若さと色気に溢れたパフォーマンスで魅了した、ヤユヨの生配信ワンマンライブを徹底レポート!
ヤユヨ | 2020.08.13
デビューミニアルバム『ヤユヨ』CDリリースを記念して行われた生配信ライブ「ヤユヨと真夏のミッドナイトライブ~ちょっと涼んでかない?~」。間もなくライブがスタートする旨を告げる静止映像の向こう側から、渋谷eggmanのステージ上で行われているサウンドチェックの音が聞こえてくるのが期待感を煽ってくれる。そして開演時間となり、画面に映し出されたリコ(Vo/Gt)、ぺっぺ(Gt/Cho)、はな(Ba/Cho)、サポートプレイヤーのすーちゃん(Dr/Cho)。「どうもこんにちは!……じゃなくてこんばんは! 配信ライブ、楽しんでいこうと思います」。リコが挨拶をして「kimi_no_egao」がスタートした。4人の音が一丸となって躍動する様が瑞々しくて力強い。演奏しながら彼女たちが浮かべているうれしそうな表情が、曲全体に華やかな色合いを添えている。エモーショナルかつキャッチーなフレーズを連発するぺっぺのギターがかっこいい。起伏に富んだ展開を経ながら響き渡るサウンドにワクワクさせられた。
骨太なギターリフを主軸とした2曲目「メアリーちゃん」。時折、巻き舌気味のフィーリングを交えながら歌うリコが凛々しい。曲の中で描かれている物語、登場人物の心情が、表情豊かな歌声で浮き彫りにされていた。そして迎えた最初の小休止。「改めまして、ヤユヨです。大阪から来ました。8月5日に1stミニアルバムをリリースしました。それに伴いまして、初めての東京でのライブ、初めてのワンマン。今日はいい日になりそうだなと思います……ほのめかしてます(笑)」。次の曲が何なのか、リコがほのめかしたところで「いい日になりそう」がスタート。先ほどまで弾いていたエレキギターをスタンドに置いた彼女が、自由に身体を揺らしながら歌う姿が楽しそう。音とは関係のない話で恐縮だが……スラリと長い脚でステップを踏む姿も目を引いて止まない。ギターを弾きながら歌うのも素敵だが、ハンドマイクがとても似合うボーカリストだなと感じた。
「1,020人!? ありがとうございます!」。伸び続ける視聴者数を見て、大喜びしていたリコ。フロアのスクリーンに映し出された視聴者のコメントを読みつつ何度も頭を丁寧に下げていた姿は、なんだかとてもほのぼのとさせられた。そんな場面を経て始まったアコースティックコーナー。「今日は、ワンマンならではのアコースティックバージョンをやりますよ。私が小学生の頃からすごく好きな曲。好き過ぎて緊張してる(笑)。真剣に、心を込めて歌わせていただきます」。そして披露されたのは、aikoのカバー「カブトムシ」。椅子に座ってアコースティックギターを弾くぺっぺの傍らで、マイクに向かって真っすぐに立ち、一心に歌う姿は、夏の夕暮れ時の風のような爽やかさを感じさせてくれた。続いてもう1曲、アコースティックで届けられた「ユー!」。ミニアルバム『ヤユヨ』のCDのみに収録されているアコースティックアレンジによるこの曲も、とても穏やかなムードを醸し出していた。
アコースティックの2曲を歌い終えると、「むちゃくちゃ緊張したあ!」と言って、再びコメントを読み上げていくリコ。視聴者数が1,150人に達していることを知って、ほかのメンバーたちも大喜び。そして、「配信ではあるんですけど、みなさんと同じ時間を過ごせていてうれしいです」というリコの言葉のあと、ライブの後半がスタートした。新曲「アバラと火傷とロック」が披露されて、大いに沸き立っていた視聴者のコメント欄。ぺっぺによるギターソロもたっぷり盛り込みつつ、熱いドライブ感に満ちたサウンドを轟かせていた。この曲は、観客を会場に集めてライブできる日が戻ってきたら、最高に楽しい空間を作ってくれるだろう。
