新たなスタンダードを打ち出した、andymoriのニューアルバムが完成!
andymori | 2011.06.07
昨年12月に新ドラマーとして岡山健二が加入。以降、andymoriはライブと制作を重ねながら、バンドと音楽とオーディエンスがひとつになっていく瞬間をステージに刻み込んできた。それがひとつの作品として結実したのが、この3rdアルバム『革命』である。リスナーのピュアネスに灯りをともすメッセージ性、中心にある歌を生き物のように息吹かせるロックンロール・グルーヴ。それが過去最高の一体感をもってリスナーにまっすぐ向かっていく。ここにandymoriのスタンダードが誕生した、と断言したい。メンバー全員に話を聞いた。
- EMTG:andymoriのスタンダードが誕生したなと思いました。手応えはどうですか?
- 小山田壮平(Vo&Gt):スタンダードか。そうかもしれない。思ってることをここにしっかり詰め込めた気がします。
- 藤原寛(Ba):すごく手応えがあって。作りながら、自分も洗い流されているような感覚があったんですよね。
- EMTG:浄化されていくような?
- 藤原:うん。みんなで同じものを見ながら、自分がこのアルバムを作っているという手応えも感じながら。だからこそベース自体もより自由になったし。
- 岡山健二:俺は、いまの3人を完全に音に出せたなと思ってます。このアルバムから俺がメンバーに加わったわけやけど、最初は“ちゃんとandymoriの音楽になるかな?”って思ってたところもあって。でも、スピーカーを通したらちゃんとandymoriの音楽だなって自分のドラムを聴いて思うことができて。よかったなって思います。
- EMTG:健二くんにとってandymoriの音楽とはどういうものですか?
- 岡山:自分が楽器をはじめたころに聴いていた音楽に似た輝きがあるものですね。例えばTHE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」とかと同じような輝きがあると思う。
- EMTG:すごくわかる。
- 岡山:この『革命』にもその輝きがあって。そんな作品を一緒に作れたこと、そんなバンドのメンバーであることがすごくうれしいです。
- EMTG:いい、悪い、という話ではなくて、これまでのandymoriはメンバーそれぞれが独立したプレイヤーとして存在していて、その音が重なったときの無軌道な衝動が前に出ていたと思う。でも、健二くんが加入してから3人が同じところを見ながら音を鳴らして、中心の歌に向かうようになりましたよね。
- 小山田:うん、そうだと思う。健二が入って、バンドに信頼関係が生まれて。メンバー同士でいろいろ偽りなく話すことができたし、周りの人たちも全力でサポートしてくれる環境があったから。
- 藤原:うん。これまでにないくらい話したね。
- 小山田:話すことで信頼関係が生まれて、そうすると気持ちが解放されるんですよね。偽りのない空間が作れるというのは、バンドにとってホントにいいことだなと思った。いままではあまりそういうところに意識がいかなくて、それぞれのフィーリングに任す感じだったんですよね。それでだんだんメンバーの向いている方向が違ってきて、バンドの一体感が全然作れなくなってる状態だったんです。いまはそれを取り戻してる感じですね。
- EMTG:壮平くんは前作『ファンファーレと熱狂』以降からこの『革命』に至るまで、どんな歌を唄いたいという思いが真ん中にありましたか。
- 小山田:音楽に救われたいという一心ですね。その輝きのなかで楽しみたい、喜びたい、生を実感したいと思った。
- EMTG:アルバム・タイトルにもなっている「革命」という曲は、どんなときに生まれたの?
- 小山田:バンドの状態が悪くなっていって、いろんなことで落ちている時期があって。そういうときにこの「革命」という曲ができて。変わっていける、生を実感できる、いつか願いが叶うって、信じることで生きていける。そういう曲が生まれたことに自分自身がすごく救われて。そういうアルバムを作ろうと思った。
- EMTG:できたときのことはよく覚えてる?
