020/04/25(土)愛知 名古屋DIAMOND HALL
2020/04/26(日)長野 松本ALECX
2020/04/29(水・祝)大阪 なんばHatch
2020/05/16(土)東京 新木場STUDIO COAST
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。