2010年5月19日リリースのシングル「Flower Rock」でメジャーデビューを果たしたFTISLANDが、そのデビューから一年を経て、待望のメジャーファーストアルバムを発売した。“ロックバンドとして成長できた”と彼らが話すこの1年を駆け抜け、彼らが掴んだものとは。作詞や作曲、アレンジでも積極的に参加することで、自身のカラーを詰め込んだ今作。FTISLANDらしい疾走感とメロディアスな旋律で彩られ、バンド名・FTISLANDを示す言葉でもある『FIVE TREASURE ISLAND』をタイトルに冠する今作について彼らを直撃した。

EMTG：日本でメジャーデビューをしてから1年ですが、メジャーに来て変わったことはありますか？

ホンギ：あまり変わったことはないけど、意気込みとか、目標を持つことなどに関しては強い意識になってきましたね。それとこの1年で、5人のメンバーシップは強くなりましたね。今回アルバムには自分たちの作詞や作曲した曲も多く収録されているんですが、それぞれのメンバーが自分の色で曲を作ってくるから、それをみんなで力を合わせて表現するのが、本当に楽しいし、みんなが自分のカラーを加えていけばFTISLANDの曲になるからこそラクなんですよね。
みんなの意見を加えながら、一つの楽曲にしていくことが難しい。みんなで話をしながら直していって、FTISLANDらしいものにしていく作業をしていくんですけど、だからこそフレンドシップが大切になってくると思っていて。お互いを理解した上で、お互いの主張をうまく融合していいものにしていくためにも。

EMTG：自分たちの曲を作る、ということもこの1年のメジャーでの活動は大きい？

ジョンフン：この1年に限らず、今日まで韓国でも日本でも色々なプロデューサーとも制作を一緒にやってきたこともあったので、色々と勉強させてもらってきましたよ。
今回のアルバムに関しては自分たちの曲もあれば、音やアレンジに関しても自分たちでジャッジをすることも多くなってきたこともあって、自分の手でもっとやりたい、という欲求も高まりますね。いつかセルフプロデュースもしてみたいです。

EMTG：自分たちの曲が増えたということですが、どんな風に曲を作るの？

ミンファン：一人一人でも曲を作るんですけど、僕は（スンヒョンと）部屋が一緒だし、リズムとメロディをそれぞれの楽器で作れるから、せっかくなら一緒に作れるといいなってことで一緒に作りました。

スンヒョン：メロディは僕が全部作りましたよ！

ジェジン：なんとなくメンバーの中で曲が出てくるのは大事だと思っています。音を合わせながら曲のアイディアが浮かんできたりもしますし。だから僕も自分の曲を作ることに対して頑張っていますね。
僕はベースだからメロディもリズムもどちらも作れるんですけど、ちょっとギター用に、ドラム用に、ピアノ用に･･･とアレンジしていくのは難しいんですよね。だからそのアレンジを自分で出来るように日々勉強しているところですね。

EMTG：ロックバンドとしての成長の大きかった時間だったようですね。

ホンギ：ロックバンドとしてもだけど、人間的な成長も大きかったんじゃないかと思います。

EMTG：こうして完成した『FIVE TREASURE ISLAND』。シングルも4曲収録していますが、新曲も多いのが印象的な全13曲収録。どんな曲が集まったと感じますか？

ジョンフン：僕らの色は濃いですよね。初めて作った曲も入っているし、毎回CDを出すたびに“ここが出発だ”って言っているんですが、今回のアルバムが本当の“出発点”と言えるんじゃないでしょうか。

ミンファン：日本で初めてのアルバムだから、僕たち自身が作った曲が沢山入ればいいなって思って、自分の曲も作りためてきたんです。それを目標に頑張ってきたし、達成できたことで僕たちの魅力を出せたアルバムになったと思います。

ホンギ：新しい曲以外の曲に関しては、一番FTISLANDっぽいなって僕ら自身も思えた曲が収録されましたね。

EMTG：FTISLANDっぽさ？

ホンギ：感情かな。音楽を愛する人たちに僕たちが届けたい感情に共感してもらいたいん ですよね。それが出来る曲が揃ったと思います。でもそれは一つのカラーではなくて、僕たちだから出せる、色々なカラーの曲が揃っているんですよね。バラエティに富んでいるけど、僕たちはそんな広いバラエティの曲でも自分たちらしく出来るってことを証明できたとも思っていますね。

EMTG：そのアルバムが完成した今。どんな感想を持っていますか？

ジェジン：客観的に自分たちの音楽を聴いて感じることは、いつも“ホンギさんの歌声が好きだな”ってことですよね。

ホンギ：ありがとうございます（笑）。

ジェジン：いえいえ。どういたしまして（笑）。それと、僕はこのアルバムは、いつでも聴いてます。普段から聴いていても、馴染むし、元気になるし、いい作品だな、と思いますね。

スンヒョン：メロディが全部いいなって思いますね。それにボーカルも。全部いいなぁ?って感じますね。感情が揺さぶられているときに聴くとより感情は深まるし、朝に起きて最初に聴いけば元気が出ると思います。どんな場面でも深い印象になる1枚ですよ。

ジェジン：夜に感傷的になっているときにバラードを聴くのもいいよね。

ホンギ：いいね?。それ。

ミンファン：そうそう。FTISLANDの曲はジャンルが多彩なので、どんなタイミングで聴いても楽しめる曲だと思うし、それこそがFTISLANDのロックなんだと思います。

ホンギ：本当に僕ららしい。それに、このアルバムはメジャーデビューした曲からこれまでの活動の中での曲が揃っていて、FTISLANDの成長の軌跡がしっかり刻みつけられていると思いますね。

ジョンフン：すごくいいアルバムですよね。音にしてもメロディにしても、1曲1曲が美しい花のように咲いていて、同じように5人の個性も花開いているようなアルバムだと思いますし、ロックの要素が強い作品になったな、と思います。

EMTG：確かに。個性が花開く印象がありますね。そんなアルバムにみなさんのバンド名FTISLANDを省略なく綴る『FIVE TREASURE ISLAND』とつけたのはなぜ？

ホンギ：僕たち1人1人が宝物になりたいんです。世界の中で。宝物っていうのは欲しいものでもある。カッコイイものやキレイなものでもある。だからリスナーにとって僕らもそんな存在になりたい、という意味でこのバンド名になったんですが、今回は自分たちを出したアルバムということでもこのタイトルにしました。

ジョンフン：インディーズの頃は自分たちが作った楽曲もそれほどなかったんですが、今作は僕らが作った曲、僕ららしい曲を詰め込んだし、音楽的にもすごく自分たちの意見や考えも詰め込めたと思っているんです。だからこそアルバムのタイトルはバンド名にしました。

EMTG：FTISLANDの息遣いまでパッケージしたような1枚なので、ライブに行きたくなります。ツアーも楽しみになりますね。

全員：がんばります！

【取材・文 えびさわなち】