- 小山田:うん、去年の7月くらいに家ですごい酔っぱらっていたんですけど(笑)。もうわけのわからない状態で、何とか音楽に縋りついて救われようとしていた感じで。
- EMTG:この曲で唄われている革命って、一個人のヒューマニズムの革命だと思うんですよ。どれだけ人が人をシンプルに愛せるか。そして、その連なりが大きな希望を生んでいくんじゃないかと壮平くんは命がけで信じてるんだなって、あらためて思った。
- 小山田:うん、ホントにそういう気持ちですね。この世界を信じていこうという前向きなエネルギーが広がっていって、いつか自分に返ってくる。その先にいつかホントの意味での大きな革命が起きるんじゃなかってイメージすることも楽しいし。そうやって生きてる実感を得ることが革命というか。
- EMTG:この世界の日常でそれを表現したり、訴えかけるのはすごく難しいことだと思う。でも、音楽だったらこんなに淀みなく放つことができるということをこのアルバムは叫んでいて。バンド賛歌ともいえる「ユートピア」もまさにそういう曲だよね。
- 小山田:うん。音楽を聴く人は、人や曲のメッセージを理解しようとする状態でいてくれるから。その輝きは、ビートルズとか先人の時代からあって。音楽のなかでは、はじめから認めてもらっている気がする。だから自分も音楽に救われるんですよね。自分もそういう音楽を作りたいなって思います。
- EMTG:壮平くんは、この世界で起きている様々な出来事や人々の感情??そこに蠢いている喜怒哀楽をすべて受け止めたいと思っている人だと思うんですね。
- 小山田:うん。
- EMTG:その上で、ずっとひとつの桃源郷を音楽のなかで築こうとしている人だと思うんだけど。以前はもっと人としても、表現としても混乱していたと思うんです。
- 小山田:うん、そうですね。
- EMTG:でも、このアルバムでは混乱していない。まっすぐに世界や人間と向き合っていて。
- 小山田:うん、成長できたんだと思う。まっすぐパッてアウトプットできるようになったのは。でも、それも音楽への依存度が激しくなって、音楽に救いを求める時間が長くなってきたからで。歳を重ねていくと、儚さも虚無も知るし……そうすると世界を信じたいっていう気持ちがより強くなるし、確かなものがほしいって思う。自分が音楽に救いを求めるっていうのは、光を抱きたいという思いなんですよね。愛を信じたいし、愛されるって実感したいし、愛したいと思う。だから、信じたいところに向けて自分を曝け出したいと思う。
- EMTG:いま壮平くんが言ってくれた思いは「Peace」という曲に強く表れていると思うんですけど。恋人、友人、そして家族に向けて唄う、こういう近くて大きなラブソングっていままでは、書けそうで書けなかったんじゃないかなって。
- 小山田:そうなんですよね。ちょっと怖かったんですよね。世界に対して猜疑心があったから。自分が中学のときに作っていた曲のほうがよっぽど純粋だなと思うときがあって。ちょうど昨日そのころの曲を友だちの家で唄っていたんですけど。どんどん世界を疑いはじめて、自分でバリアを張っていったんだと思うんですよ。高校を出て、大学生になって東京に出てきて、どんどん自分の輝きにまっすぐになれない状態にあったんですよね。
- EMTG:その輝きをいま取り戻そうとしている?
- 小山田:そうですね。それをずっと求めてきたし、いままでも出せたときもあったと思うんだけど、どこかで自分の作る曲はサバイブしていくための武装だったような気もしますね。もちろん、それはすごくエネルギッシュで楽しくもあったし。楽しいから救われもしたし。
- EMTG:このアルバムのレコーディング中に震災があったんですよね。図らずして自分たちの音楽、このアルバムの存在意義というのを実感したんじゃないかなと思うんですけど。そのあたりで何か言えることはありますか?
- 小山田:あそこまで破壊されてしまうというのは……いままで必死で信じてきたものが“はい、嘘でした”って言われたような気がして。それくらい強制的なものだし。それでも、生きている自分は死ぬわけにはいかないし、音楽は生きる喜びだし、生きる手段でもあるから、しっかりこのアルバムを完成させたいと思った。どの曲も震災のショックを受けた状態で唄ってもいるし、ギターも弾いているし、録音されていて。それがこの作品を強くしている部分はあるかもしれない。
- 藤原:震災以降、特に自分たちが作っているものが明確になっていく感覚はありましたね。
- 岡山:震災があって、正直、このアルバムが自分にとっての最後の作品になるかもしれないって思ったんです。そんな気持ちで録っていたから、いまの自分を全部込めないと、って思いました。やれることをドラムでやろうって。みんなでいいものを作ろうと思って録りました。
- EMTG:最初に言ったようにこのアルバムはandymoriのスタンダードだと思うし、これからのandymoriのひとつの大きな指針になっていくと思う。ライブを観ていても、『革命』のモードが続いているんだなって思う。
- 小山田:うん。そういう感じはありますね。もっと音楽に救われたいと思ってるし、これからも音楽と一緒に生きていきたいです。
【取材・文:三宅正一】
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※詳しくはホームページをご覧ください。
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