ステージからフロアに降りてステップを踏みながら歌ったリコ、サビをユニゾンで歌ったぺっぺ、はな、すーちゃん――4人でグッドメロディを鮮やかに歌い上げていた「さよなら前夜」。アウトロでハーモニカをダイナミックに吹き鳴らしたリコは、演奏の終了後、次の曲に備えてエレキギターを手にしたのだが……勢い余ってピックがどこかにいってしまったらしい。「貸して」と、照れくさそうにぺっぺからピックを借りていた場面は、とても微笑ましかった。そして、「今年はいつもと少し違う夏になったんじゃないかなと思います。行きたかったところ、やりたかったことがあったんじゃないかなと。寝苦しい夜とか寂しいときとか、いつでもヤユヨの音楽に頼っていただけたらと思います。皆さまの日常に少しの風を」というリコのMCのあと、「七月」が届けられた。スポットライトを浴びた彼女の歌からスタートして、ほかのメンバーたちの演奏も合流。抒情性とエネルギッシュさが融合して響き渡り、非常にグッとくるものがあった。
「七月」のMVが流れたインターバルを経て再開された生配信。Tシャツに着替えてステージに戻ってきたメンバーたちは、オンラインストアで販売するオリジナルグッズを紹介した。Tシャツ、タオル、キーホルダー、トートバックのかわいらしい仕上がりに満足そうだった4人。そして、「今日は、ほんとにありがとうございました。楽しかったです。次は実際に会ってライブができたらいいなと思います。『今度会ったら何しようかな』とか『今度会ったらどんなお話しようかな』とか『今度会ったら何の曲やろうかな』とか、めちゃくちゃ考えてます。楽しみにしているので、ご期待よろしくお願いします」というリコの言葉を添えて、「今度会ったら」がライブのラストを飾った。軽快なドラムのビートとリコの歌からスタートし、一気に広がった瑞々しいバンドサウンド。躍動感に満ちた曲ではあるが、歌う言葉の端々から悲しみがじわじわと滲み出てくる。元気いっぱいに演奏して、歌っている彼女たちの姿を眺めているうちに、不思議と胸が熱くなってきた。
「ありがとう! 楽しかったです!」とメンバーたちがカメラに向かって挨拶をして終了した生配信。「いい日になった!」「ライブに行ける日を楽しみにしてる!」「最高!」「ライブハウスで会おう!」――視聴者のコメントが、万雷の拍手のように画面上に勢いよく流れていた。ライブ中のMCでも触れられていたとおり、この生配信は初の東京公演であり、ワンマン公演も初。バンドが結成されたのは去年の1月、まだ動き出してからそれほど経っていないバンドだが、ファンの輪は着実に広がっている。今回の生配信でヤユヨのライブを初めて観た人も多かったと思うが、「魅力的なバンド!」という確信を深めたはずだ。今後、さらに活躍の場を広げるはずの彼女たちの動きに期待していよう。
【撮影:酒井ダイスケ】
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リリース情報
ヤユヨ
2020年06月10日
TALTO / murffin discs
(CD) 2020年8月5日
01.kimi_no_egao
02.いい日になりそう
03.メアリーちゃん
04.今度会ったら
05.さよなら前夜
06.七月
<CDのみ>
07.ユー! (acoustic ver.)
08.さよなら前夜 (acoustic ver.)
セットリスト
ヤユヨと真夏のミッドナイトライブ
~ちょっと涼んでかない?~
2020.08.05@渋谷eggman
- 01.kimi_no_egao
- 02.メアリーちゃん
- 03.いい日になりそう
- 04.カブトムシ(cover)
- 05.ユー!(acoustic ver.)
- 06.アバラと火傷とロック(新曲)
- 07.さよなら前夜
- 08.七月
- EN1.今度会ったら
お知らせ
『ヤユヨ』
http://lnk.to/yayuyo-yayuyo
■ライブ情報
Morning River Summit 2020
09/05(土)大阪 大阪城音楽堂
NIPPON CALLING 2020
09/21(月・祝)、09/22(火・祝)オンラインにて開催
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。